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2016/12/25

漱石とジャズ

 古い冊子のなかにあった”八釜しい”(やかましい)という語句にしばし悩んだ。最初は校正ミスかと思ったが、読み進めると繰り返し出てくる。どうやらこれは執筆者のこだわりの文字使いかもしれないと思いはじめた。

 いわゆる当て字といえば夏目漱石。八釜しいについても、「漱石先生、探偵ぞなもし」(半藤一利)は、”坊ちゃんで「八釜しい」の字をあてたのも、八つもの釜の煮えたぎる音の騒々しさという心持だろう”と記述しているが。この”煮えたぎる音”という例えは、じつに上手い表現で古い冊子の内容によく合っている。

 その古い冊子には、「HOT JAZZ」というタイトルがついている。発行日も価格も記載されていないが、本文に年代を言及している箇所があり、1937年(昭和12年)頃に書かれたものらしい。表紙にある”VICTOR DANCE RECORD CLUB”の文字を手がかりにしてネットで検索すると、この小冊子は昭和12年ごろに発売されたレコードの解説らしい。

 冊子を開くと、「ホットジャズの発生」の項に”当時のジャズは恐ろしく八釜しく又速く演奏をしていた”。また”ドラムの八釜しさ”などとある。さらにホットの語義では、”初期のジャズは無闇に八釜しく、これを聴いているとカンカンに怒りたくなった胸がスッとして体中が熱く興奮してくる”と解説しているほど”八釜しい”が頻繁にでてくる。漱石でなくても、ちょっと八釜しいなもしと言いたくなる。

 さてVICTOR DANCE RECORD CLUBで紹介しているホットジャズとはどのようなものかYoutubeで聴いてみよう。これはデュークエリントン楽団によるもの、ピアノはデュークエリント、クラリネットはバーネイ・ビガード、サックスにはジョニー・ホッジスの名前がある。

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