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2005/06/19

落語ブームが来たって、ホント?(3)

今回は、落語本の番外編として「お江戸週末散歩」(角川書店)の話をしよう。

この本、タイトルを見る限りでは、よくある散歩ガイドブックのようで実際の中身もそうなのだが、著者は先ごろ林家正蔵を襲名した林家こぶ平である。

「江戸に出会う」「江戸を歩く」「江戸を見つける」「江戸に興じる」「江戸を味わう」などの各テーマに分けて、こぶ平の落語調のまくら話で始まり、その後に都内に残る江戸時代からの旧跡巡りの話が続くのである。本編の散歩ガイド部は、各テーマと地域割りがうまくないようで一つの地域の話題が数テーマに分散していて、実際の散歩の時見るには不便である。また、まくら部の語り口調と本編の文章の調子が全く異なり、いま一つまとまりが感じられない等など苦言があるが、普段あまり取り上げられない旧中山道沿いの板橋や石神井川沿いの話など、なかなか興味深く読める部分もある。

結論としては、一冊目の散歩ガイドとして勧めるにはちょっとためらってしまうが、江戸散歩の読み物を探している方はチエックすると良いだろう。

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2005/06/11

浅草鳥越祭りへ行く

東京で梅雨入り宣言された翌日の6月11日(土曜日)は、朝の予報では小雨だったが、曇り空から時々日差しがもれてきたので浅草鳥越祭りへ向かった。

鳥越神社へ、どのような経路で行くかは、選ぶのが難しい。一般的には都営浅草線の浅草橋駅か蔵前駅からバスか徒歩だが、今回は大江戸線の蔵前駅から徒歩である。鳥越神社前に停まる都バス(秋葉原駅前行き)もあるのだが、これは都心のバスでは珍しいほど本数が少なく、土曜日などは1日5本しかなく、それも朝7~9時に4本その後は午後4時の1本で終わりである。結局、歩くしかないのである。

ようやく着いた鳥越神社は例年どおりの賑わいで、路地は祭り客があふれている。昨年おかず横丁裏で見つけた、みつ豆屋さんも祭り提灯を掲げ営業している。見回せば新しいビルが目立つようになったが、まだまだこの辺りは古い東京が残っていそうである。

なお鳥越祭りは、明日6月12日(日曜日)までである。


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2005/06/10

落語ブームが来たって、ホント?(2)

 前回は、落語ブームについて書こうとして脇道にそれて、志ん朝の落語本の話になってしまった。今回は、脇道ついでに志ん朝の「志ん朝の風流入門」(ちくま文庫)の話をしよう。

 解説によれば、本書の原本はNHKで放送された「お好み邦楽選」の台本をベースに作られた「志ん朝の日本語高座」(PHP)であり、文庫化にさいして「志ん朝の風流入門」と改題されたとある。原題にあるように、日本語、それも歌舞伎、俳句、落語などでよく語られる言葉をまくらに、志ん朝が江戸風の語りを繰り広げるのである。

 古典芸能の話題をベースにしているが、四方八方に広がる話と江戸っ子らしい口調が、堅苦しさを吹き飛ばし見事な語りになっている。これは江戸言葉に興味のある人、必読の本である。

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2005/06/09

落語ブームが来たって、ホント?

 自宅近くの本屋をのぞいたら、落語特集コーナーが出来ていた。積み上げられた本の上におかれたPop広告によれば、TVドラマ・タイガー&ドラゴンの人気に乗った企画らしい。

 落語の話になると、ツウと呼ばれる人は、まず志ん生を上げるのがキマリらしい。長屋住まいの貧乏暮らし、大酒呑みの天衣無縫の人、そして昭和の大名人として多くの人から愛された落語家である。今でも数多くのCDが出ていることが、その人気の高さを示している。

 さて志ん生のことは、ヨソにまかせて今日は志ん朝の落語本の話をしよう。志ん生の長男が馬生、次男が志ん朝である。志ん朝は、落語だけでなくTVドラマやバラエティ番組までこなした幅広い芸を持った人であった。「志ん朝の落語」(ちくま文庫)は、彼の高座の録音からテキストをおこした本で、明烏や品川心中などよく知られた話が入っている。なお音源は、CD(SONY)で発売されている。

 最初にこの本を読んだときは、やはり落語は聴くもので、読むものではないなと感じた。志ん朝のもっている、スピード感やリズムが伝わってこないのである。しかし、CDを聞いた後にあらためて読んでみたら、よくぞここまで丁寧に文字にしたものと感心してしまった。と同時に、志ん朝の話芸に、あらためて感心した。「志ん朝の落語」の巻頭に、細かく校正された自筆落語ノートの写真があるが、その文章を、ただ読んだだけでは落語にはならない。しかし、同じ文章でも志ん朝が話すと見事な落語になるのである。これこそ話芸であり、「志ん朝の落語」(ちくま文庫)は、それがどれほどのものか示している。

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2005/06/02

JJ 植草甚一 再び(3)

JJ 植草甚一 再び(3)

 またまた植草甚一本の新刊が出た。神田東京堂書店ふくろう店をのぞいたら、レジ近くの平台に「植草甚一スタイル」が積まれていた。発行元は平凡社、2005年5月16日初版発行、コロナブックスシリーズの118、定価1600円である。巻末によれば「太陽、1995年6月号特集、植草甚一」をもとに、加筆・再構成したものと記されている。

 植草さんのポートレートを含め、雑貨、小物、日記、スクラップブック、コラージュなどが写真で紹介されており、見るだけで楽しめる。気ままにみえて、細かい執筆スケジュール表を作っていたり、丁寧に作られたスクラップブックなど、植草さんの性格が垣間見える。一番の収穫は、まだ太っていたころの植草さんの写真が掲載されていることである。

 植草さんの写真というと、細身の体にポップなTシャツや洒落たジャケットを着た姿が多く、ずっとそのような人かなと思っていたが、若い頃(と言っても40代後半)の植草さんは、相当太っていたのである。

 ところで植草甚一再び(1)では、まだブームの確信はなかったが、最近の出版を見ると、どうやらブームは本当に来ているようである。

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