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2009/10/10

「映画カラオケ」のすすめ

 今月の雑誌東京人の特集は、「映画の中の東京」。

Tokyojin0911 映画+東京といえば川本三郎さんだが、”昭和二、三十年代の日本映画のなかに、いまは失われた東京の風景が出てくるとそれだけでうれしくなる”とはじまる文を、”今ひとたびの「銀幕の東京」”として巻頭に寄稿している。

 その内容は、川本ファンであればおおよそ想像できるかもしれないが、「銀幕の東京」(川本三郎、中公新書、1999年)をふり返って、消えた東京の風景を映画のなかに探すことを、「鉄道ファンの廃線跡を歩くとことと似ている」とした点が興味深い。鉄道廃線を探す旅と、昭和東京映画の中に消えた風景を探すことが、同じような現象ではないかと指摘しているのだ。これは、いまやブームとなった東京街歩きとも通じるかもしれない。

  ところで今月の東京人で最も注目するのは、川本さんに”目から鱗が落ちるような”と言わせた、”大瀧詠一の「映画カラオケ」のすすめ”だろう。

 「秋立ちぬ」(昭和35年)と「銀座化粧」(昭和26年)は、ともに銀座近くの新富町を舞台にした成瀬巳喜男監督の映画だが、この二作品は、ともに築地川がテーマとなっている。これらの作品の舞台をさらに掘り下げたら、どのようなことが分かるのだろうかと・・・。

 大瀧さんは、”カラオケに歌手がいないように、映画の場面から役者を抜いてバーチャルな世界を作り、登場人物の視線でその世界を歩く”ことを映画カラオケとして、この二作品の舞台となった地を探し歩き、さらになぜこの場所を選んだかその歴史まで遡っている。

 これだけならただの映画ロケ地めぐりのように思うかもしれないが、そんな簡単な話しではない。

 映画は、スタジオセットという実際には存在しない作り物の風景と、ロケでの実風景が組み合わせられている。じつは成瀬巳喜男は、セットでの撮影が多いことが有名な監督なのだ。はたして成瀬巳喜男が舞台とした描いた町は、どのような姿なのだろうか、またそれは実際の町とどのような関係にあったのだろうか。

 大瀧さんは、「映画カラオケ」によるアプローチで、映画から切り取った静止画を手に現地を歩き、古い地図や写真を探り、ときに想像力を発揮してズンズン突き進んでいく。これは、まるで時空を超えた街歩きといえる。

 さて「秋立ちぬ」と「銀座化粧」の映画カラオケから、何が分かったのだろうか・・・。

 その答えは、今月の東京人を見てのお楽しみだ!

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