オーディオ

2009/10/26

モノラル・リスニング・テクニック

 家庭用オーディオ装置がモノラルからステレオへ移行しはじめた1960年代中頃、ステレオ装置の設置から聴き方までを特集した雑誌があった。タイトルは、ステレオ・リスニング・テクニックのような。

7dsc08771 ステレオ装置は、従来のモノラルと互換性をもつように開発されてきた。古いモノラルレコードを新しいステレオレコード再生装置にかけても、ちゃんとで再生できる。そのときモノラルは、左右スピーカーの真ん中に定位するようになっている、というか、ステレオ装置はそのように設置・調整しろと書いてあったはずだ。

 ・・・と建前はそうなっているが、ステレオ装置で聴くモノラル音源と、モノラル装置で聴くモノラル音源では、微妙に違うように感じることがあった。とくにステレオの左右スピーカー間隔が広いと、それが目立つようだった。

 そんなとき私が行っていたのが、右または左のスピーカーだけから音をだす、1ch再生によるモノラル・リスニング。

 左右音量のバランスコントロールを、どちらか一方に回しきり、片側のスピーカーからだけ音がでるようにしてモノラル音源を聴くのだ。こうすると、部屋の中のどの場所で聴いても音源がはっきり定位し、音も充実したように感じる。その時、ボリュームを少し上げるのがコツだが。

 なぜこんなことを思い出したかといえば、先月発売されたビートルズ・モノBOXである。久しぶりにモノラル音源をしっかり聴きたくななったのだ。

 ビートルズモノBOXを聴いている皆さんは、どのように聴いているのだろうか?

 たぶん、ほとんどの人がステレオ再生状態で聴いていると思うが、ふだんあまり使用しない音量バランスコントロールのツマミを回して、スピーカー一つによるモノラル・リスニングを試してみたらどうだろうか。もし気に入らなければ、ツマミを戻せば良いのだから・・・。

 写真は、リマスター・モノラル盤A Hard Day's Night。

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2009/06/15

ブルーノート100名盤

 ブルーノート100名盤(平凡社新書、¥760)は、ブルーノートレーベル創立70周年記念して行われたファンアンケートによるベスト100を紹介している。

7dsc05770a 本書の注によれば、”ブルーノートレーベルのアルバムから、順位をつけて三枚を選ぶアンケートを行い、第1位から第100位までのランキングを決め第1位から第50位までについてはアルバム解説をつけました”とある。

 簡単に言えば、それぞれの人がベスト1,2,3をあげて、1位に3点、2位に2点、3位に1点を与えて、それを集計して点数の大きい順にアルバムを並べたもの。

 私のベスト3として、アンケートに答えた人の話がいくつか載っているが、意外なアルバムをベスト3に上げる人がいて面白い。たとえばジャズ喫茶オーナーの寺島さん、ベースのロンカーター、レコーディングのルディヴァンゲルダーは、・・・こんな曲を上げていると紹介したいところだが、これは本をみてのお楽しみにしよう。

 ところでブルーノート100名盤と連動して、blue note BEST & MORE 1100がはじまっている。

 またかと思う限定盤CD発売の企画だが、今回は、全150タイトルのCDを1枚¥1100で販売する。第一回目は、ファン投票上位50タイトルを6月10日発売。

 発売されるアルバムは、こちらEMIのページに案内がある。

 いままで買い(聴き)逃していたものを買い足す良い機会になるだろう。

 さて普通ベストXXと言われると、何事もなるべく上位にあるほうが良いようだが、なぜか自分が持っている音楽アルバムは順位が低くてもというか、むしろ低いほうが嬉しい。他人と同じより、私だけが知っているという、マイナーなものを楽しみたいのだ。

 こういう気持ちは誰にでもありそうだが、さて、あなたのお気に入りのブルーノートアルバムは、第何位だろうか?

 写真は、ブルーノート100名盤(平凡社新書)、ブルーノート ベスト&モア 1100の案内パンフレット、そして一番下にあるのは「FLIGHT TO JORDAN」(Duke Jordan)のLP。なおこのLPはファン投票第36位、うーん、これは微妙なポジションかも・・・。

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2009/06/10

Shelly Manne & his Friends "MY FAIR LADY" を聴く

 My Fair Ladyは、ブロードウェイで大成功したミュージカル、日本でも何度も舞台化され、オードリーヘップバーンで映画化もされたのでそのメロディを知る人は多いだろう。

My_fair_lady 手元にあるLPレコード MY FAIR LADY (CONTEMPORARY S7527)は、Shelly Manne(ドラム)をリーダーにAndre Previn(ピアノ)、Leroy Vinnegar(ベース)によるピアノトリオのアルバム。

 いまはクラッシクオーケストラの指揮者と知られるアンドレプレヴィンのピアノは、ミュージカルナンバーをときに弾むように、またときに美しいバラードとして歌うようなジャズに仕上げている。この曲と相性がよかったのか、アンドレプレヴィンは、オードリーヘップバーンが主演した映画版マイフェアレディ(1964年)でも音楽を担当し、アカデミー編曲賞を受賞している。

 ところで、このレコードは、曲も素晴らしいがその録音に注目する人が多い。

 アルバムのジャケットに1956年ステレオ録音とあるのだ。

 ステレオをふくめたマルチチャンネル録音の歴史は、磁気録音が早くから開発されたドイツでは戦時中までさかのぼれるそうだが、アメリカでは1950年代末までモノラルが主流だった。とくにジャズは、1950年代の名盤と呼ばれるものは圧倒的にモノラル録音が多い。45-45形式のステレオレコードが実用化されたのが1958年であったことをみれば、1956年のステレオ録音がいかに早いか想像できるだろう。

 しかし、これはレコード音楽の歴史をみただけの話しのようだ。

 映画の世界に目を向けると、1950年代の初めにMagnetic Film Recordingが登場していた。これは映画用音響装置で有名なWestern Electric & Westrexが開発した、Westrex Magnetic-Recording Systemと呼ばれる装置で、磁気コーティングされた35ミリフィルム上に3トラック(3ch)の録音・再生する。映画館での導入を容易にするため、メカニカルな走行系を、従来の光学的なフィルムサウンドトラックとほぼ同じようにした、マルチトラックの磁気録音再生装置だ。

 また同じ頃、ラヂオ放送用に磁気テープ録音装置も、マルチチャンネルのものも実現されていたし。日本でも1950年代にAM二波(二局)を使用したステレオ放送があった。

 したがって映画音楽や放送に関係していれば、マルチチャンネル録音は1950年代初めから可能だったのだ。アンドレプレヴィンはハリウッドで映画音楽に携わっていたこと、またコンテンポラリーレーベルが西海岸のロサンゼルスにあったことを含めて考えれば、1956年のステレオ録音はそれほど驚くものではないかもしれない。

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2009/05/27

エバーグリーン&エバークリーン

 棚から古いレコードジャケットを取り出し、中を開けたら赤い・・・。

7dsc05436 かつて東芝レコード(東芝音楽工業)が販売していたレコードに、エバークリーン・レコードというものがあった。その特長は、”ホコリがつきにくい”だったが、それよりも透明感のある赤い色のレコード板が印象的だった。

 当時の東芝レコードは、ビーチボーイズ、ナットキングコール、フランクシナトラ、マイルスデイビス、ベンチャーズ、ビートルズ、加山雄三など、数多くの人気グループ・人気歌手を擁していたので、この赤いレコードをよく見かけた。

 棚から出てきたのは、「THE BEST OF Peter, Paul and Mary」、いわゆるPPMのベストアルバム。これは、私が高校生の頃に購入したもので、そのまま棚の隅にうまっていた。

 ところどころカビのようなものが見えるので、さっと汚れをふき取り、エイヤとターンテーブルにのせ針をおろす。左のスピーカーにポール、右のスピーカーにピーター、そして中央にマリーの歌声。スクラッチノイズがあるものの、柔らかい音色にしばし和んでしまう。この赤いエバークリーンレコードは、私のエバーグリーンミュージックなのだ。

 ところでPPMといえば学生時代は音楽しか思い浮かばなかったが、その後、社会人となり同じPPMでもまったく別のPPMに悩まされてきた。電子部品などの不良発生程度を調べる場合、百万個あたり何個不良が発生したかをみる、これをparts per millionとしてppmと表すのだ。日常生活では縁のないppmだが、製品の品質を維持・向上させるためには、日夜ppmに心を砕くひとがいるのだ。

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2009/05/26

R55はアンチモスキート派

 先日、深夜の公園でモスキート音を流す実験が話題になった。

7dsc05061 人間は、年齢が上がるとともに高音を聴きとる能力が衰えることを利用し、若者だけに聴こえる不快な高音(モスキート音)を流す試みである。

 このモスキート音とは、どのぐらいの高音なのだろうか?また、自分は聴こえるのだろうか?

 ニュースによればモスキート音は17KHzとされている。

 じつは以前、スピーカー特性測定の実験をしたことがあり、そのとき自分が聴こえる周波数範囲を知った。私が確実に聴こえたのは、25Hzから12.5KHzだったから、私はモスキート音が聴こえないアンチモスキート派となる。

 子供から携帯電話をいきなり出されて、この着信音が聞こえなくなったら、もう若くないといわれたご同輩。モスキート音が聞こえないのは、あなただけではないのだ。

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2009/05/24

エンリコ・ピエラヌンツィのDREAM DANCEを聴く

 DREAM DANCE(CAMJ 7815-2)は、今年の2月に発売されたエンリコ・ピエラヌンツィの最新アルバム。

Dream_dance 演奏は、リーダーであるピアノのエンリコ、ベースはマーク・ションソン、ドラムはジョーイ・バロンといういつものメンバー、さらに曲は全てエンリコのオリジナルとなれば、これは是非とも聴かねばとなる。

 そういう思いでこのアルバムを聴き始めたら、あれ・・・。いつもの流れるようなメロディでなく、複雑なメロディとリズム進行にとまどう。しかしその印象も、1曲、2曲と曲が進むにつれて変わる。やはりこのアルバムは、エンリコならではの美しい作品がぎっしり詰まっている。

 4曲目のCastle of dreamは、深い響きのベースに透明感あふれるシンバル・ドラムのコンビネーションが美しいリズムを作り出し。そこにエンリコのテンポのよいピアノが加わり、これぞエンリコ節という密度の高い演奏に圧倒される。7曲目:Pseudoscope、9曲目:Five plus fiveは、テンポも速く演奏も力強くなり、エンリコ・ピアノトリオによるジャズの世界が繰り広げられる。

 2004年12月に録音されていたのに、どうしていままでリリースされなかったのが不思議に思うほど、このアルバムは曲も良し録音も良し。

 ところで6曲目にNippono ya-okeという曲が入っているが、これは「日本の夜明け」をイメージしたものだろうか・・・。Free FlightにもNipponが登場していたが、ヨーロッパジャズにジャポニズムならぬニッポンニズムのような動きがあるのだろうか。いずれにしろNipponという文字を、海外作品の中に見ると、ちょっとうれしくなる。

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2009/04/19

1966年へ・・・

 物置にスピーカーの空箱が2個あるのは知っていたが・・・

7dsc04542 以前にも紹介したが、8CX-50はコーラル音響が販売していたスピーカーユニット、父がステレオで使用していたものがいまも私の部屋の隅で休んでいる。

 先日、物置を整理したとき8CX-50の空き箱を持ち上げたら、その一個が重いことに気づいた。箱を開けたら、なんとスピーカー、それも8CX-50が入っていた。物置にあった箱は、ずっと空っぽだと思っていたが、もう一つの8CX-50が入っていたのだ。

 同時に古いカタログも出てきた。

 カタログによれば、8CX-50は、コーラルゴールデン50シリーズの中核となる製品で、20cm2ウエイスピカー、再生周波数30-22000c/s、クロスオーバー3000c/s、出力音圧100db(旧JISなので現規格では94db)となっている。説明書では、インピーダンスは16オームだが、箱に入っていたものは8オームとなっており、両方のタイプがあったようだ。定価は、8CX-50は¥4500、専用キャビネットは¥10200となっている。父は昭和41年(1966年)に購入していた。

 なにしろ8CX-50は、今から40年以上前の製品。冷静に聴けば、現代のスピーカーから比べればレンジが狭く、無理して捜し求めるような製品ではない。しかしそのサウンドは、子供の頃、父の横で聴いたラジオから流れてきたヒットパレード、クラッシク音楽や落語を思い出させる。

 それはビートルズが来日し、加山雄三が君といつまでもを歌い、大鵬が優勝、ウルトラマン、サンダーバードが放映されていた時代だ。このスピーカーは、私を1966年に引き戻すタイムマシンなのだ。

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2009/04/02

オスカーピーターソントリオのプリーズ・リクエストを聴く

 年度末のバーゲンセールで、オスカーピーターソンのプリーズリクエスト(英語の題名は、WE GET REQUESTS)がでていたので購入。

We_get_requests 1970年代の初め頃だったろうか、オーディオショップでジャズを聴きたい言えば、まずこのアルバムがかかっていた。録音は1964年、スイングジャーナルの録音賞を受賞している。

 油井正一の解説によれば、”ピーターソントリオは、ナイトクラブで演奏するとき、よく流行中のヒット曲のリクエストを受けるという。お客が彼をからかっているのでない限り、進んで演奏するそうだ・・・ピーターソントリオは、ヴァーヴへの置きみやげにそうしたレパートリーを集めた本アルバムを残した”となっている。コルコヴァード、酒とバラの日々、ピープル、イパネマの娘などは、いまも知られるポピュラー曲が並んでいる。

 久しぶりに聴いてみると、スイング感あふれる演奏と音の良さに、思わず和んでしまうう。

 「酒とバラの日々」「ピープル」などそのリズムが実に心地よく理屈抜きに楽しめる。「ユールックグッドトウミー」でのレイブラウンのベースは、これぞウッドベースという感じで、じつに太くたっぷりとしており、現代では聴けないような存在感がある。

 こういうアルバムを聴いていると、ノイズレベルとか音場とか音の鮮度など、技術的なことはどうでもよくなる。優れた作品は、時代を超えて感動を与えるのだ。

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2009/03/08

ルイージ・マルティナーレのLe Sue Ali を聴く

 アルバムLe Sue Ali(ALBCD-001)は、ルイージ・マルティナーレ・トリオによる2月発売の新作。

Luigi_m_1 ルイージ・マルティナーレ(Luigi Martinale)は、イタリアのジャズピアニスト、ベースはドリュー・グレス(Drew Gress)、ドラムはパオロ・フランシスコーネ(Paolo Franciscone)。ルイージは、先日紹介した同じイタリアのエンリコ・ピエラヌンツィから大きな影響を受けたと語るだけあって、曲の組み立て方や演奏スタイルが似ている。

 このアルバムには、自作曲に加えてデュークエリントンのAfrican Flower、フィルマルコヴィッツのSno PeaやスティーブスワローのFalling Graceなどが収録されている。お気に入りは、アルバムの2番目のSoftと最後のHow deep is the oceanだろうか。

 Softは、ルイージのオリジナル曲。まさしくエンリコ・ピエラヌンツィに似た、歌うようなメロディが美しいイタリアジャズ。ドラムとベースの盛り上げもよく、ベースのソロもたっぷり入り、スピード感がありながらリラックスした演奏が楽しめる。

 How deep is the oceanはビルエバンスも演奏していたが、ルイージの演奏にビルエバンスに近いものを感じるとともに、そこにルイージならでは明るく弾むタッチが加わり心地よい。ビルエバンスの描く空や海が、大西洋のようにどこか暗く沈んだ感じがするのに対して、ルイージの描く海や空は地中海のような明るさがあると言えば分かりやすいかも。

 ところで音楽内容は実に良いアルバムだが一つ苦言を。

 CDパッケージデザインだが、どうもいただけない。全てグレーのモノトーンで統一したのは、オシャレなつもりかもしれないが、ケース裏面にある曲名・作曲者・時間のフォントも同じグレーのため、背景に溶け込んで読みにくいとうか一部読めない。これは是非改善してほしい。

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2009/02/15

テリエ・ゲヴェルトのOSLOを聴く

 テリエ・ゲヴェルト(TERJE GEWELT)のアルバムOSLO(Resonant Music RM21-2)は、1月発売のノルウェーからのCD。

Terje_oslo_2 リーダーのベーシストであるテリエ・ゲヴェルトはノルウェー、ピアノのエンリコ・ピエラヌンツィはイタリア、ドラムのアンダーシュ・シェルベリはスエーデンと、ヨーロッパ3ヶ国のミュージシャンで構成されている。

 メンバーだけを見れば、テリエ・ゲヴェルトをリーダーにしたヨーロッパジャズ・ピアノトリオ・アルバムとなるが、それよりもエンリコのピアノアルバムとして聴く人も少なくないだろう。実際、あるCDショップでは、エンリコ・ピエラヌンツィのピアノアルバムとして勧めていた。

 エンリコ・ピエラヌンツィのピアノは、イタリア映画音楽、たとえばエンニオモリコーネのシネマパラダイスにある哀愁にみちた響きがあり、このアルバムの1曲目Blue Waltzなどにも反映されている。ここだけを聴くと、このアルバムをエンリコ・ピエラヌンツィのピアノアルバムと言った人の気持ちも分かるような気もするが、2曲目、3曲目と進むつれて、しっかりしたベースとリズムが加わったテリエ・ゲヴェルトのジャズらしくなる。

 静かながら情熱をもった親しみやすいメロディにあふれたこのアルバムは、2009年最初のヨーロッパからの素敵な贈り物。

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2009/02/07

絵の出るカラオケあります

 台東区の真ん中付近を歩いていたら、路地奥に静かにたたずむスナックがあった。

7dsc04431_2 その壁に「絵の出るカラオケ LaserDisc」の看板。

 今回は、このレーザーディスクの話しをしよう。

 しばらく前の新聞経済欄に「レーザーディスクプレーヤー生産完了」のニュースがあったが、それに目を止めた人はどのぐらいいただろうか?

 レーザーディスクは、その普及が一部に限られていた印象があるが、まぎれもなく一時期ビデオディスクメディアの主流であった。「絵の出るカラオケあります」の看板は、スナックの定番風景であったし、アニメや映画を全集形式のBOXとして販売したのもレーザーディスクであった。

 しかし、カラオケは通信に換わり、ビデオディスクはDVDが主流となり、それもBlu-Rayに置き換わろうとしている。レーザーディスクはその役割を終えたといえる。

 ところで古くはベータ対VHSのビデオテープ、そして一番新しいところではBlu-ray対HD DVDで知られるように、ビデオメディアは二大規格の競争が繰り返されてきた。とくにベータ対VHSは、技術的に優れていても数多くの支持者を得ないと製品は成功しないという、数の論理を製品開発の人々に強く残した。

 じつは、いまはあまり語られないが、レーザーディスクにもVHDという対立する製品規格があり、そこには見事なドラマがあったのだ。

 レーザーディスクはフィリップスが開発したが、VHDはビクターが開発したビデオディスクの規格で、VHSでの成功が追い風となり、日本のほとんどメーカーが採用を表明した。

 レーザーディスクは信号を取り出すピックアップが非接触で、ディスクの寿命には有利とされたが、小型レーザーの実現は技術的に困難とされていた。VHDのピックアップは接触形でディスクの寿命には不利だったが、より実現性があるように言われた。

 ところが肝心のVHDプレーヤーの開発が思い通り進まなかった。そうこうしているうちに音楽用CDが普及し、ユーザーはCDも再生できるレーザーディスクプレーヤーを支持するようになり、VHDを支持していたメーカーもレーザーディスクへ乗り換えはじめた。その結果、初めの形勢はすっかり逆転し、レーザーディスクが主流となったのだ。
 
 ビデオといえば、とかくVHS対ベータを引き合いにしていかに数が大事かばかり論じられるが、レーザーディスクは、少数派という逆境にあっても、ユーザーの声を受け止めて成功したのだ。

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2009/01/21

ジョバンニ・ミラバッシOUT OF TRACKを聴く

 久しぶりのイタリアンジャズ・アルバムの紹介。

Gmirabassi ジョバンニ・ミラバッシ・トリオのアルバム:OUT OF TRACK(VACM 1365)は、録音2008年5-7月、発売12月3日の最新版。

 オリジナル曲でなく定評のある(スタンダード)曲と言っても、ピアソラやモリコーネを選曲するところがジョバンニ・ミラバッシらしいところだが、全体を通じて難解なところがなく聴きやすいアルバムに仕上がっている。激しい曲でも、美しいメロディラインを崩さず歌うように演奏するスタイルは、ヨーロッパいやイタリア・ジャズならではのものだが、このアルバムもその特長がよく表れている。

 気に入ったのは、1曲目:ディア・オールド・ストックホルムも良いが、静かな調子ではじまりメロディが美しい3曲目:南へ帰ろう(ピアソラ作曲)と、速いテンポでノリのよい12曲目:コンヴィッテ・パラヴィータ(アントニオピンテ&エドコルテス作曲)だろうか。この2曲は、どちらも映画のために書かれたものだそうだが、これら以外の曲も外れがなく、休日の午後など、心地よい音楽に浸りたいときに最適なアルバム。

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2008/12/29

0.1gのこだわり

 部屋の大掃除をはじめたら、ラックのすみからレコードが出てきた。

 「弦楽のためのセレナード」(マリナー指揮、アカデミー室内合奏団)は1968/70年録音、見つけたのはキングレコードが1993年に再発売したもの。A面をチャイコフスキー、B面をドボルザーク、それぞれ内周ギリギリまで使い、一枚で二度美味しい組み合わせになっている。

 久しぶりに聴こうと、プレーヤーのスイッチを入れたらどうもおかしい。まだレコードに針を落としていなのにゴロゴロという音がする。なにしろこのプレーヤーは父親が買ったもので、もう30年以上経っているので相当ガタがきている。プレーヤーを点検したら、分解できるはずのターンテーブルとセンタースピンドルが固くくっついて離れない、スピンドルの底にあるプレートもすっかりオイルが乾きキズがついていた。これではノイズが出るのも無理はない、中古でもよいから良いプレーヤーを探そうか・・・。

 とりあえずオイルを差して動かしたら、少しノイズが下がったので針圧調整をやり直した。

7dsc03560_3 針圧は文字通り、カートリッジの針先にかかる力。おおよそ1~3g程度が一般的だが、なかには1.3g±0.2gとメーカーが指定しているものもあり、0.1g単位の調整が必要となるときもある。我が家のトーンアームは、針圧目盛りが付いているが、あまりあてにならず独立した針圧計を使用する。

 さてこの針圧計は今は電子式が主流だが、かつては様々な形式のものがあった。

 写真の天秤ハカリ式のものは父親が買ったものでたぶん30年以上経っているだろう、スライド式は私が買ったものだが、これも10年は経っているはず。

 天秤ハカリ式は、カートリッジに指定された重さだけ小さな円盤状の錘を積み、ハカリの腕が水平になるようにトーンアームを調整する。ところが一つ問題がある。一番軽い錘が0.5gなので、1.0、1.5、2.0、2.5gのように0.5g刻みしか測れない。したがってピッタリ1.8gは測れない。

 そこで登場するのが、もう一つのスライド式のもの。これは現行品でまだ入手可能だが、カートリッジで有名なSHURE社の SFG-2、スケールに0.5gから1.5gまで、0.05g刻みの目盛りがついている。最大が1.5gでは、1.8gは測れないと思われるかもしれないが、ご安心を。針を置く位置を変えることで、全ての目盛りを2倍に換算することができ最大3gまで測れるようになっている。 

 さて、この二つどちらが使い易いかと聞かれれば、これは圧倒的に天秤ハカリに軍配を上げたい。直感的で分かりやすい操作性はもちろん、錘のセットを全部つかうと最大6.5gと、SP用カートリッジの針圧までカバーしているスグレものだ。道具は凝りだすと、精密なものや多機能なものを求めがちだが、構造が簡単なものが一番使いやすいのは昔も今も変わらないのだ。

 それにしても、ついほかの事に気をとられて、大掃除が進まない!今年中に終わるだろうか・・・それが問題だ。

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2008/12/26

高品質ライブ音場の再現

 オーディオマニアに興味深いニュースが発表された。 ”NHKは、1月29日、東京フィルハーモニー交響楽団と共同で「高品質ライブ音場再現方式」の実験を行う”。簡単に言えば「演奏が行われている会場で集音し、それを別会場であたかも本物の演奏が行われているように再生する」実験らしい。

 じつはNHKは以前から、高臨場感システムを研究しており、その中に「高臨場感音響システム」というものがある。これは22.2マルチチャンネルという方式で、部屋の前後左右上下に22個のスピーカーと2個のサブウーファーを配置し、生に近い音場を再現することを目指している。

 たぶん今回の試みも、この22.2chの延長にあるのだろう。

 ところで、一部報道によれば”再生会場は非公開”となっているが、これはちょっと勿体ないような気がする。希望者を募集をして再生会場に座ってもらった方が実際の演奏会場の状況により近づくし、それに公共放送なのだから、その活動はもっとオープンしてもよいのではと思うが・・・。

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2008/11/17

Still Unforgettable

 新譜情報でナタリーコールの「Still Unforgettable」が、今年リリースされたことを知った。

7dsc02575_2 1991年にリリースされた前作の「Unforgettable」は、グラミー賞7部門に輝くほどのボーカルの好アルバムだが、オーディオマニアとしても注目すべきものだった。

 CDが初登場した頃(1982年)、CDとLPレコードの音の比較がよく音楽雑誌をにぎわした。LPレコードでリリースされていたアルバムをCD化したものと、オリジナルのLPレコードを比較した記事だったが、どうもその結論がはっきりしなかった。もともとLPレコードを前提に録音されていたものをCD化したのだから、その音はLPレコードに最適化されており、二つを比較しても無理があったように思えるが・・・。

 ところが新譜の発売が全てCDとなりLPレコードを見かけなくなった頃、あるアルバムがCDとLPの両方でリリースされたことがあった。

 ナタリーコールのUnforgettableは、1991年にCDとLP(US版)の両方でリリースされた。全22曲合計73分15秒のアルバムは、まったく同じ内容で、CDによくあるボーナストラックなどもなく、CDは1枚だがLPは2枚組みになっていた。既にCDの技術も十分完成した時期に録音されたこのアルバムは、CDとレコードの音の比較をする良い素材だった。

 じつは今回の「Still Unforgettable」も、CDとLP(US版)の両方がリリースされているらしい。もしCDとレコードの両方の再生環境があるならば、是非、聴いてみたい。はたして2008年のCDとLPの音はどうだろうか、そこにはどのような新たな発見や進歩があるのだろうか・・・もし実際に聴き比べた人がいたら、その感想をお知らせ願いたい。

 写真は1991年の「Unforgettable」CDとLP。

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2008/11/05

高音質CD

 いよいよSME(ソニーミュージックエンターテイメント)から新しい高音質CD:Blu-spec CDが発売(12月24日)される、

 このところSHM-CDやHQCDなど、従来のCDと完全互換の新型CDの発売が続いている。いずれもCD板の素材に、液晶パネルに使用されている高品質なポリカーボネイドを採用したことにより、従来より音質が良いとしている。SMEのものは、新素材+Blue Ray Discで開発された技術を導入したものらしいが、そのメインはやはり新素材のようだ。

 デジタル化初期の頃は、デジタルになれば素材の良し悪しに関係なく高音質が実現できると聞いていたが、ひとたびデジタルが普及すると素材にこだわるようになった。どこそこのCDメカは良いとか、いやDACを交換するともっと良くなる、さらにケーブルを換えると良いなどが雑誌の特集をにぎわした。

 このような話はアナログレコードでもあり、あそこのレコードプレーヤーが良いとか、いやカートリッジとトランスはあっちのほうが良いとか全く同じような話しがあった。どうも、ある程度技術が進んでしまうと、レコード板の重量を重くするなど素材に向かうのは共通しているようだ。

 話しをSMEの高音質CDに戻すと、発売予定リストをみると相当数の旧作が並んでいる。例えば、マイルスデイビス:カインドオブブルー、ジャニスジョプリン:パール、サンタナ:天の守護神などは、いずれもかつてレコードで聴いた記憶がある。すでに何度かCDになっているが、はたして今回の高音質CDはどのような音質なのだろうかと期待してしまう。と、同時に、どのCDも、その音質をオリジナルのアナログ音源に限りなく近づけようとしているようにみえるが、それならいっそのこと新素材で高音質アナログレコードもあるのではと思ってしまう。

1.Blu-spec CDのホームページ
2.SHM-CDのホームページ
3.HQCD-CDのホームページ

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2008/09/20

ちょっとだけイタリアン

 少し涼しくなったので、久しぶりにゆっくりCDでも聴こうかとステレオを点ければ、なななーんと低音がビリついている!スピーカーグリルを外してみたら、一目で原因がわかった。

 スピーカーのフレームとコーンが接する部分をエッジと呼ぶが、そのエッジが劣化してボロボロになっているのだ。ウレタンソールの靴で経験した人もいるだろうが、私のスピーカーは、ウレタン素材のエッジを使用しており、このウレタンが年月とともに加水分解してボロボロになる。すでに15年ほど使用しているので、よく持ったほうだが、いざ目にするとウレタンを呪いたくなる。まだメーカーで修理対応しているので修理を依頼しようかと思っているが、いっそのこと新しいスピーカーにするのも良いかと悩む。

 ところで、先日、イタリアJAZZのCDを購入。

 CARLO UBOLDI ”Free Flight”

Cd_freeflight_2 昨年話題になったアルバムだそうだが、イタリア人のジャズピアノトリオ演奏、その1曲目の"Welcome To Nippon"はC.Uboldiのオリジナル曲。なぜNipponというタイトルなのかという問いが浮かぶが、そのメロディは美しい。たとえばイタリア映画ニューシネマパラダイスのテーマ曲と共通する、郷愁感のある旋律と言い換えれば分かり易いかも。

 イタリアのジャズは初めて聴いたが、このアルバムは、どこか懐かしさのあるメロディに加えて、リズムにドライブ感のある曲も入っていてなかなか心地よい。

 私のおススメは、"Welcome To Nippon"もいいが、7曲目の"Angry Dogs"のノリの良さも外せない。

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2008/06/22

Sountinaを聴く

 久しぶりにSONYから興味をひくスピーカーが発表されたので、SONY数寄屋橋ショールームで試聴。

Sountina Sountinaは、全高1.845mの円柱、ガラス製チューブをもつスピーカーシステム、価格は100万円(税込み105万)。

 通常のスピーカーで例えるなら3WAY構成となり、一番下の土台となる円盤は電源と信号のインターフェース、その上の黒いカバーに覆われた円柱部に低域を再生するウーファーとアンプ、その上に中域を再生するミッドレンジ、さらにその上にそびえる高さ1mのガラス製チューブ全体が高域を再生するツイターとして動作する。その形状からも想像できるように、音は水平方向360度均一に放射される。

 音を360度に放射する無指向性(全方向性)スピーカーは従来から製品化されており、球形や多面体スピーカーと、スピーカーの各ユニットを上または下方向に取り付け反射音を周囲に放射させる構造のものがある。Sountinaは、中低域のユニットは下向きにとりつけ、高域は円筒状のユニットにすることで水平360度へ音を放射する。高域のツイターは、従来からホーン、コンデンサ、リボン、イオンなど様々な方式が製品化されているので、Sountinaのそれがガラス製円筒であることを除けば、従来の無指向性スピーカーとそれほどかけ離れていない。

 興味深いのは、Sountinaは、スピーカーを1台だけ設置することを前提にしていることだ。ステレオだから、左右2台という必要はなく、1台だけでよい、というより1台しか置けないようだ。Sountinaは、メインアンプ内蔵しており、アナログステレオまたはデジタル2chの入力からスピーカー1台で音場を作り出す。DSP処理により音場を作り出しているらしい、ホームシアター用のアンプに内蔵されているサウンドプロセッサの延長上にあるのかもしれないが、その詳細は分からない。

 さて試聴した結果だが、立っても座っても、さらに近くでも離れても、聴く位置にかかわらず音質が変化しないのは見事というしかなく、水平方向への指向性は非常にうまく制御されている。気になるガラス製ツイターも広い音域をカバーしているようで、中高域は平面型スピカーに似たような音離れの良さがあり、その実力はなかなか高い。イルミネーションも美しく、モダンなリビングやレストランなど、広いスペースをカバーするのに最適だろう。

 しかし、まだ未消化の部分もある。音楽の種類によっては、高域が暴れているような耳障りな響きがあり、たとえばバイオリンやピアノが金属的な音になるし、低域の量感も少ない。さらに、これはSountinaが目指していない部分かもしれないが、左右に拡がる音場のイメージが乏しく、それぞれの楽器の定位感がないのも気になり、純粋にオーディオ用に使用するには一層の音質改善が必要。今後、もしDSPファームウエアのアップデートが可能なら、これらを改善してほしい。

 さらに、せっかくの美しいデザインなのだから、1台だけでなく2台・4台設置可能にし、空間全体に楽器が定位するような音場を実現するモードを追加したらどうだろうか。もちろん、そのときは、全高を下げ、値段も下げたバージョンを出してほしいが。

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2008/02/05

すばらしき世界

 東京は、明日からまた寒くなるそうだが、地球の裏側にあるブラジルは真夏のカーニバル。

Beth_carvalho そこで選んだ今日のアルバムは、ベッチ・カルヴァーリョ(Beth Carvalho)の「すばらしき世界」。1976年録音されたブラジルサンバのアルバム。じつはベッチが、どのような歌手かは全く知らないのだが、ベッチの歌にコーラスの掛け声とリズム楽器が加わったサンバサウンドは、まるで自分がカーニバルの人々と一緒にいるような気分にさせてくれる。ボサノバのアストラット・ジルベルトとは、まったく違う、土の香りがするようなホットなサウンド。

 このアルバムには、速いテンポのサンバはもちろん、ゆったりしたテンポの曲が入っているが、これが実に心地よい。残念ながら、このCDはすでに廃盤になっているが、ベッチの最新アルバムは輸入版で入手可能。

 

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2007/12/04

カモミールをきく

 ハーブティーの好みをたずねられたときは、カモミールと答えるようにしている。よく通っていたレストランで初めてすすめられ飲み、どこかフルーツのような香りとすっきりした味わいが気に入り、それ以来これに決めている。このカモミールにはリラックス効果があり、安眠にも効くそうだ。

 カモミールといえば、それをタイトルにしたCDがある。

Emi_fujita_2 藤田恵美の名を知ったのは、今年の春。中国土産のCD:BEST AUDIOPHILE VOICES II、その第一曲目に「Desparado Emi Fujita」が入っていた。

 このEmi Fujitaとは誰だろうかと検索したら、これが藤田恵美さん、以前、ル・クプルというデュエットで活動していた人だった。すでに「カモミール」シリーズとして3枚のCDを出し、香港、中国、韓国、シンガポールなどのアジア圏でも活動しており、TVコマーシャルにも採用されている。

 その藤田恵美の最新版が、「Camomile Best Audio」として発売された。収録されている曲は、すでにカモミールシリーズで発売されていたものを新たにリマスタリングしたもので、アコースティック伴奏でスタンダードナンバー(And I love you so, All my loving, Desperado...Over the Rainbowなど)を英語で歌っている。アコースティック+スタンダードという組み合わせは、アジア英語圏(シンガポール、香港など)で人気があり、たとえば歌手では、Corrinne MayやJheena Lodwickなどが知られている。藤田恵美のCDも同じようなジャンルに入るだろう。

 「Camomile Best Audio」は、オーディオマニアを意識したらしく、SACDマルチチャンネルなど最新ハードウエア対応から、ディスクのミドリ色着色など、オーディオマニア向けにいくつかの試みがされている。さらに通常CDプレーヤーでも再生できるハイブリッド構成になっている。

 さて、その音質だが、たぶんノイズの少ないハイエンドオーディオ装置と環境をもっていれば、リアルな音を聴くことができるのだろう。残念ながら、我が家のシステムはSACDに対応していないし、どちらかと言えばノイズが多いので、いまのところマルチチャネルと高音質は確かめようがない。しかし、その音場感の良さは2chでもある程度分かるような気がする。

*12月5日:SACDマルチについて追記

 SACDは、合計6chのチャンネルをサポートしており、前方3ch、後方2ch、低音専用1chで構成され、これを5.1chと言います。DVDも5.1ch対応していますが、記録方式が少し異なります。ただし最近は、CD/SACD/DVDの全てに対応するプレーヤーがありますので、記録方式の違いはあまり問題になりません。それより5ch/5.1chのスピーカーを設置できる環境・部屋があるかが、キーポイントでしょう。今回のCamomile Best Audioは、5.1chおよび5chで構成されています。

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2007/11/17

古いアルバムと・・・

 大掃除の途中、古いアルバムや思い出のモノが出てくるとついそれらに見入ってしまい、なかなか作業が進まなかった経験はないだろうか。

8dsc04799_2 今、部屋を整理している。その部屋の隅に古いオーディオ装置がある。父親が使用しなくなった古いオーディオ装置を廊下の端に置いといたのだが、その廊下を整理するため一時的に部屋に入れたら、戻すのが面倒でそのままになってしまった。30年いや40年以上前の製品なので、もうまともに動きそうもないが、捨てられずに置きっぱなしになっている。

 一番上にあるアンプは、現在はケンウッドとなっているトリオのモノラルレシーバー。もともとは、その下にプレーヤーとマッチした木のケースに入っていた大型レシーバーがあったのだが、それはなくなってしまった。プレーヤーの下がスピーカー、この中に入っているのはコーラル音響製の8CX50というスピーカーのはずだ。裏ブタを開ければすぐ確認できるのだが、ネジが錆びついていてどうしても外れないが、8CX50が入っていたダンボール箱が残っているので、たぶん中にこれが入っているはずだ。

 部屋を整理中、このスピーカーをもう一度聞いてみようとふと思いついた。じつは、以前あった木製ケースに入っていたレシーバーのアンプ部だけを再現した45シングル・アンプが手元にある。たまにJBLにつなげることがあるが、なにしろ出力が1W程度なので、小音量では良いのだが完全にドライブすることが出来ない。たぶん8CX50なら、能率も良さそうだし、アンプの性格にも合っているのではと思い、さっそくつないでみた。

 CDプレーヤーを直接アンプにつなぎ、スピーカーを鳴らしてみる。音の切れや低音の伸びなどは、まったく現在のスピーカーには及ばないが50~60年代録音の古い曲、たとえばナットキングコールなどは、これで十分というより、むしろこのほうが聴きやすい。
 この以外な結果に、しばらく使ってみようかという気持ちになってしまう。このスピーカーのためにレシーバーを完全に再現しようか、それともこのスピーカーは処分しようかと、思いと悩みはどんどんふくらむ。やはり古いアルバムと思い出のモノの整理は、なかなかすんなり進まない。

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2007/03/11

マイ・ラスト・ソング(久世光彦)

 最後の晩餐ならぬ、最後に聴きたい歌はなんだろうかと問われたとき、私はなんと答えるだろうか。

Photo_7  マイラストソング(久世光彦、文春文庫)は、人が最期を迎えるまえに一曲だけ聴けるとすれば、どのような歌を聴きたいかをテーマにしている。本人はもちろん友人・知人の思い出、子供の頃の歌、大人になってからの歌、歌謡曲から賛美歌まで、有名無名を問わずに語っている。あとがきを書いた小林亜星さんは、幼いころ聴いた「アラビヤの唄」を最後に聴きたい歌に上げているが、なぜか子供のころの歌を上げる人が多いようだ。

 私の子供のころ聴いた歌になると、まずはラジオがある。いまも「笛吹き童子」や「赤胴鈴之輔」などのラジオドラマのメロディーや歌詞が、断片的ながら耳に残っている。たぶん同世代の人ならば、同じ経験をしただろう。ラジオからは、映画音楽やジャズもよく流れてきた。「エデンの東」や「慕情」などの音楽を聴くと、いまでもちょっと胸にくるものがあるし、ジャズというよりポピュラーソングと言うべきかもしれないが、パティページの「テネシーワルツ」や「モッキンバードドヒル」などの歌もよく流れていた。やがてシルビーバルタンの「アイドルを探せ」やカンツォーネなどもラジオのヒットパレードから流れていた。

 さらに我が家の場合、ラジオ音楽に加えて父親がかけていたレコード音楽がある。その多くはクラッシク音楽だが、なかにはジャズレコードもあった。たぶん私が初めて自分から聴いたジャズは、78回転SP盤のセントルイスブルースのはずだ。演奏だけだったのだろう、メロディだけで歌の記憶はない。クラッシクで歌となるとオペラだが、これはドラマチック過ぎて最後に聴くのはどうだろうか。たとえばフィギアスケートで有名となったプッチーニのトゥーランドットなどは、盛り上がり過ぎるような気がする。最期に聴くならもっと静か唄がいい、たとえばレハールのメリーウイドーの中で歌われる「ビリアの歌」もいいが、これはちょと甘すぎるかも。

 いろいろ思いは尽きないが、いざ最後の歌を見つけ出そうとすると、どうも一つに決まらない。これは、最後の食事を決めるより難しいかもしれない。

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2007/03/01

星屑

 昨晩はウィリーネルソンのCDをかけたまま寝込んでしまった。アルバム「スターダスト」(星屑)は、スタンダードソングをたっぷり詰め込んだCDだ。カントリー歌手としては少し外れたところに位置するウィリーネルソンは、独特なフレーズ感がある。ちょっと飛躍しすぎかもしれないが、森繁久弥の節回しに通じるものがある。森繁が歌うとどんな曲でも森繁節になってしまうように、ウィリーネルソンが歌うスタンダードソングはウィリー節になっている。この二人のどこか素朴な歌声と微妙な言葉の言い回しに、枯れているようでも、まだまだ色気のあるオジサンという印象を持つのは私だけだろうか。

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2007/02/28

虹の彼方

 棚を整理したらエリッククラプトンのCD「Ballads]が出てきた。このCDは来日記念で発売されたものだが、数回聴いただけで、いつのまにか行方不明になり買ったこともすっかり忘れていた。MTVアンプラグドショーの「Tears in heaven」ではじまるバラード集、その中に「Over The Rainbow」のライブが入っている。ジューディーガーランドの可愛い歌声もよいが、クラプトンの渋い歌声もなかなかいい。まだ水曜日だというのに、もうすでに一週間分働いたような気がする、こんな日は静かに音楽に浸っていたい。

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2007/02/27

12吋(インチ)盤

 先週末、S君と会う。たまたまお嬢さんとその友達のA君も合流したので、共通の趣味であるオーディオの話をはじめた。

 じつはA君は大学生だが都内のライブハウスやクラブでDJをしており、最近のレコー事情ドにめっぽう詳しい。オジサン達が、そもそもレコードはSP:Standard play78回転、次にLP:Long play33回転、EP:Extended Play45回転のレコードがあって高音質レコードとして45回転LPが一時期あったなどと、レコードの歴史薀蓄を語りはじめたら、A君から45回転LPは、輸入品で今もありますと以外な情報を提供してくれた。

 ネットで検索してみると、高音質な45回転LPのほかに12吋(インチ)シングルレコードとしてDJやクラブサウンド用のレコードが出ていることが分かった。DJは、昔はEPの守備範囲だが、長い曲だと収まりきらず12インチ(30センチ)盤で発売したものらしい。

 45回転LPなどはすっかり忘れ去られたフォーマットだと思っていたら意外なところで生きている。しかも若者がすんなり、使いこなしている。こういう技術の再発見の話を聞くと、なんか嬉しくなってなってしまう!

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2007/02/17

針を下ろす

 S君は、自宅リビングの壁一面にCDやレコードを並べている、つい最近も、長年使ってきたJBLのスピーカーを最新型にしたばかりのオーディオマニアだ。そのS君から、雑誌にアナログプレーヤー特集が掲載されているとのメールをもらった。

 見渡せば我々の生活は、多くのデジタル機器に取り囲まれている。いま画面を見ているパソコンだってデジタル、携帯電話だってデジタル(アナログ携帯というのも一時期あったが)、カメラもデジタル。いまデジタルを否定したら、我々の身の回りはスッキリを通り越して、不便きわまりないだろう。それでもいま一つデジタル化の波に乗りきれない、いや完全にデジタル化を受け入れたくない分野がオジサン達にある、オーディオだ。

Tdsc01777 デジタル音楽データの扱いやすさはずば抜けている。現在の携帯オーディオなどは、デジタル技術なしでは成立しない製品だろう。ところがSACD(スーパーオーディオCD)になると、より滑らかな録音再生が可能だと言われ、さらにDVDオーディオであればさらに良いと言われてしまう。この根底にあるのはサンプリングの周波数と分解能のことらしいが、なんかいま一つ分からない。結局、いかにアナログに近づけるかのように思えてならない、であれば最初からアナログにしたらになってしまう。

 それではアナログに回帰しようと、もう一度レコードを聴こうとするとこれが大変だ。レコードプレーヤーを入手したとしても、最近のアンプには昔はどのアンプにもついていたphono入力が付いてないので、そのままではレコードは再生できない。プレーヤーとアンプの間にフォノイコライザーを追加する必要がある。つぎに問題になるのが消耗品やアクセサリだ。レコード針は、使えば磨耗するので交換しなければならない。もしベルトを使用しているプレーヤーであれば、そのベルトもいずれは交換しなければならない。

 ときどき雑誌の特集などで、アナログレコードを紹介する記事を見かけるが、レコードを楽しむためには色々な準備や手入れが必要なことも書いてほしい。オーディオ評論家にとっては常識かもしれないが、なにしろ、いまや一度もレコードに触れたことの無い若者もいる。彼らがお父さんやお祖父さんが残したレコードやプレーヤーを使うときにきっと役立つはずだ。

 なお交換用レコード針は、いまもナガオカで生産しており通販で入手可能、またベルトも通販で入手できるので、必要なひとは検索してみるとよいだろう。

 さて私も、ここらでレコードにゆっくり針を下ろす準備をしようか。幸いレコードもPhono付きのアンプもある、あとはプレーヤーだけだ。

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2007/01/06

二年越しの「煙が目にしみる」

 年末に部屋の掃除をしていたら古いビデオテープやCDが出てきました。ビデオテープは、すでに10年以上も前のもので、録画してあったのをとっくに忘れていたもので、タイトルラベルをみたらザッツエンターテイメントPART1,PART2とありました。

 じつはザッツエンターテイメントはある理由があって、年末に地元のレンタルビデオショップへ探しにいったのですが、在庫なしと言われた作品でした。

 先月、いやもう去年になりますが、masaさんが「煙が目にしみる」をブログで取り上げ、そのなかでこの歌が登場する映画として「Smoke」を紹介していました。私自身、この歌を何かの映画で見た記憶があり、阿佐ヶ谷でお会いしたときに、「煙が目にしみる」が登場する映画は他にもありますと軽く言ってしまいました。しかし、何の映画だったか確かな記憶がなく、そのままになっていました。

 「煙が目にしみる」「映画」をGoogleで検索すると、スピルバーグの「オールウエイズ」が引っかかりますが、これは見ていないので別な作品のはずです。そうこうしているうちに、「煙が目にしみる」はミュージカル映画の音楽であることが分かりました。

 ミュージカル映画といえばMGM、MGMといえばザッツエンターテイメントだということで、このビデオをレンタルビデオショップで探したのですが在庫がありません。たぶん、このようなビデオを借りる人はもういないのかと諦めたところに、今回のビデオテープが出てきたのです。

 早速、見つけたザッツエンターテイメントPART1,PART2を見ました。

 ありました!PART2でキャサリングレイスンが映画「Lovely to Look At」で「煙が目にしみる」を唄っています。画像はすっかり忘れていましたが、私が覚えていたのは、どこか甘いこの歌声です!二年越しの「煙が目にしみる」がやっと分かりました。PART2を見直してみると、フランクシナトラ、ドリスデイそれにダイナショアなど有名歌手が出ています。シナトラやドリスデイの映像は見たことがありましたが、ダイナショアは初めて。ザッツエンターテイメントを見ると、やはりMGMってほんとうにすごい映画会社だったんですねと、思わず水野さん口調になってしまいます。

追加:煙が目にしみるの歴史

 いろいろの資料をみてみると、「煙が目にしみる」は、1933年ブロードウェイミージュカル「Roberta」のためにジェロームカーンにより作曲されました。このミュージカルは、すぐにフレッドアステアとジンジャーロジャースで映画化され、アイリーンダンという人が唄ったそうです。さらに1952年、「Lovely to Look At」として映画化されキャサリングレイスンが唄い、これがザッツエンターテイメントPART2の収録されているシーンです。

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2006/12/23

オジサンバンド

 遅ればせながら、わが友人たちの間でオジサンバンドの話がすすでいる。友人のS君は、すでにギブソンのセミアコを購入したが、これがチェリーブラウンのボディーが実にキレイなビンテージで、音色もしっとりしていて、私もちょっとグラッとした。私と一緒にS君の家で、ギブソンのセミアコをさかんに触っていたY君は、それから数日後なんとギブソンのレスポールを入手したと連絡してきた。

Tdsc01561 おいおい一体どうしたんだとY君に言ったが、そういう私も、このごろテレキャスターを磨きながら大人の音楽教室の案内をネットで見ているので、他人のことは言えない。それにしてもオジサンたちのこの買い物は、若いとき買えなかったことへの反動か、はたまた長年働いたことへのご褒美か、ちょっと過激だ。まあチョイワルおじさんよりは、いいだろうが!

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