« スペンサーを見る事典 | トップページ | フルーツ缶 »

2014/05/25

ミドリのあれ

 えっ、ミドリのあれってなんですかとなった。ときどき喫茶店でお会いする中村伸郎似のオジサンが”最近、あれ見かけないな・・・ミドリのあれ、いや赤もあったかも”と話しかけてきたからだ。

Dsc09892c

 ミドリのあれとはメロンソーダ。鮮やかなミドリ色は本物のメロンでなく人工着色料、味も人工甘味料で最近の自然食品志向とは真逆の存在だったが、親に連れられてデパートなどに行ったときしか飲めなかった贅沢な飲み物。赤いソーダ水はイチゴ味。アイスクリームをのせるとクリームソーダとなり、喫茶店の飲み物メニューのなかでは最も高かったそうだ。

 やがて話は学生時代の思い出話へ飛んだ。ユーミンがまだ荒井由美だった頃の曲「海を見ていた午後」の歌詞に、ソーダ水が登場する。この歌に影響されて横浜のレストラン・ドルフィンを訪れた人が多かったそうだ。私に話しかけてきたオジサンが”もちろん私も行きましたよ”とちょっと自慢げに語ると、横にいた北竜二を細くしたようなオジサンが”そうそう私も”と話に割りこんできた。

 いまでも昭和の雰囲気をもつ喫茶店のウインドウにクリームソーダのサンプルを見かけることがある。しかし、それはデパート食堂のお子様ランチのように、子供向けのような気がしてオジサンは注文しにくい。先日、あるカフェでクリームソーダをメニューの中にみかけたので、勇気をふりしぼってオーダーしてみた。ミドリ色のメロンソーダに半球形のアイスクリームが浮かび、その横にお約束のように赤いサクランボが寄り添っていた。ちょっと甘くシュワとするクリームソーダは、なるほどちょっぴり贅沢な気分にさせてくれた。オジサン達が熱心に語っていたのが分かる。

 それにしてもオジサン達の会話は、やたら「あれ」「それ」が多い。よこで聞いているとまったく何の話か分からないが、当人同士はそれで通じるらしい。それはそれでちょっと羨ましい大人の関係かもしれない。

|

« スペンサーを見る事典 | トップページ | フルーツ缶 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« スペンサーを見る事典 | トップページ | フルーツ缶 »