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2010/11/28

蔵書数の質問へかっこよく答えるには

 角川ランティエ叢書は、ハードカバーながら文庫サイズなのでカバンに入れやすく、ちょっとした外出に持っていくのに便利である。

5dsc01679 今、カバンのポケットに入っているのは、先日開催された深川ふるほんばしで東京セドリーヌの箱から購入した「古本とジャズ」(植草甚一、角川ランティエ叢書、1997年)。JJオジサンが、1960年~1970年代に宝島や他の雑誌で発表した文章を一冊にまとめたものだ。

 すでにどこかで読んだような文章が多いが、退屈はまったくしない、むしろ”そうそう”とか”それはどうかな”とツッコミながら楽しんでいる。若い頃はJJオジサンはなんて凄いだろうと思っていたが、自分があの頃のJJオジサンの歳に近づき、なんとなく余裕をもって読むことができるからだろう。

 本好きの人に発せられる定番の質問の一つに、”あなたは何冊ぐらい本をもっていますか”というのがある。JJオジサンもそれに関する文を残している。たとえば1961年のモダンジャズについての三章では”ハードカヴァーの小説や雑誌やポケットブックのたぐいが、六畳の部屋ふたつと廊下に一万冊ばかりたまって動きがとれなくなってきた”とある。

 それが1978年の植草甚一自伝となると”ぼくには本の物置になった借家があって、いまのアパートから歩いて五分で行ける。値打ちなんてない本ばかりだけれども、ちいさな古本屋なら三軒できるくらい溜まってしまった”となる。蔵書が自分の家の部屋におさまるころまでは本の数を把握していたようだが、本が増えるにつれてもはや数えることは不可能となり、”古本屋三軒”というちょっと想像しにくいが本好きにはたまらない表現になってしまったようだ。

 それにしても蔵書の量を冊数でなく”古本屋三軒”などとお店や建物の数に置き換えて言うのはカッコイイと思わないか。いつかこんな表現を使ってみたいと思っていたら、先日のふるほんばしでそれに近い話をされた方がいた。”何冊ぐらいもっていますか?”の質問にたいして、”田舎に物置を二つ建てました”との答えた人がいたのだ。

 江戸川乱歩は、書斎・書庫として土蔵を建てたが、そこまでいかなくても専用の倉庫や部屋を持つのは本好きの夢である。私もいつか”冊数は数えてませんが、四畳半の書斎に並ぶぐらいの本をもっています”ぐらいのことは言えるようになりたいものだ。

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2010/11/22

第二回ふるほんばし終わりました

 「第二回ふるほんばし」無事終了しました。

5dsc01632 今回は三会場同時開催となり、参加する店もお客さんも幅広く、好天にもめぐまれ楽しい三日間となりました。

 深川東京モダン館は、古本+骨董(アンティーク)という今までありそうでなかった新たな会場となり。そら庵は、川べりのブックカフェという立地条件を生かしたなごみ系の古本喫茶になり。深川いっぷくは、似顔絵描きコーナー、橋めぐりツアー、そして出版社編集者を迎えてのトークショーというバラエティー豊かな会場になりました。さらに、資料館通りに開店した古本屋「しまぶっく」、アート系本が充実している「TOKYO BOOKS」もふるほんばしに参加しました。

 じんた堂が参加した深川いっぷくは、出店メンバーが古本オールスターズ状態。ドンベーブックス、脳天松屋、駄々猫舎、石英書房、東京セドリーヌ、Rainbow booksなど、いずれも各地古本イベントで活躍されている方々の箱が一箇所に集まるという、まるで夢のような古本屋モールが出現しました。これらの箱をみるだけでも十分ですが、しかも気に入った本を購入できたのです。私も5冊購入しました。

 今回のじんた堂はイベントを担当していましたので、あまり接客できませんでしたが、橋めぐりイベントに参加して頂いたお客さん、Blue Note Album Artを買っていただいたお客さん、和裁の本を買って頂いたお客さん、皆様本当にありがとうございました。そして、ふるほんばしに来ていただいた皆様ありがとうございました。

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2010/11/19

第二回ふるほんばし始まる

 第二回ふるほんばしが、本日から始まりました。

5dsc01403

 店主として参加されている店主さんを、深川いっぷくから深川東京モダン館へ案内した後、再び一緒に深川いっぷくへ。その途中、富岡八幡宮の前を横切ろうとしたら、参道を行き交う人の波をみかけました。

 今日は二の酉、参道を挟むように並んだ熊手を飾る店のあちこちから威勢の良い掛け声があがっていました。もう師走まで二週間を切ったのかと思うと、どこかあわただしい気分。

 さて、第二回ふるほんばしは、新たな古本メンバーを迎えて順調にスタート。明日は、橋めぐりミニツアーを開催します。天気予報では、朝まで雨だが昼前には晴れそうとのこと、参加をお待ちしています。

 告知

 11月20日深川いっぷくからの中継が予定されていますUstream番組「ピーマンTV」は、急逝されたノンフィクション作家・黒岩比佐子さんをしのぶ緊急追悼番組となります。工作舎、角川選書、講談社の編集担当者をむかえて黒岩さんについて語ります。

 ピーマンTVは、11月20日(土)午後7時、http://p-man.tv


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2010/11/17

清洲橋夜景

 清洲橋は、昭和3年に隅田川に初めて架けられました。橋の名は、日本橋中洲町と深川清澄町を結ぶことからそれぞれの町から一文字とり組み合わせて清洲橋。橋のデザインは、ドイツケルンにあった吊り橋を参考に行なわれました。

5dsc01166 永井荷風は、この橋が完成して数年後の様子を短編「深川の散歩」(昭和9年)に描いています。“清洲橋という鉄橋が中州から深川清住町の岸へかけられたのは、たしか昭和三年の春であろう”ではじまる文章は、その当時の清洲橋から見える川沿いの風景にくわえて、萬年橋、芭蕉庵跡、柾木稲荷や六間堀の様子を詳しく描いています。

 六間堀はすでに埋め立てられてありませんが、芭蕉記念館から萬年橋を通って清洲橋までの道は、まさに永井荷風が歩いた道と思われます。

 この清洲橋をふくめて深川北部の橋と名所をめぐる、第二回橋めぐりミニツアー北(清洲橋)コースを、11月20日(土)に開催します。集合は、清澄白河・資料館通りの「深川いっぷく」午後2時、当日飛び込み参加も歓迎、もちろん参加費は無料です。11月21日(日)は、南(永代橋)コースを開催します。

 橋めぐりの詳細は「ふるほんばし」ホームページをご参照ください。

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2010/11/14

晩秋

 先月末だが、向島鳩の街で開催された「ふるほん日和」の打ち上げで、DさんとRさんと一緒のテーブルになった。

5dsc01638 古本仲間ということで、話題はそれぞれが若い頃に読んだ本のことになったのだが、私が高校生時代に読んだ北杜夫の「どくとるマンボウ」シリーズの名を上げても通じず。ならば柴田翔「されどわれが日々」はとなったら、”古本屋に立ち寄る話からはじまる、あれですね”と返された。

 柴田翔の「されどわれらが日々」を購入し読んだことは憶えているのだが、さてその作品の中身となると導入部をふくめてまるで記憶がない。映画化もされたそうだが、それを見たかも憶えていない。同じの頃のクレージーキャッツ映画は、なんとなくこんなシーンがあったかとなるのに、芥川賞純文学作品の記憶がないのは不思議だと思っていたら、すでに似たようなことを書いている人がいた。週刊ブックレビューの司会者である児玉清さんである。

 「負けるのは美しく」(児玉清、集英社文庫)に収録されている「無邪気だけが残った」の中で、クレージーキャッツ映画の監督であった吉沢憲吾の早撮りにふれるとともに”かつての大人向けの名画が著しく光彩を失う一方、子ども向けと侮られた怪獣物の映画やTV映画が光り輝いているのは何故なのか。芸術って何なのか”と書いているのだ。私もこの話に納得するところがある。

 ところで、先日検診を受けた医院にこんなポスターが貼ってあった。”昨日どのようなものを食べたか思い出せないのは、ただの物忘れです。昨日食べたか憶えていないのは記憶障害の疑いがありますので、医者に相談してください・・・”のような内容だった。この通りであれば、私が「されどわれらが日々」の内容を憶えていないのはたんなる物忘れなのだが、はたしてそうだろうか・・・。

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2010/11/12

新大橋夜景

 夜の隅田川テラス・・・

5dsc01165 上流に目を向ければライトアップされた新大橋が明るく輝き、ゆらゆらとわずかに波打つ暗い川面が鏡のように橋と周辺の光を映す。

 先日、隅田川沿いでドイツ人映像作家が出会ったが、その16ミリフィルムカメラのレンズは、下流の清洲橋でなく、上流にある新大橋に向けられていた。清洲橋は、ドイツケルンにある吊橋を参考に昭和3年に新たにかけられた橋である。深川清住と日本橋中洲を結ぶことから清洲橋となった。

 新大橋は、芭蕉も句をよんだ江戸時代からある橋だが、現在のものは昭和53年に架けられた現代的デザインの橋である。それが完成したときは、周りの風景から浮いているような印象だったが、その後できた最新建築に目が慣らされたのか、このごろは違和感が消えてきた。

 その映像作家は、”新大橋の三角形は美しい”と語っていた。たしかにこの三角形は、どこか力強く安定感があるように見える。この造形は、現代映像にぴったりなのかもしれない。

 第二回橋めぐりミニツアーを、ふるほんばしのホームページ・橋めぐりミニツアーで案内中です。

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2010/11/10

銀座でApartmentを見る

 銀座でNeonさんこと大倉ひとみさんの個展”Apartment"を見る。

Apartment どこか懐かしい東京の古い町や建物を主題に、それを美しい絵画やガラスコラボ作品で発表されている大倉さんが、今回はアパートを描いた絵画作品を発表。

 パソコン画面では少しボケて映っているかもしれないが、実物は、暗さのなかにひそむ微妙な陰りのグラデーションが美しく、絵画ファンはもちろん街歩きファンにもおススメの個展。

 大倉ひとみ展は11月14日(日)まで。東京都中央区銀座1-4-15 ギャラリーツープラスで開催。

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2010/11/07

清洲橋夕景

 萬年橋近くの隅田川堤防上に小さな公園がある。

5dsc01554 正式には史跡展望園という芭蕉像が置かれている公園だが、ここは隅田川を眺める絶好の地。

 ちょうど隅田川の流れが、下流に向けてぐっと左に曲がり、再び右に曲がる地点、地図で見るとS字型の下側のふくらみの地点。この公園に立つと上流に新大橋、下流に清洲橋、さらに斜め後方に萬年橋と三つの橋が見える。

 ここは閉園が4時半と早いが、この時季は4時過ぎに、ビルの向こうに太陽が沈み始め夕暮れのなか黒々とした清洲橋のシルエットが見ることができる。

 第二回橋めぐりミニツアー北コース(11月20日)は、この地点の横にある「そら庵」にゴールします。第二回橋めぐりミニツアーについては、ふるほんばしのホームページ・橋めぐりミニツアーをご参照ください。

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2010/11/03

橋めぐりミニツアー:兄弟橋

 兄弟橋と書くと演歌のタイトルと間違われそうだが、本物の橋の話しである。
 
5dsc00734 以前、二重アーチの深川萬年橋を紹介したが、その正式な形式名はタイドアーチ。「東京再発見」(伊東孝、岩波新書)によれば、最初のタイドアーチは品川に架けられた八つ山橋だそうだが、この橋はもう無い。しかし、同形式の橋として秋葉原-御茶ノ水間にかかる鉄道橋を紹介している。昌平橋交差点上にかかる総武線の鉄橋である。

5dsc00491 昌平橋の上からみると、この鉄道橋は萬年橋とまったくそっくりで、兄弟といっても良いほどである。道路橋と鉄道橋には、第一回橋巡りツアーで立ち寄った大横川に架かる福寿橋に、汽車製造が1929年に製造したことを示す製造銘板が残されているように、設計・製造に重なる部分がある。

 さて11月20日・21日に開催を予定している第二回深川橋めぐりミニツアーでは、20日(土)の北(清洲橋)コースでこの萬年橋を訪れる。橋めぐりに興味のある方は、「ふるほんばし」ホームページ・橋めぐりミニツアーをご参照下さい。また、橋めぐりミニツアーに参加希望の方は、参加日(両日も可)・人数・氏名(家族などで参加の場合は代表者名)を記入のうえ、 ふるほんばし件名:橋めぐり宛てへメールでお申し込み下さい。

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2010/11/01

第二回ふるほんばし開催案内

 第二回ふるほんばしが、11月19日(金)から21日(日)まで3日間開催されます。

5dsc00729 今回は開催場所とイベントが一気に増えて、深川いっぷく、そら庵、深川東京モダン館の三箇所で一般参加の古本市を同時開催、さらに、しまぶっく、TOKYO BOOKSも共催となります。また公開トークイベント(本の現場シリーズ)、第二回橋めぐりミニツアーも開催します。

 古本市へ参加希望者は、ふるほんばしホームページをアクセスし、開催概要を確認のうえメールにて申し込み下さい。箱数や搬入・搬出は各場所によって異なりますので、まずは深川いっぷく、そら庵、深川東京モダン館の開催案内を確認してください。もし質問などがありましたら、それぞれにメールをお願いします。

 第二回橋めぐりミニツアーは、20日(土)と21日(日)の二回、集合はどちらも午後2時深川いっぷく、全行程4km・徒歩約2時間となります。

C 20日(土)は、北(清洲橋)コース、「深川いっぷく」を出発し「そら庵」をゴール。
芭蕉が奥の細道に旅立った海辺橋をはじめ歴史に名を残す橋を渡ります。さらにコース途中、清澄庭園や芭蕉記念館など深川北部の名所を訪れます。

Photo 21日(日)は、南(永代橋)コース:「深川いっぷく」を出発し「深川東京モダン館」をゴール。
国産最古の鉄橋である八幡橋を渡り、大横川・隅田川沿いを永代橋に向かいます。さらにコース途中、富岡八幡・深川不動など深川南部の名所を訪れます。

 橋めぐりミニツアーへ参加希望者は、ふるほんばしホームページをアクセスし、開催概要の橋めぐりツアーの内容を確認のうえ、参加日(両日も可)・人数・氏名(家族など複数名の場合は代表者名)を記入のうえ、ふるほんばし 件名:橋めぐり宛てメールにてお申し込み下さい。

 上記地図は、イメージです。Google Mapにリンクしていません。

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