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2011/07/17

東京のひがし本#2

 前回の東京のひがし本リストは、なるべく新刊で入手できる本を選んだつもりだったが、オンライン検索で調べたら「注文できません」が次々と表示された。

 例えば大東京繁昌記(平凡社ライブラリ)は、これは関東大震災後の復興途上の東京のすがたを有名作家が自ら歩き記録している。その下町編に取り上げられた地域と担当する作家は、本所両国:芥川龍之介、深川残景:泉鏡花、大川風景:北原白秋、大川端:吉井勇、雷門以北:久保田万太郎、日本橋付近:田山花袋、新古細句銀座通:岸田劉生という豪華なメンバー。描かれた時代が古いので東京のひがし本リストに載せるかためらったが、震災前後で東京がどのように変化したか知るによい本なのでリストに入れた。しかし、残念ながら現在は「注文できません」となっている。

 また新しいといっても1995年出版だが、イーストサイド・ワルツ(小林信彦、新潮文庫)は「絶版」になっている。こちらは深川やめったに取り上げられない曳舟が舞台として登場する小説なのでリストに入れたのだが、残念としか言いようがない。

 ところで「注文できません」という言葉は、その真意というか背景がどうもはっきりしない。たまたま在庫がゼロで次の入荷まで待ってほしいのか、もうこの本は絶版で今後の販売予定はないのか、どうなんだろうか。さらに別の検索サイトでは「重版未定」という表示もある。これは絶版の決定はしていないが、次の版を出すか決めていないのだろうか。本を購入する側から言えば、いま購入できないなら「いつ頃購入できるか」、まったく見通しがないのか知りたいところだが、どうもそれに答えてくれない。

 前回のリストに「注文できません」「絶版」のものに*をつけてみると下記のようになる。10冊のなかで5冊が新刊で入手できないのだ。

*1.大東京繁昌記・下町編:本所両国・深川(芥川・泉鏡花、平凡社ライブラリー)\1365
2.墨東綺譚:玉の井(永井荷風、岩波文庫)\483
3.原色の街・驟雨:鳩の街(吉行淳之助、新潮文庫)\460
4.流れる:柳橋(幸田文、新潮文庫)\460
*5.ふるさと隅田川:向島(幸田文、ちくま文庫)\672
*6.洲崎パラダイス:洲崎(芝木好子、集英社文庫)\410
*7.イーストサイド・ワルツ:京島(小林信彦、新潮文庫)\571
8.私のなかの東京:玉の井(野口富士男、岩波現代文庫)\945
9.歴史をあるく、文学をゆく:向島(半藤一利、文春文庫)\680
*10.江東歳時記:江東・葛飾(石田波郷、講談社文芸文庫)\1365

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