« 下町ハイファイ古本市 | トップページ | 激暑日 »

2013/08/10

「江戸東京地形の謎」

 発売が待たれていた「古地図で読み解く・江戸東京地形の謎」(芳賀ひらく、二見書房、¥1800)が、本屋の店頭に並びはじめた。

Dsc09682ed

 早速ページを開くと、地図と図版がこれでもかと豊富に入っていることに驚く。たとえばじんた堂が多少の土地勘のある深川の章では、江戸古地図(寛永19年・1642年、明暦3年・1657年)からはじまり大正10年、平成14年まで4枚の地図が資料として掲載されている。これら地図を駆使しての著者が提示する話題に、思わずそうなのかとなった。

 たとえば寛永19年の地図をもとに著者が読み解く深川清澄庭園の謎。清澄庭園を訪れると、ガイドから”ここは紀伊国屋文左衛門(紀文)の別邸からはじまり、久世大和守の下屋敷、岩崎家の別邸であった”との解説をよく聞かされる。本書ではこの清澄庭園の地の起源をさらにさかのぼり、寛永19年の地図をもとに将軍鷹狩の休息の場として作られた御殿があったことを指摘し、いままでの深川史に大きな一石を投じている。

 著者も「はじめに」で指摘しているが、従来の古地図は、エンターテイメントのタネ本のように扱われたところがあった。いわゆる歴史ファンタジーの小道具だ。この本はそのように楽しむこともできるが、さらに掘り下げてその地の骨格と変化をみせてくれる。これは夏休みにじっくり読みたい、そして手にして歩いてみたくなる本だ。

|

« 下町ハイファイ古本市 | トップページ | 激暑日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 下町ハイファイ古本市 | トップページ | 激暑日 »