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2019/03/30

写真文学散歩

 「文学散歩」本は、作品とその舞台となった地の解説に加えて、取材した当時の町の様子を記録している。そのため文学の話題に限らず、古い町を知る資料として役立つ。そこに写真が入っていれば、さらにその資料価値が高まる。

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 「写真文学散歩」(大竹新助、現代教養文庫、1957年)は、タイトルにあるように文学作品のゆかりの地を写真とともに紹介している。各文学作品を見開き1ページとして半分で作品紹介、残り半分を写真としている。著者である大竹新助は写真家でもあり、写真構図がよく撮影データも記載している。この本は、もともと図書新聞に連載されたものを一冊にまとめたものだ。

  志賀直哉は、序文で”この本は後になる程、その価値をまし、皆から喜ばれ、大切にされる本だと思ふ。露伴の五重塔の如き、大竹君が写した後で焼け失せた”と述べている。まさしくその通りで、幸田露伴の小説「五重塔」のページではモデルとなった谷中天王寺の五重塔の写真を収録。この五重塔は1957年(所和32年)に焼失したが、これ以外にも、いまや失われた昭和30年前後の日本の風景を数多く記録している。

 上に載せた写真は夏目漱石「三四郎」のページ。坂道に沿って並ぶ家々はみな木造、はるか遠く木々の上にわずかに五重塔の最上部が見える。約60年前、千駄木にある団子坂に立った人々はこのような景色を見たのだ。「写真文学散歩」には、このような写真がたっぷり詰まっている。文学ファンだけでなく昭和の町に興味のある人におススメだ。なお続編も発行されており、そちらの序文は伊藤整によるものだ。

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2019/03/24

胴吹きサクラ

 桜の開花宣言がされた翌日、買い物ついでに大通りのサクラを見てきた。目で枝を追うとところどころ咲いているが、まだツボミの1割も開いていない。ところが目を下に転じると幹から直接生えたように咲いた花がいくつかある。しかもそこにあるツボミの6割ぐらいがすでに開き若葉も出ている。


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 以前、天気予報の豆知識で解説していたが、枝先でなく幹に花をつけるのを胴吹きと言うそうだ。これは勢いあり余って咲くのかと思ったら、じつはまったく逆で、古木になると見られる現象で木の勢いが衰えたことを示すとのこと。さらにヤマザクラの寿命は約300年ぐらいあるが、ソメイヨシノは60年ぐらいしかないそうだ。

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2019/03/21

住宅街のフキノトウ

 先日、住宅街のブロック塀と電信柱に囲まれたところでフキノトウを見かけた。遠くから見たときは、造花のようなものが地面に落ちているのかと思ったが、近づいてみたら本物のフキノトウ。しかも大小二輪だ。誰かが育てているのかそれとも自生したものか、なぜここにという疑問を持ちながらもしばし見入ってしまった。
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 早春の信州で山菜採りをしたとき見かけたのか、もしかしたら図鑑で見たのかもしれないが、フキノトウといえば北国に春が来たことを示す野の花のイメージがある。まだ少し残る雪を割るように地面から出てくる薄緑のツボミの姿だ。あらためて植物図鑑で調べたら、フキは日本全国に広く分布しており、山地や平野の道ばたにはえるとある。となれば住宅街にあっても不思議はないようだ。

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2019/03/16

次々生まれる略語に悩む

 ニュースの見出しの中に、ときどき知らない言葉を見かけることが増えてきた。先日あったのは著作権改正案の説明にあった「スクショ」だ。本文を読んでそれが「スクリーンショット」の略であることを知ったときは、自分はすっかり言葉の感覚が鈍ったと落ち込んでしまった。

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 じつは昨年末も似たような経験をした。エレベーターの中で「マステで楽しみませんか」というポスターを見かけた。「マステ」とは何だろうか?まったく思いつかなかったが、帰りにポスターをもう一度ゆっくり見たら、それは画材屋のポスター。そこでようやく気づいた、これは「マスキングテープ」の略だろう。そういえばその画材屋でマスキングテープの特別展示をしていた。

 もちろん「スクリーンショット」や「マスキングテープ」がどのようなものかは知っている。しかし「スクショ」や「マステ」からそれらにすぐに結びつかないのだ。業界用語など限られた分野だけで使われる略語なら分からないのもありだが、ニュースや街中で見かける言葉が分からないのは困ってしまう。これは何とかしなければと思うが、さてどうすればよいのだろうか。こんなことを考えていたら、またまた知らない言葉に出会った。今度は「サブスク」だ。

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2019/03/03

駄カメラ

 駄カメラという文字を初めて見たときはオモチャのカメラのことかと思ったが、「駄カメラ大百科」(石井正則、徳間書店)の紹介文でその意味を初めて知った。駄カメラとは駄菓子のように手軽に楽しめるカメラ、具体的には「¥3000以下で買った中古フィルムカメラ」だそうだ。

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 この価格帯の中古カメラとなると金属ボディのオールドカメラはまず購入が難しく、80年代に数多くあったプラスチックボディのコンパクトカメラとなるだろう。幸いこの時代はカメラメーカーが数多くあり、ニューモデルを次々発売していたので選ぶのに困ってしまうほど種類が多い。

 手元にあるオートロン2(PC35AF-M)は、一眼レフカメラで有名なPENTAXが発売したコンパクトカメラ。私が最初の海外出張にもっていったものだ。ボディの一部がスライドしてレンズをカバーするいわゆるカプセル型のボディをもち、レンズは35mm/F2.8の5群5枚構成という贅沢なもの、オートフォーカスながらファインダー内で距離指針が動きおおよその距離が分かる凝った機構が盛り込まれている。

 しかし弱点もあった。単三電池2本が入るフタの部分がプラスチック出来ているが、このフタの取り付け部が割れてしまい電池がしっかり収納できなくなった。とりあえずガムテープで押さえてしのいだが、この部分はもう少し強化してほしかった。たぶん今は中古カメラ屋のジャンク箱あたりに数百円で放り込まれているだろうが、もし購入するなら電池フタは要チエックだ。それにしてもこのカメラが現役だった頃を知るものにとっては、これを駄カメラと呼ぶのはちょっと抵抗がある。これは決して安物のカメラではなかったのだ。

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