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2005/06/09

落語ブームが来たって、ホント?

 自宅近くの本屋をのぞいたら、落語特集コーナーが出来ていた。積み上げられた本の上におかれたPop広告によれば、TVドラマ・タイガー&ドラゴンの人気に乗った企画らしい。

 落語の話になると、ツウと呼ばれる人は、まず志ん生を上げるのがキマリらしい。長屋住まいの貧乏暮らし、大酒呑みの天衣無縫の人、そして昭和の大名人として多くの人から愛された落語家である。今でも数多くのCDが出ていることが、その人気の高さを示している。

 さて志ん生のことは、ヨソにまかせて今日は志ん朝の落語本の話をしよう。志ん生の長男が馬生、次男が志ん朝である。志ん朝は、落語だけでなくTVドラマやバラエティ番組までこなした幅広い芸を持った人であった。「志ん朝の落語」(ちくま文庫)は、彼の高座の録音からテキストをおこした本で、明烏や品川心中などよく知られた話が入っている。なお音源は、CD(SONY)で発売されている。

 最初にこの本を読んだときは、やはり落語は聴くもので、読むものではないなと感じた。志ん朝のもっている、スピード感やリズムが伝わってこないのである。しかし、CDを聞いた後にあらためて読んでみたら、よくぞここまで丁寧に文字にしたものと感心してしまった。と同時に、志ん朝の話芸に、あらためて感心した。「志ん朝の落語」の巻頭に、細かく校正された自筆落語ノートの写真があるが、その文章を、ただ読んだだけでは落語にはならない。しかし、同じ文章でも志ん朝が話すと見事な落語になるのである。これこそ話芸であり、「志ん朝の落語」(ちくま文庫)は、それがどれほどのものか示している。

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