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2007/06/20

風を見る

 松風という言葉がある。手元にある新明解国語辞典によれば、1.「松に吹く風(の音)」に加えて2.「(茶の湯で)茶がまの煮え立つ音」とある。どこか分かったようでよく分からない説明だが、そもそも松に吹く風の音とは、どのようなものだろうか。

8dsc02597 何々の音と書くだけで、その風景が浮かぶものがある。有名なところでは、芭蕉の俳句にある「古池や蛙飛込む水の音」があるが、これなどは実際に音を聞いたことはなくても、いかにも静かシーンを思い浮かべる。

 我が家から少し歩いたところに、古い松並木がある。数はだいぶ減ったが、今も残る何本かは二階屋の屋根をはるかに越える高さがある。そのどれもが同じ方向に傾いている。もちろん風の影響だと思うが、この場所は海辺から大分離れているので、いつも一定方向の風が吹いているようには思えない。音もなく、頬をなでる空気の流れも無いが、それでも、この風景をみると松風の存在を感じる。それは耳で聞くよりも、松風のイメージをより強く伝えるような気がする。

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