« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »

2009/04/29

振り子の気持ち

 いよいよ一箱古本市まであと4日となり、休日となった今日29日は準備作業に集中する(・・・つもりだった)。

7dsc05130 毎年、直前まで、どのような本を持っていくか悩む。持っていくからには断然売れそうな本、いや、売れなくても自分で面白いと思った本と、気持ちはまるで振り子のようにいったりきたりする。
 
 とにかく本棚や床に積んである本を出してみるが、ときどき思いがけない本がみつかり、つい読み始めてしまう。

 お祖父さんの本箱にあった「音の夕映」は、池田圭のエッセイ集。池田圭は、オーディオ研究家、自宅にスタジオを建築し、WesternElectric製劇場用ホーンスピーカー15Aをステレオにし。一部のオーディオマニアにとっては神様のような人、その文章は、旧字体が多く知らない漢字がばんばん出てきて最初は読みにくいが、中頃からはスラスラ読めるようになる。しかし内容は、以外にも現代に通じるものがあって古びていないのが良い、マニアが支持するのも分かる気がする。しかし、これはマニアックすぎて一箱古本市には無理だろう。

 お祖母さんの本箱からは「すてきなあなた」(大橋鎮子、暮らしの手帖)。大橋鎮子は、花森安治と共に暮らしの手帖を創刊し、花森が死去した後は編集長・社長をつとめた。「すてきなあなた」は、暮らしの手帖に連載されていた同名のエッセイを一冊にまとめたもの。なんと言っても、花森安治の装丁・飾絵、雑誌の雰囲気を残した3段組ページがいい。これは谷根千に持っていこうかと思う。

 それにしても、今年も、出品する本がなかなか決まらない。

 土曜日の夜までには、なんとかしなければ・・・。

| | コメント (0)

2009/04/27

みちくさする

 前日の雨がすっかり止み青空が広がった日曜日、古本フリマ「みちくさ市」が開催されている鬼子母神へ向かう。

7dsc05119 副都心線へ乗り換えようと都営新宿線を新宿三丁目駅で下車したら、改札を出たところで待ち合わせをしているらしいグループ。さすが新宿は人が多いなと思いながら、人ごみをすり抜けながら地下道を歩く。

 途中、伊勢丹によりみちするが、行列を前にして早々に退散。

 いまや”行列ができる・・・”を、お店の良さを示すように取り上げるTV番組があるが、お客さんを外に並ばせるようなお店はダメだし、そこに並ぶのも好ましくないのが本当らしい。先日読んだ「昭和恋々」の中で山本夏彦は、”飲食店に行列するのは以前は恥だったのである”と書いてあった。

 雑司が谷駅で下車し、雑司が谷・鬼子母神通りを歩けば、古本師匠、古書講座仲間の人々、谷根千の一箱古本市でお会いした人などが商店街のあちこちに。

 今回が第一回の「みちくさ市」だが、さすが古本エキスパート集団「わめぞ」がサポートしているだけあって、各店がうまく配置されている。各出店スペースが広く、とてもゆったりしているのがじつにいい感じなのだ。これはストリート系の古本フリマとして定着してほしいイベントだ。

 「みちくさ市」は、年4回開催となっており、次回は7月25日(土)が予定されている。

 さて次の日曜日、5月3日は、谷根千での一箱古本市が開かれる。じんた堂は、猫町カフェ29に出店する。

| | コメント (0)

2009/04/23

ミシュラングリーンガイド

 今日は気持ちよい晴天、午後から根津神社のツツジ園へ向かう。

7dsc05039 桜と同じように、ツツジの開花も年によって早くなったり遅くなったりする。ちょっと訪れる時期がずれてしまうと、若葉見物になりかねない。

 さて今年はどうだろうか・・・。

 ざっと見たところ、ほぼ満開のように見えるのだが、来週見頃という話しもある。

 それにしても平日なのに人が多い、しかも外国人によく出会う。

 ミシュランのガイドブックで紹介されて以来、高尾山を訪れる外国人が多いというニュースがあったが、もしかして谷根千もガイドブックに掲載されているかもしれない。そう思い検索したら、3月16日に発売された”ミシュラングリーンガイドジャポン”(フランス語版)を見つけた。

 プレスリリースにある掲載地リストによれば、谷中・谷中霊園・朝倉彫塑館・スカイザバスハウスなど谷中付近が紹介されている。まだ発売して間もないしフランス語版のみなので、このガイドブックの影響で、今、谷中に外国人が増えているとは思えないが、そのうち高尾山のように賑わうのだろうか、今後の動向が楽しみだ。

| | コメント (0)

2009/04/21

空と地上の間に

 天気予報通りに午後から雨となった火曜日、御茶ノ水へ向かう。

7dsc05015_2 雨は降ったり止んだり、時おり日差しもある状態、秋葉原にできた新しいビルが微妙に輝いているのに気づく。

 遠くにある、右側のビルの窓ガラスは青空を反射しているようにブルー、中央にそびえるビルは金色に輝いている。グレーの空と雨に濡れた暗い地上の間に、光あふれる空間が広がっているように見える。

| | コメント (0)

2009/04/19

1966年へ・・・

 物置にスピーカーの空箱が2個あるのは知っていたが・・・

7dsc04542 以前にも紹介したが、8CX-50はコーラル音響が販売していたスピーカーユニット、父がステレオで使用していたものがいまも私の部屋の隅で休んでいる。

 先日、物置を整理したとき8CX-50の空き箱を持ち上げたら、その一個が重いことに気づいた。箱を開けたら、なんとスピーカー、それも8CX-50が入っていた。物置にあった箱は、ずっと空っぽだと思っていたが、もう一つの8CX-50が入っていたのだ。

 同時に古いカタログも出てきた。

 カタログによれば、8CX-50は、コーラルゴールデン50シリーズの中核となる製品で、20cm2ウエイスピカー、再生周波数30-22000c/s、クロスオーバー3000c/s、出力音圧100db(旧JISなので現規格では94db)となっている。説明書では、インピーダンスは16オームだが、箱に入っていたものは8オームとなっており、両方のタイプがあったようだ。定価は、8CX-50は¥4500、専用キャビネットは¥10200となっている。父は昭和41年(1966年)に購入していた。

 なにしろ8CX-50は、今から40年以上前の製品。冷静に聴けば、現代のスピーカーから比べればレンジが狭く、無理して捜し求めるような製品ではない。しかしそのサウンドは、子供の頃、父の横で聴いたラジオから流れてきたヒットパレード、クラッシク音楽や落語を思い出させる。

 それはビートルズが来日し、加山雄三が君といつまでもを歌い、大鵬が優勝、ウルトラマン、サンダーバードが放映されていた時代だ。このスピーカーは、私を1966年に引き戻すタイムマシンなのだ。

| | コメント (0)

2009/04/18

新緑見物

 昨日ほどではないが、少し風が冷たい薄曇の土曜日、新緑のモミジを見る。

7dsc05005 モミジ見物というと普通は秋の紅葉となるが、この時季のモミジもなかなか良いのだ。

 若葉におおわれたモミジを見上げれば、大小の葉が微妙な濃淡を描いている。小さい葉は、薄いためか日差しを通して黄色く輝き、大きい葉は日差しをさえぎるらしく暗く緑も濃くみえる。かんたんに若葉といっても、その色調は葉によって微妙に色調が違う。

 さらによくみると、小さな赤い点が葉のところどころに見え隠れしている。

 モミジの花だ!

 モミジの花には蜜でもあるのだろうか、小さな虫が飛び回り、その中には蜂もいる。

 モミジの楽しみは、この後もつづく。

 花が終わると、二葉のような形をした実がなり、やがてその実は、プロペラのように空中を回転しながら舞っていくのだ。

 ところでモミジの葉は、和食のかざりとしてもよく見かける。いわゆる「つまもの」と言われるもので、春(初夏)の新緑の若葉、秋の紅葉とよく利用される。春秋を目で味わう、こういう楽しみもできるのがモミジの良さかもしれない。

| | コメント (0)

2009/04/12

じんた堂@春の一箱古本市2009

 桜が散りはじめ、若葉が目立つようになると、ゴールデンウィークをどう過ごすかという話が飛び交います。

7dsc04975 じんた堂のゴールデンウィークは、今年も谷根千一箱古本市への参加から始まりますが、その日時・場所が決まりましたのでお知らせします。

 2009年春、じんた堂@谷根千一箱古本市

 日時:5月3日(日曜日) 11:00-16:00
 場所:谷中・猫町カフェ29 東京都台東区谷中2-1-22

 店先を貸してくださる大家さんのページは、こちらにあります

 出品内容は、東京散歩本、懐かしい趣味本とエッセイ、さらに目玉として特別企画を予定しています。以下に、その内容を紹介します。

2009年春の特別企画

 東京に関する二大達人の協力をえて、以下の本を出品する予定です。

1.コレジオ「川の地図事典」など

 名前は知らなくても、あのタモリ倶楽部で、タモリとその仲間を石神井川や国分寺崖線で引率していた人といえば分かる人は多いでしょう。芳賀氏は、地図・書籍出版コレジオ社の代表であるとともに、町歩きの公開講座の講師としても活躍されています。今回は、タモリ倶楽部でも紹介され、いまや東京散歩上級者の必携本となったフィールド・スタディ文庫「川の地図事典」に加えて、最新刊である「江戸・東京地形学散歩増補改訂版」、「風土紀行を」出品して頂く予定です。

 コレジオのホームページは、こちらにあります

2.写真集「時差ボケ東京」

 写真・音楽・ファッション・ブログkai-wai散策と幅広い分野で活躍されるカメラマン村田氏が、昨年出した写真集「時差ボケ東京」は、現代の東京を独特な方法で表現し話題になりました。その作品は、あきらかに東京の日常風景なのですが、時のゆらぎを見るような不思議な感覚を与え、疲れた脳をリフレッシュするのに最適な一冊でしょう。今回は、その「時差ボケ東京」を出品して頂く予定です。

 ブログkai-wai散策は、こちらにあります

3.じんた堂の本箱

 上記二大企画に加えて、なぜか定番になってしまったお祖母さん本箱からは、和裁関係、お祖父さんの本箱からは、8ミリカメラ関係。じんた堂の本箱からは、建築、江戸、エッセイ本を持っていく予定です。

4.不忍ブックストリートの各地で行われる企画

 谷根千での一箱古本市および不忍ブックストリート各地で行われる企画(トーク、展覧会、ワークショップ、映画上映)の案内は、こちらにあります

| | コメント (4)

2009/04/05

フィールドワーク:深川資料館通り謎の柱

 清澄白河にある深川資料館通りの中ほどに、歩行者専用「日曜・休日の10-18時」を示す道路標識が設置されている。これだけであれば、都内の商店街でよくみかける光景だが、その下の表示が興味を引く。

 そこには、毎月3・13・23日の16-22時とある。

7dsc04678 すなわち、この通りは、日曜・休日の昼間に加えて、毎月3のつく日は、夕方4時から夜10時まで歩行者専用となることができる。このレポートでは、この標識をきっかけにして、この通りで見つけた柱とその正体を報告する。

1.毎月3のつく日は縁日

 巣鴨のとげぬき地蔵は、いまも毎月4のつく日に縁日を行っているが、かつて都内には毎月1のつく日や5のつく日など、日をきめて縁日を行っていた場所が数多くあった。資料館通りに住む地元のお年寄りの話では、ここでは毎月3のつく日に地蔵さんの縁日が行われ、歩くのも大変なほどの人出で賑わったそうだ。いまは、縁日の賑わいは、お年寄りの思いでの中にしかないような落ち着いた通りだが、縁日が確かに行われていた証拠が残されているので紹介しよう。

2.縁日に必要な許可とは

 縁日の話しを進める前に、縁日に必要な許可について少し説明しよう。

 縁日のために道路を使用するには警察の許可が必要となるが、それはどのようなものだろうか。

 昭和35年に「道路使用許可取扱要綱の改正について」という文書が警視庁から出されており、その中で縁日露店について許可条件が述べられている。

 その文書の「縁日露店・出店地域の指定」に、道路の長さ・幅員などの条件に加えて、項目e)に以下の記述がある。

e)出店地域の両端には高さ1.5メートル、方径0.15メートルの角柱を歩車道境界石、又は道路に設置し、指定の区間及び期間、出店時間、管轄警察書名を表示すること。
 
 これによれば、縁日を行う道路には、縁日許可条件を示す柱が建てられることになるが、実際にはどのようだったのか、また今はどうなっているのだろうか。資料をいくつかあたったところ、以下二つの記録が見つかった。

2.1 縁日露店指定区域の柱の記録(品川)

 「東京の縁日風土記」(山本、講談社、昭和57年)は、“品川警察署の場合、管内四ヶ所の縁日がひらかれる道路上に、それぞれ許可範囲を書いた柱をたてている。他は、かつて同様の柱をたてたところもあるが、現在書類上で処理し、道路には何の公示もないところが多い。”と記している。

 このことを確認するために、昨年(平成20年)、北品川の虚空蔵尊(養願寺)付近を歩いてみた。養願寺には品川区の設置した記念碑などはあるのだが、残念ながら縁日露店指定区域の柱は見つからなかった。地元商店の人の話では、縁日はだいぶ前に無くなり、春秋のお祭りのときに露店が出るだけになったそうだ。

2.2 縁日露店指定区域の柱の記録(神田、洲崎)

 「わたくしの東京地図」(高橋義孝、文芸春秋、昭和39年)では、神田地区の写真の説明に“縁日は立たなくなった、縁日露店指定区域の標識だけが南明座の傍らに立っていた”とあり、洲崎を歩いた文章の中では“この電車道だったか、歩道の端に白ペンキ塗りの杭が立っていて、その杭に「縁日露店指定区域」と書いてあった”と記している。

 ここまで調べた限りでは、縁日露店指定区域の柱は、昭和30年代には都内の複数個所で見かけられたが、昭和50年代になると少なくなり。そして現代では、まったく消えてしまったか、あったとしてもそれは非常に少ないと思われる。

3.資料館通りの縁日露店指定区域の柱

 資料館通り商店街事務所前の交通標識の横を見ると、電信柱のかたわらに古い柱のようなものがある。その柱からは、ところどころ文字がかすれているが、“出店毎月・・・出店時間”、“出店地域指定期間・・・”などが、いまも読みとれる。

 この柱の形状・記述内容は、まさしく縁日露店指定区域を示すものである。昭和50年代には、都内から消えたと思われた柱が、まだ現存しているのだ。

 地元商店街の方の話しでは、これは昔からある縁日許可の柱で、現在、縁日は行っていないが、かつての賑わいの記憶を残すため、この柱を保存しているそうである。これは、間違いなく昭和の町の遺跡と言える。

| | コメント (0)

2009/04/02

オスカーピーターソントリオのプリーズ・リクエストを聴く

 年度末のバーゲンセールで、オスカーピーターソンのプリーズリクエスト(英語の題名は、WE GET REQUESTS)がでていたので購入。

We_get_requests 1970年代の初め頃だったろうか、オーディオショップでジャズを聴きたい言えば、まずこのアルバムがかかっていた。録音は1964年、スイングジャーナルの録音賞を受賞している。

 油井正一の解説によれば、”ピーターソントリオは、ナイトクラブで演奏するとき、よく流行中のヒット曲のリクエストを受けるという。お客が彼をからかっているのでない限り、進んで演奏するそうだ・・・ピーターソントリオは、ヴァーヴへの置きみやげにそうしたレパートリーを集めた本アルバムを残した”となっている。コルコヴァード、酒とバラの日々、ピープル、イパネマの娘などは、いまも知られるポピュラー曲が並んでいる。

 久しぶりに聴いてみると、スイング感あふれる演奏と音の良さに、思わず和んでしまうう。

 「酒とバラの日々」「ピープル」などそのリズムが実に心地よく理屈抜きに楽しめる。「ユールックグッドトウミー」でのレイブラウンのベースは、これぞウッドベースという感じで、じつに太くたっぷりとしており、現代では聴けないような存在感がある。

 こういうアルバムを聴いていると、ノイズレベルとか音場とか音の鮮度など、技術的なことはどうでもよくなる。優れた作品は、時代を超えて感動を与えるのだ。

| | コメント (0)

« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »