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2006/12/09

東京物語の謎(3)

 第1,2回と文献で東京物語を語ってきたが、やはり映画は映像だ!最終回(第3回)は、舞台が尾道から東京へ移ったシーンをDVDで見ながら、その駅の撮影地を確認してみよう。

 最初に六本の煙突がうつる、監督台本では四本となっているが実際は六本、出だしから台本と作品が違っている。まあ気をおとさず先に進もう。

 つづいて問題の駅のシーン、ホームが写るが駅名が読み取れない、じつに残念!しかしモンペ姿の女性二人が横に立つ標識をみると、上部が画面からはみ出ていて全ての文字は読み取れないが、右側は「しだ」、左側は「がふち」と縦に書かれている。これは「うしだ」と「かねがふち」ではないだろうか。標識の下の方をみると、不鮮明だが右側の部分に、ローマ字で「USHIDA」のように書かれているようだ。

 この標識左右の文字が、「うしだ」駅と「かねがふち」駅を示しているならば、この標識が置かれている駅は、これら二つの駅の間にある駅、すなわち「ほりきり」駅しかない。監督台本で指示されている堀切駅を、はっきりだすのではなく、この駅付近にあった標識の一部映像を入れることで、ここが堀切駅であることを示したのだろう。やはり堀切駅であることが、映像の中に隠されていたのだ。

 なお六本煙突シーンだが、たとえばシーン36、監督台本では本数の指定はいないが、映画では四本煙突が写っている。これは、ロケでは四本も六本の煙突も撮られていたが、何かのつごうで冒頭のシーンは六本煙突の映像と差し替えられたのだろう。実際、冒頭のシーンは、この六本煙突のほうが力強くて合っているように思う。

 さて時間にすれば僅か数秒のシーンだったが、東京物語の謎ときは楽しめただろうか。映画って本当に面白いですね、それでは、また。

東京物語の謎(1)
東京物語の謎(2)
東京物語の謎(3)

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コメント

東京物語、楽しく読ませてもらいました。映像にこめられた空気を感じることができました。
手書きのフィルムナンバーや、カチンコに殴り書きされた番号の裏側から生まれてきた映像には、特有の思い入れがあるものなんですね。
また是非、別編を!

投稿: △イチおじさん | 2006/12/13 16:29

△イチおじさんん、コメントありがとうございます。
「東京物語の謎」は、映画マニアの方がみたら、映画表現のことを全く分かっていない内容だと言われそうですが、こういう楽しみ方もあるのではと思い書いてみました。私は、たとえセットであっても、建物・街角などの風景が気になります。なぜ、このシーンはこういう風景にしたのだろうか、もしかしたらこんな意味合いがあったのかも、製作時はそんな意識は無かったかもしれないが今見直してみると・・・などなど。いろいろ想像が拡がることを楽しんでいます。

投稿: じんた堂 | 2006/12/13 23:53

足立生まれなもので、お化け煙突(四本煙突)を見て育ちました。
今年の3月にお化け煙突をネタにエントリーしています。写真は荒川放水路の左岸から父が写したお化け煙突です。東電の火力発電所の煙突は四本で他の二本は手前の工場か何かの煙突です。撮影場所にもよりますが遠景では6本、近景では4本だけが写ると思います。
http://madconnection.uohp.com/mt/archives/000934.html

この写真は発電所の直ぐ傍で撮影しているので四本しか写ってません。
東京新聞・東京慕情 昭和三十年代の風景
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20061203/mng_____thatu___000.shtml

投稿: iGa | 2006/12/15 10:47

iGaさん、コメントありがとうございます、おしえていただいたページを拝見しました。
川をいく船の遠景に「お化け煙突」、これこそ東京の川の手風景ですね。私も子供のころ、親につれられて上野動物に行った帰りに、”あれが「お化け煙突」だ”と聞いた記憶がよみがえりました。
船のある風景といえば、両国橋付近で筏を引いた船が上流をめざしていたのを何度か見たことがありますが、これも今は消えた風景です。

投稿: じんた堂 | 2006/12/16 10:49

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