ミュージック

2020/02/09

レスポールは多重録音の先駆者でもあった

 レス・ポールはギブソン社エレキギターのモデル名として知られるが、それは1950年代に活躍したギタリストの名前に由来する。そのことは本で読んでいたが、彼が録音技術の発展に貢献したことは知らなかった。


 レス・ポールとメアリー・フォードが、どのように彼らのサウンドを創り出したかを紹介する映像がYoutubeにある。前半は面白コントのようだが、3分過ぎから制作過程のデモとなる。二台のテープレコーダーを駆使して、一台で再生しながらもう一台で録音し、それを繰り返すことで一つの作品に仕上げていく様子が分かる。いわゆる多重録音(オーバーダビング)による音作りだ。

 多重録音は映画制作では古くから行われたようだが、レス・ポールは1947年に多重録による音楽レコードを制作している。このときはアセテートディスクを使用する自作録音機材で多重録音を行い、出来上がったレコードはキャピトル・レコードから販売された。テープレコーダーは1935年頃にドイツで発明され、第二次大戦中に使用されたとされている。これがMagnetophoneである。アメリカでも開発されたが、実用機が登場したのは第二次大戦後の1946/47年頃だそうだ。

 1948年、自動車事故でケガをしたレス・ポールの元へビング・クロスビーからテープレコーダーAmpex300型が贈られた。再起したレス・ポールは歌手であり妻でもあったメアリー・フォードとともに1951年に「How High The Moon」をリリースし、これがミリオン・セラーとなった。Youtubeの映像(1953年)は、このヒットをうけてのものだろう。なお「How High The Moon」は、多重録音を12回行っていると言われている。

 さらにレス・ポールは多重録音のためにAmpexに8Track仕様のテープレコーダーを特別注文した。このモデルはAmpex Custom 300-8型として1957年に完成、マルチトラック・テープレコーダーの始まりである。このようにレス・ポールはギターだけでなく、音楽録音に大きな功績のある人だった。

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2019/04/20

Pikasso Guitar

 楽器メーカーが販売する有名演奏家の名のついたカスタムモデルは量産品の一部を変更した程度のものが多いが、なかにはデザインも構造も独自で完全に一品制作されたものもある。

 ジャズギターのパットメセニー(Pat Methey) とジャズ ベーシストのチャーリーヘイデン(Charlie Haden)のライブアルバムをYoutubeで観ていたら、複数のギターを合体させたような楽器の演奏映像があった。エレキギターでは6弦ギターと12弦ギターを合体したいわゆるダブルネックギターやネックを単純に5本並べた巨大ギターもあったが、パットメセニーのギターは色々工夫されているようなので調べてみた。

  Pikasso Guitarは、Linda ManzarがギタリストPat Methenyのために作ったギターだ。Manzarによれば、四つのネックと二つのサウンドホールを持ち、弦は42本となっている。ネックは2本のように見えるが、映像がアップになると四組の弦がボディ上で立体交差のように張られているのが分かる。6弦ギターが一つ、フレットなしの12弦らしきものが三組加わり合計42弦となるようだ。さらにManzarは、Pikassoを拡張したようなMedusa Guitarも作成しており、それは52弦になっているそうだ。

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