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2020/05/31

九段下の消えたランドマーク

 パソコンの外付けディスクの中身を整理していたら、古い写真のファイルが見つかった。それを参考にして、いまはもう見ることができない消えた東京の風景をいくつか紹介しよう。 

 九段下ビルは、九段下駅と専大前交差点の中間あたりの靖国通りに面してあった。関東大震災の復興建築として1927年(昭和2年)に竣工、2012年に取り壊された。この写真の撮影時(2006年5月6日)は、建物一階に左から九段歯科、グリーンの日除けがある東京珈琲(Bistro Mr.Beans)、伊藤眼鏡店、喫茶カリーナなどが並んでいた。建物中央付近の色が違ってみえるのは、落下物防護ネットで覆われているためだ。

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 ところで、かつて天気の良い日にこの前を通ると、大きなオウムが入った鳥かごが歩道に置かれていたのを何度か見かけた。その写真を探したら1999年10月にこの付近を撮影したフィルムの中にあった。

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 今回あらためて調べてみたら、鳥かごの中にいる白いオウムは、頭の後ろに冠のような黄色い羽が伸びていることからオーストラリア原産のキバタンのようだ。大型のオウムは長生きだそうだが、どうしているだろうか。

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 また同じ日に撮影した建物全景の写真もあった。まだ建物にネットはなく、喫茶カリーナの右隣は100円ショップ、東京珈琲の日除けテントはブルーの地にBudweiserの白文字が入っていた。建物の二階三階も使われているようで、窓のカーテンも白い。

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2020/05/20

ピンクのクローバー?

 ”ピンクの花をつけたクローバーがありました”との話に、それはカタバミだろうと思いながらも、もしかしたらクローバーかもしれないと見に行ったことがある。

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 写真は、(上)ムラサキカタバミ、(下)クローバー(シロツメグサ)

 カタバミとクローバーは、花を見比べれば明らかに違う草花であることが一目で分かる。カタバミは5弁の花だが、クローバーは小さな花が集まりボールのようになっている。花がないときは葉をみれば分かる、カタバミの葉はハート形だがクローバーは楕円形または卵形なのだ。しかしこのハート形の葉が誤解を誘うようだ。

 四つ葉のクローバーは「幸せのシンボル」との言葉が浸透しているためか、ハート形の葉を見ると幸せの連想からついクローバーを思ってしまう。まして花がピンクとなるとなおさらで、それはクローバーだろうとなる。

 ところが話はこれで終わらない。じつはピンクのクローバーがある。ムラサキツメクサと呼ばれるクローバーの花がまさしくそれで、園芸店で赤クローバーとして売られている。この花は、白いクローバーと同じようにボールのような形をしている。これが冒頭のピンクの花をつけたクローバーの話につながるのだ。

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 写真は赤クローバー(ムラサキツメクサ)

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2020/05/13

マグノリアの花

 モクレンは、赤紫の花をつけるモクレンと白い花をつけるハクモクレンの二種類ある。先日、その赤紫の花が咲いているのを見かけた。

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 上から見ると、花の外側は濃い赤紫だが内側はだいぶ色が薄くピンクに近い。花びらは、外側3弁が大きく、内側3弁が少し小さい、それらが重なり6弁となっている。真ん中にあるのが雌しべと雄しべが集まったものだろう。

 ところでモクレンの英語名は、マグノリア(Magnolia)である。マグノリアは、ミシシッピ州とルイジアナ州の州花とあったので調べたら、州花のマグノリアは Magnolia grandiflora とある。これは赤紫のモクレンでなく白のモクレンでもなく、日本ではタイサンボクと呼ばれるものだ。下に載せたのは、1999年に新宿御苑で撮影したタイサンボクの花。

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 モクレンの仲間は数多くあり、 モクレンに加えてコブシ、ホウノキ、オオヤマレンゲ、タイサンボクもそうである。タイサンボクはそれらの中でも大きな白い花をつけ、直径15cmを超えるものもある。

 それにしてもマグノリアという文字を、カフェやスイーツやファッションの店名で見かけることがある。どこかオシャレなイメージを期待しているのだろうか。たしかに喫茶店なら「喫茶・モクレン」はありかもしれないが、カフェなら「カフェ・モクレン」より「カフェ・マグノリア」のほうが音の響きが良いかもしれない。

 ここまで書いた数日後、たまたま積んであった本を開いたら喫茶「もくれん」の文字が飛び込んできた。「東京の小さな喫茶店」(常盤新平、世界文化社、1994年)コーヒーの記憶の章で、上野にあった喫茶「もくれん」の思い出が語られていた。自分では意識していなかったが、もしかしたらこの文章が記憶の片隅にあって、そこから”「喫茶・モクレン」はありかも”となったかもしれない。

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2020/05/08

青もみじ

 若葉におおわれたモミジを眺めていたら、緑の中に点々と赤いものがあることに気づいた。

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 近づいて観察すると枝先にブーメランのような形のタネができており、その羽先が赤く色づいている。赤く見えたのは、このタネだったのだ。モミジといえば秋の鮮やかな紅葉が有名だが、初夏の瑞々しさがあふれる新緑も魅力があり、「青もみじ」という言葉もある。

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2020/05/02

開高健「冒険者と書斎」を読む

 我が家の読書週間、六冊目は「冒険者と書斎」(開高健、ランティア叢書)。

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 開高健といえばサントリーウィスキーのTVCMや釣り紀行番組の中での姿から、書斎にどっしり座って執筆する小説家より、自ら現地へ飛び込む好奇心旺盛なオジサンという印象がある。「冒険者と書斎」は、1969年代末から1980年代に書かれたエッセイを集めたもので、開高らしい酒・釣り・旅などの楽しい話が並んでいる。

 ところで、あのサントリーウィスキーのTV CMがYoutubeにあるかなと検索したら、CMに加えて、モンゴル、スコットランド紀行の映像が見つかった。スコットランドのものは追悼番組として編集されており、初めに略歴や活動が紹介され本編のスコットランド紀行につながる。

 その映像の中にロンドンでフィッシュアンドチップスを10年ぶりに食べながら、”私の記憶にあるものに比べて美味くない・・・記憶が美しくしてしまったですね、色んなものをその後食べ過ぎて、知らなくてもいいことを知ったため、世の中が寂しくなる面白くなくなる、これを知恵の悲しみと言うんです”と語るシーンがある。

 じつは私も、以前の勤め先近くにあった食堂の冷やし中華が美味くて、数年前にそれを思い出して食べに行ったら、あれこんなものだったかとなった。店の人も具材も変わっていないように見えたが、私の記憶にあった美味しさには及ばなかった。これが知恵の悲しみだったら開高健と同じだと自慢できるが、医者からは加齢による味覚低下でしょうとあっさり言われた。ちょっと残念である。

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