モノラル・リスニング・テクニック
家庭用オーディオ装置がモノラルからステレオへ移行しはじめた1960年代中頃、ステレオ装置の設置から聴き方までを特集した雑誌があった。タイトルは、ステレオ・リスニング・テクニックのような。
ステレオ装置は、従来のモノラルと互換性をもつように開発されてきた。古いモノラルレコードを新しいステレオレコード再生装置にかけても、ちゃんとで再生できる。そのときモノラルは、左右スピーカーの真ん中に定位するようになっている、というか、ステレオ装置はそのように設置・調整しろと書いてあったはずだ。
・・・と建前はそうなっているが、ステレオ装置で聴くモノラル音源と、モノラル装置で聴くモノラル音源では、微妙に違うように感じることがあった。とくにステレオの左右スピーカー間隔が広いと、それが目立つようだった。
そんなとき私が行っていたのが、右または左のスピーカーだけから音をだす、1ch再生によるモノラル・リスニング。
左右音量のバランスコントロールを、どちらか一方に回しきり、片側のスピーカーからだけ音がでるようにしてモノラル音源を聴くのだ。こうすると、部屋の中のどの場所で聴いても音源がはっきり定位し、音も充実したように感じる。その時、ボリュームを少し上げるのがコツだが。
なぜこんなことを思い出したかといえば、先月発売されたビートルズ・モノBOXである。久しぶりにモノラル音源をしっかり聴きたくななったのだ。
ビートルズモノBOXを聴いている皆さんは、どのように聴いているのだろうか?
たぶん、ほとんどの人がステレオ再生状態で聴いていると思うが、ふだんあまり使用しない音量バランスコントロールのツマミを回して、スピーカー一つによるモノラル・リスニングを試してみたらどうだろうか。もし気に入らなければ、ツマミを戻せば良いのだから・・・。
写真は、リマスター・モノラル盤A Hard Day's Night。




















マイラストソング(久世光彦、文春文庫)は、人が最期を迎えるまえに一曲だけ聴けるとすれば、どのような歌を聴きたいかをテーマにしている。本人はもちろん友人・知人の思い出、子供の頃の歌、大人になってからの歌、歌謡曲から賛美歌まで、有名無名を問わずに語っている。あとがきを書いた小林亜星さんは、幼いころ聴いた「アラビヤの唄」を最後に聴きたい歌に上げているが、なぜか子供のころの歌を上げる人が多いようだ。
デジタル音楽データの扱いやすさはずば抜けている。現在の携帯オーディオなどは、デジタル技術なしでは成立しない製品だろう。ところがSACD(スーパーオーディオCD)になると、より滑らかな録音再生が可能だと言われ、さらにDVDオーディオであればさらに良いと言われてしまう。この根底にあるのはサンプリングの周波数と分解能のことらしいが、なんかいま一つ分からない。結局、いかにアナログに近づけるかのように思えてならない、であれば最初からアナログにしたらになってしまう。
おいおい一体どうしたんだとY君に言ったが、そういう私も、このごろテレキャスターを磨きながら大人の音楽教室の案内をネットで見ているので、他人のことは言えない。それにしてもオジサンたちのこの買い物は、若いとき買えなかったことへの反動か、はたまた長年働いたことへのご褒美か、ちょっと過激だ。まあチョイワルおじさんよりは、いいだろうが!
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