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2020/04/29

クサノオウの花

 近くで見慣れない花が咲いていた。写真を撮り、黄色と四弁の花びらを手がかりにして図鑑で探すと「ヤマブキソウ」「クサノオウ」にいきついたが、さてどちらだろうか?

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 今回参照した図鑑は、「長野県 色で見分ける図鑑野の花山の花」(田中豊雄、ほおずき書籍、昭和62年)。タイトルに「長野県」とあるが地域にこだわらず使えるし、何といっても草花を花の色でグループ分けし全てを写真で紹介している便利な図鑑だ。ヤマブキソウの解説を読むと、”クサノオウに似ていますが、本種は全体がヤマブキによく似ていて、複葉には鋸歯があります”とある。

 写真で分かるように葉の形はどう見ても鋸歯でない、似ているとすれば菊の葉だろう。となればクサノオウの可能性が高いが、ここでいつもの学生版原色牧野日本植物図鑑(北隆館)を開く。ここでも「ヤマブキソウ」と「クサノオウ」は同じページに載っている。葉の形を見比べると、やはりこれはクサノオウのようだ。

 さらに読み進めると名前に確かな説はないとしながらも、草が黄色の汁を出すから「草ノ黄」、丹毒(皮膚疾患)を治すから「瘡(くさ)ノ王」とある。花は5~7月、末尾に「有毒」とある。じつはクサノオウは、かつて薬として使われたが毒でもあるそうだ。

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2020/04/25

あのディスコクイーンの曲名は

 理由は説明不要だろうが、このごろYoutubeで過ごす時間が増えている。はじめは画面に表示される”あなたへのおすすめ”を聴いていたが、ふと思いついて長年疑問に思っていた曲を探してみることに。

 以前、ある展示会で流れていた曲が気になり担当者にたずねたら、曲名は分からないが歌っているのはドナ・サマーだと教えてくれた。その後積極的に調べたことはなかったが、ときどきあの曲は何だったかと思い出すことがあった。

 さいわい歌のサビの部分をかすかに覚えていたので、聴けば分かるだろうとYoutubeでドナ・サマーを検索しリストされた曲を順に聴き、50曲目ぐらいでついにその曲にたどりついた。それはCould it be magic (邦題:恋はマジック)、初期のアルバムA Love Trilogyに収録されていた曲だそうだ。

 あらためてYoutubeで”Donna Summer Could it be magic"を検索して見つけたのが上にあげた1994年のライブ映像。そのエネルギッシュな歌いっぷりは、いま見てもぐっと来るものがある。

 それにしても長年の疑問であったドナ・サマーの曲名が判明したのはよいのだが、大切にしまっていた思い出をあっさり消去されたようで、ちょっと寂しい気もする。じつに勝手なものである。

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2020/04/19

田村隆一「スコッチと銭湯」を読む

 我が家の読書週間、五冊目は「スコッチと銭湯」(田村隆一、ランティア叢書)。

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 詩人の田村隆一は、翻訳やエッセイで活躍したが、酒飲みとして知られお酒に関する文章を数多く書いている。この本に収録されている「スコッチ賛歌」は、まさしくスコッチウィスキーの故郷を旅する話。

 はじめにウィスキーの英語には二つのスペル(Wisky, Wiskey)があるという、クイズに出るようなプロローグから始まり。ロンドンからスコットランドのエジンバラへ、そこから西方に飛びアイレイ島(アイラ島)、さらに北東に飛んで大手蒸留所グレンダランがあるスぺイ川河口の町エルジンへ向かうなど、スコットランドに点在するウィスキー醸造所を巡る旅行記である。

  さらに旅行記録に加えて、ウィスキーの製造工程も解説している。たとえば乾燥した大麦を水につけ発芽させたものをグリーンモルトと呼ぶ。それを糖化させ濾過して糖化麦汁であるウォートをつくる。さらに発酵させアルコールと炭酸ガスをつくり、これがアルコール5%(7%-9%)のウォッシュと呼ばれるビール液となる。

 さらにビール液にホップを加えればビールになり、ビール液を二回蒸留するとローワインと呼ばれる20%のアルコールになり、これを蒸留・精製するとアルコール50%以上のスピリッツになるなど、まるでウィスキー製造の解説書のようだ。もちろんイギリス観光旅行の定番であるパブ巡りやオールドパーの逸話など気楽な話もあるが、それらも全てお酒につながるものだ。

 ところでこの本の後半は、がらっと変わって東京の谷中の話から始まり、さらに葛飾柴又へとなる。どちらも銭湯の話がでてくるのだが、それはまた別の機会としたい。なにしろ前半の話だけですっかり酔ってしまいそうだから。

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2020/04/11

澁澤龍彦「イタリアの夢魔」を読む

 外出自粛のために突然始まった我が家の読書週間は、最初はとりあえず目についた本を選んでいたが、三冊目あたりからある方向性が見えはじめた。名前は知っていても、じっくり読んだことがない作家の本である。四冊目に選んだ「イタリアの夢魔」(澁澤龍彦、ランティア叢書)もそのような一冊だ。Dsdf0332-1b

 イタリアの夢魔「ペトラとフローラ」は、副題に「南イタリア紀行」とあるように旅行記。その旅は、イタリア地図でいえば長靴のかかとの部分にあるプーリア地方にあるカステル・デル・モンテへ向かうところから始まる。

 澁澤が別名「風の塔」と書いているカステル・デル・モンテは、丘の上にある13世紀に建てられた城。尖塔をもつヨーロッパの城のイメージと違い八角形の大きな塊のような建築物だ。イスラム文化の影響を受けているそうだが、建てたのは神聖ローマ帝国皇帝(シチリア王、ローマ王でもあった)フリードリヒ2世。この皇帝はノルマン人(北方系ゲルマン人)の血を引くといわれ、教皇から破門されながらも国を繁栄に導き、美術・科学を奨励し、占星術師を抱え、錬金術に熱中し、世界最初の大学をナポリに創設したり、珍獣を集めた動物園を造ったり、フランス語、イタリア語、ギリシャ語に加えてアラビア語を話した。

 このフリードリヒ2世に興味をもち調べてみたら、十字軍としてエルサレムへ向かい、10年間の期限付きだったが戦わずして交渉によりエルサレム返還を実現した人物だった。ただし破門中の身であったため、その功績は教皇側の人々からはあまり評価されなかったようだ。

 それにしても旅行記なら読みやすいだろうと選んだ本だが、やはり澁澤龍彦の本は一筋縄ではいかない。まだ前半しか読んでいないが、これはイタリアの旅行ガイドとしてさらりと読むこともできるが、個々の小さな話題をじっくり拾いはじめるといつのまにかヨーロッパ中世史の世界へ迷い込んでしまう、まさしく魔力のようなものが潜んでいる本だ。

 なおカステル・デル・モンテは今は世界遺産になっておりイタリア政府観光局公式サイトでその姿を見ることができる。

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2020/04/04

カリンの花

 カリンの輝くような黄色い果実を知っていても、どのような花か問われてすぐ答えられる人は少ない。いま、そのカリンの花が咲いている。

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 カリンの開花は、ソメイヨシノが散りはじめヤマザクラとほぼ同じ頃。花色は、サクラより濃く桃よりは薄く、薄紅またはローズピンクだろうか。花びらは五弁、完全に開くと花径は3cmほどになりサクラより大きい。

 ところで高級木材にカリンと呼ばれるものがあるが、これは黄色い実のなるカリンとはまったく異なる。木材のカリンは、東南アジアに分布しインド紫檀とも呼ばれ、花は金木犀に似て小さな花がたくさん集まって咲くそうだ。

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