« 2020年5月 | トップページ | 2020年7月 »

2020/06/28

小川町の消えたランドマーク

 靖国通りを駿河台下からさらに東へ向かう途中、小川町交差点の左角に小さな洋品店があった。

Dsc05998-2c

 フタバヤ洋品店は交差点中心に向かって建てられていたので、靖国通り・本郷通りのどちらからもよく見えたので覚えている人は多いだろう。丸いアーチをもつ屋根と最上部をアーチ型にした二連縦長窓の建物は、いわゆる看板建築のようだった。竣工1927年(昭和2年)、解体は2000年以降だが正確な年ははっきりしない、じつは久しぶりに小川町交差点を通ったら細長いビルに建て替わっていたので解体されたことを知ったのだ。写真は1998年11月撮影。

Dsc05999-1c_20200601103201

  上の写真は、営業中のフタバヤ洋品店。店頭の右側ワゴンにワイシャツ、左側スタンドに靴下が吊り下げられ、さらに店内上方にネクタイが並んでいる。じつはここでワイシャツを買ったことがある。

 さらに時代をさかのぼると、隣の尾張屋は木造だったし、その先の金石舎も古い建物のウィンドウの中に原石のようなものを展示していたと思うが、この記憶はちょっと自信がない。周辺を高いビルに囲まれながらも交差点を見守り続けたフタバヤは、いまは見ることができない小川町の消えたランドマークだ。

| | コメント (0)

2020/06/21

駿河台下の消えたランドマーク

 靖国通りを九段下から両国方面へ向かう途中の駿河台下交差点、楽器屋に並んで小さな消防署があったことを覚えているだろうか?

Dsc05722-1f

 いまは千代田区コミュニティサイクル・ちよくる駐輪場になっている所だ。看板に神田消防署駿河台出張所とあり、上の写真のように消防自動車が1台だけ停まっていた。写真は2008年5月撮影

 この建物は竣工1928年(昭和3年)、前回紹介した九段下ビルとほぼ同時代に造られ、解体は2013年。周りが高いビルになってもここだけ低いままで、そのギャップがどこかかわいい印象を与えていた。もしリノベーション・リフォームすればオシャレな空間になったかもしれないが、いまはもう見ることができない消えたランドマークだ。

Dsc06705-1f

 周りのビルと比べて、どれだけ小さいかは上の写真から想像できるだろう。この位置からだと、まるで楽器屋の後ろに隠れているようだった。

| | コメント (0)

2020/06/14

梅雨を告げる花

 今年の梅雨入の日は、午前中はときどき青空が広がりこれで本当に梅雨かと疑ったが、午後になると一転して強い南風が吹きはじめ雨が窓を打ち、まるで嵐のようになった。

Dsdf0782-1c

 毎年、梅雨になると花をつける木が近所にある。ネムの木である。各地の気象台が梅とか桜の開花を毎年観測しているのはよく知られており、地域によってはリンゴやナシの開花も観測している。残念ながらネムの開花はどこも観測していないようだが、この近所のネムの花が開きはじめるのはいつも梅雨入りの頃となる。

 上に載せた写真は、小雨の今朝(2020年6月14日)撮影したネムの花

| | コメント (0)

2020/06/07

ウィンナ・コーヒーが飲みたくなったなあ

 「古本とジャズ」(植草甚一、ランティエ叢書)は、植草の数多くあるエッセイから古本やジャズに関する文章を選びそれらをコンパクトに収録している。植草を読みたくなったとき、ちょっと開くのに便利な一冊だ。

Dsdf0613-1b

 その中にある「ウィナーコーヒーが飲みたくなったなあ」の話は、雑誌エスクアィアに掲載されていたジョセフ・ウェクスベルグの「食い物談義」の紹介からはじまる。

 ジョセフの”いまではもうウィーンでもウィンナ・コーヒーを飲めなくなった”との話に応じて、植草は”むかしは東京でも、この「ウィンナ・コーヒー」が流行ったもんだがね、いまでは知らない人がおおいだろう”と自身の思い出にふれる。再びジョセフの記事に戻りウィーンのコーヒー店の歴史と現状を紹介となり、最後に”なんとなくウィンナ・コーヒーがまたのみたくなっちゃたなあ”と、いつもながらのJJ節の展開となる。

 ウィンナ・コーヒーについて古い旅行ガイドブック(ブルーガイド)の中にこんな話があった。それは「有名なウィーンのコーヒーだが、ひと昔前に”ウィンナ・コーヒーを下さい”と注文したら、”ここのはすべてウィンナ・コーヒーです”といわれ思案にくれた」につづいて、ウィーンのコーヒーの種類を紹介している。そのなかで「アインシュペンナー(Einspanner)、コーヒーに多量のホイップクリームを入れたもので、このコーヒーだけはグラスで飲む。これあたりが日本でいうウィンナ・コーヒー」とある。

 また「アメリカにアメリカン・コーヒーがないようにウィーンにウィンナ・コーヒーはない」との話を聞いたことがあるが、ガイドブックの話を参考にすれば、これは「アメリカでアメリカン・コーヒーという言葉が通じないのと同様にウィーンではウィンナ・コーヒーという言葉は通じない」ではないだろうか。似たようなものだが、ちょっと違うような。それにしても、ジョセフが語るウィンナ・コーヒーはどのようなものだろうか、また昔し東京で流行ったウィンナ・コーヒーはどのようなものだろうか、植草の話をもっと聞きたかった。

 ところで日本で初めてウィンナ・コーヒーを出したのは、神保町にある喫茶店ラドリオと言われている。その創業は1949年、渋い色合いのレンガと彫刻のある柱がある店は、とても落ち着いた空間。私も神保町で用事があったとき利用したが、いつかもう一度訪れたい喫茶店だ。もちろんそのときはウィンナ・コーヒーを注文したい。

| | コメント (0)

« 2020年5月 | トップページ | 2020年7月 »