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2012/02/29

一駅歩けば

 地下鉄の乗り換えでよく利用するのに、その付近の地上がどのようになっているか知らない駅がある。

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 都営新宿線の馬喰横山駅は、都営浅草線・JR東日本橋への乗換駅だが、いつも地下通路を歩くだけで地上に出ることはなかった。先日、次の予定まで時間があったので下車して一駅歩いてみた。

 表通りは大きなビルばかりだが、裏通りに入るとビルの間に古い建物がポツリポツリ残っている。日本橋本町で見かけたこの建物は、古い西洋館のように二階部分にバルコニーが作られている。しかも柱も柵も壁面上部の飾りも、しっかりと造形されている。一駅歩いたことが、思わぬ出会いを作ってくれたようだ。

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2012/02/26

消えた書店・神保町2

 最近、「すずらん通り」と「小宮山書店」横の通りが交差する地点に、サンマルクカフェが開店した。

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 2005年4月撮影の写真を見ると、この交差点にツルオカピアノとアオヒ印房、さらに小宮山書店方向に明文堂と文省堂が並んでいる。文省堂は、小宮山書店側の壁に大量の本を並べていたので憶えている人も多いだろう。これらの2店が、この地の風景から消えたのだ。正確に言えば、これら2店は風景から消えたが、近くへ引越し新店舗で営業している。

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 それにしても新しいビルは、まったく素っ気ない。風景としては、昔の方が良かったように思うのは私だけだろうか・・・。

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2012/02/23

シャネルデビュー

 写真展「エリオット アーウィットが見つめたパリ」が、銀座シャネル・ネクサス・ホールで開催されている。エリオット・アーウィットは、1928年生まれ。両親はロシア人、幼少時代をミラノで過ごしパリに戻り、1939年に家族とアメリカに移住。アメリカで写真家となり写真集を出すとともに映画・テレビ番組制作で活躍している。(下の写真は会場で配布されているパンフレット)

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 シャネル・ネクサス・ホールは、高級ブランドで知られるあのシャネル銀座店の中。正面玄関から入店しドアマンに”写真展に来た”ことを伝えると、”奥のエレベータで4Fです”と教えてくれる。このエレベータのボタンがオシャレすぎて、どのように操作するか戸惑う。内装も階数表示も、あらゆるものがデザインされているのに感心していると、エレベータは静かに4Fに停止する。さすがシャネル、エレベータの動作まで優雅だ。

 展覧会場は、少し照明を落としたシンプルなもの。写真集『Elliott Erwitt's Paris』から選んだプリントが、壁面に並ぶ。撮影時期は1950年代から最新の2009年まで、全てモノクロームでプリント隅にサインがある。

 パリの街をとらえたスナップは、人物・動物・静物・風景とさまざま、それらを真正面からとらえるのでなく後姿や一部を切り取った構図のものが多い。なにげない日常風景の記録だが、いずれもどこか見るものにオシャレな印象を与える。犬の連作など、ちょっと笑いを誘う作品もある。

 最後のコーナーで、アーウィット自らが出演しているビデオを放映しているが、これがじつに面白い。写真のネタバラシ(ある写真がヤラセであることを告白)があったり、まるで正反対の人物に扮して語ったりと、作者の本音と冗談が入り混じった楽しい作品になっている。

 写真展「エリオット アーウィットが見つめたパリ」は、2月29日まで。入場無料。

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2012/02/19

消えた書店・神保町

 古くからの店が建ち並ぶ神保町だが、その移り変わりは意外と激しく、しばらくぶりに訪れると戸惑うことがある。

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 2004年12月15日撮影の写真と現在を見比べてみると、いまも変わらないのはメガネの三鈴堂だけ、右側の巌松堂ビルにあった巌松堂は、看板はそのままだが澤口書店になり。伊勢半資料館は、本と街の案内所へ。奥野書店と隣の店は、取り壊されてビルになり現在はAuショップになっている。

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 何気なく町の様子を撮った1枚だが、ここに写っているだけでも奥野書店と巌松堂と2軒の古書店が消えた。これにより4軒長屋状態(最初は11軒長屋)だった丸窓のある建物は、2012年2月現在、2軒長屋となっている。さてこの景色は、いつまでこのままでいるだろうか・・・。

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2012/02/12

消えた書店・日比谷

 先日、古書モールで購入した「東京の小さな喫茶店」(常盤新平)は、日比谷にあった喫茶店「しぶさわ」の話で始まる。

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 この本を読み「しぶさわ」に興味をもち訪れようとしても、残念ながらそれは出来ない。「しぶさわ」が入っていた日比谷三信ビルは、すでに無いのだ。1929年(昭和4年)に建築された三信ビルは、天井から床まで細かな装飾がほどかされた美しいビルだったが、2007年(平成19年)惜しまれながら解体された。

 ここに三信ビル地下の写真がある。撮影は2006年6月26日、すでに多くのテナントが店を閉じており「しぶさわ」もその中の一つだったようだ。このとき地下で営業していたのは、三信書店と薬局だけだった。1階の「ニューワールドサービス」も素敵な店だったが、三信書店もユニークな本屋であった。

 オフィスビル内の書店というと経済関係の本が並んでいるイメージがあるが、三信書店の店頭は芸能関係の雑誌があふれていた。それも他所では見かけない宝塚関係の雑誌・ポスターやタレント本が、一番目立つ場所に並んでいた。宝塚劇場に近いこともあるが、三信ビルに渡辺プロの事務所があったことがあり、それが影響していたのかもしれない。

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2012/02/11

駿河台から神保町へ

 日差しあふれる駿河台の坂道を上っていたら、御茶ノ水駅から下ってきた古書仲間のMさんとばったり。お互いの近況などを話すうちに、三省堂横にある古書モールを案内してもらうことに。

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 三省堂アネックスビル4Fにある古書モールは、複数の古書店が参加しているマーケット。棚を借りて出店する仕組みらしく、それぞれの店名を記した小さな紙が棚の上部に貼られている。棚は8段、最上部も使えば9段となり、1棚に360(40冊X9段)冊ぐらい並べることができる。店内をぐるっと回る、純文学はまちろん歴史、映画、鉄道本など種類はさまざま。価格は数千円の高額なものから¥300ぐらいの手頃なものまで、入り口右側には¥100本コーナーもある。ここで、2冊購入。

 書泉グランデ裏路地にあるラドリオに移動し、コーヒーを飲みながら、もろもろの話をする。Mさんの古本購入談義は、何度聞いても感心してしまう。すでにトランクルーム2部屋という蔵書は、いまなお増殖中だそうだ。古本以外の話題も、お互い同世代でサラリーマン経験者なので共感するものが多く、つい長居をしてしまった。

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2012/02/05

ベデカを手に旅を想う

 以前、「東京案内記」の前書きに”ベデカを参考にした”と書かれていることを紹介したが、そのベデカにようやく出会った。

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 ベデカは、内扉に”HANDBOOK FOR TRAVELLERS by KARL BAEDKER"とあるように旅行ガイド。創業はドイツで1827年、日本ではシーボルト事件が起きた頃となり、あのミシュランガイドよりも古くからあり今も発行されている。

 寺田寅彦の文章に、”かつてロンドン滞在中、某氏とハンプトンコートの離宮を拝観に行った事がある。某氏はベデカの案内記と首引で一々引き合わして説明してくれたので大いに面白かった。そのうちにある室で何番目の窓からどの方向を見ると景色がいいという事を教えたのがあった。その時自分はこんな事を云った。「これでは自分で見物するのでなくてベデカの記者に見物させられているようなものだ」”に登場するように、戦前、海外へ行く日本人に人気があったようだ。

 写真のベデカは、「GREAT BRITAIN 第7版 1910」英語版。大きさは小型の辞書、小口三面(天、地、前)にマーブル模様を施している。表紙の裏に手書きのサインとGEOGRAPHIA(イギリスの地図出版社)のシールがあり、両方とも1923年とある。前の持ち主は、1923年(日本では大正12年、関東大震災が起きた年)に購入したのだろう。
 
 さて寺田寅彦の文に登場する「ハンプトンコートの離宮」の部分だが、ベデカは、どのように解説しているのだろうかと調べたら”Hampton Court(see Baedeker's London)”とあった。どうやら、某氏が開いていたベデカは、「GREAT BRITAIN」でなくベデカ都市ガイド「LONDON」かもしれない。その答えは、ベデカ[LONDON」に出会うまでおあずけとしておこう。

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