自然観察

2020/01/19

冬のカラスウリ

 住宅街の道を歩いていたら塀の上に赤いものが見えた。冬の陽射しを浴び赤く輝いているのはカラスウリの実のようだ。枯れたツルもあるので装飾用でなく本物だろう、しかもここで育ったものかもしれない。

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 カラスウリを初めて見たのはいつだろうか。子供の頃、近くにあった畑の隅で奇妙な形の花をつけ、やがてそれが緑の実となりさらに赤く色づいた。そのときカラスウリという名を知ったのだ。

 それにしても街中で見かけるとは、ちょっと気になり調べたらカラスウリは園芸植物として流通するものもあるらしい。となれば住宅街でカラスウリを見かけても不思議はない。

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2020/01/10

梅一輪

 年明け10日、梅の花を見かけた。まだ小さく固そうなツボミばかりのなかに、なぜか一輪だけ咲いている。

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2020/01/05

令和千両

 初詣と散歩をかねて徒歩で30分ほどの山の上にある古いお寺へ向かったら、そこの鐘撞堂付近で千両の赤い実を見つけた。しかも近くには黄色の千両も。

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 これで新年早々、万両と千両の二つを見ることができた。ちょっと大げさだが縁起物のおすそ分けをもらった気分になる。

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2020/01/02

令和万両

 毎年、正月に定点観測していた万両の紅い実がまったくない。しばらく前にはあったはずだが、すっかり消えている。

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 そういえばサザンカの花も消えたが、これは原因がはっきりしている。年末にヒヨドリの群れが現れて花をついばみ、地面に花びらを大量に散らしていた。翌日に見たらツボミを数輪残すだけに、こうなると万両の実もヒヨドリの仕業かもしれない。とりあえず別の場所で見つけた万両を記録する。令和の万両である。

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2019/12/29

八重咲雪中花

 慌ただしい年末にぽっかりあいたスキマのような時間ができたので外出したら、どこか甘いがすっきりした香りがかすかに漂っていることに気づいた。この香りはもしやあれではと思いながらその源を探したら、写真の八重咲水仙にであった。

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 水仙には「雪中花」という和名がある。この雪中花という名は、冬に咲くスイセンの生態をじつにうまく表現していると思うが、なぜかあまり聞くことがない。ちょっと残念。

 ところで冒頭に”甘いがすっきりした香り”と書いたが、水仙の香りを言葉で表すのはじつに難しい。バラの花のように強い甘い香りではないし、柑橘系の爽やかな香りとも違う。ヒヤシンスに似たグリーン系の香りだそうだが、そのヒヤシンスがどのような香りだったか思い浮かばず、グリーン系の香りは葉とか草のものとされているが、これは対象が広くてこれだと言いにくい。それでもスイセンの香りは、かすかでもそれと分かる。記憶の引き出しのなかには、花の香情報の箱もあるようだ。

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2019/12/18

紅葉落葉

 毎年、定点観測のように見てきた近所のモミジ紅葉は、今年はいつもより遅く始まり、しっかり色づく前に一部が散り始めた。真冬のような寒い日があれば少し暖かさを感じる日もあって、不安定な陽気にモミジも戸惑っているのだろう。

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 ところで近くのショッピングセンターにちょっとした人混みができていた。クリスマスリースを作るミニ講座を開催しているようで、さほど広くないイベントスペースが満員。DIYブームが追い風になっているのだろうか、人気があるようだ。

 そのリースの素材のなかに、ギザギザ緑の葉に赤い実がついた小枝をみかけた。クリマスケーキの飾りで知られる西洋ヒイラギだ。わざわざ西洋と付いていることから予想できるかもしれないが、これは日本に昔からあるヒイラギとは全く別のもの。日本のヒイラギは、西洋ヒイラギと実がなる時期も色も違い、実がなるのは初夏、色も黒である。

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2019/12/15

都会に暮らす生き物

 その木の近くを通るとヒヨドリがするどい鳴き声とともに飛び出してくるので何かありそうだと思っていたが、その正体がようやく分かった。

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 木の中をじっくり見たら、葉と葉の間に小さな赤い実があちこちに。以前、ここで小さな花を見かけたが、それがすっかり実になっていたのだ。ヒヨドリはこの実を食べにきたのだろう。

 これはモチノキ科のクロガネモチという木。クロガネモチは、庭植えにすると10メートルほどの大木となり、観察した木も高さ3メートルぐらいあり見上げるほど。

 それにしてもこのごろヒヨドリをよく見かける。かつて冬に来る渡り鳥だったそうだが、いまや一年中いて数も増えたように感じる。いつからこうなったのだろうか?「山渓フィールドブックス野鳥」(1991年、山と渓谷社)によれば、ヒヨドリは”1970年頃から市街地で繁殖する個体が増え、公園や街路樹でも営巣するようになった”とある。思わずこのごろという言葉がでたが、その兆候は50年も前からあったのだ。

 今年は市街地にイノシシが現れるニュースが続いた。いまはめったにない出来事として報道されるが、ヒヨドリと同じように”イノシシは令和元年頃から市街地に現れるようになり・・・”という記事を見る日が来るのだろうか。

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2019/12/09

千重咲き

 この時季、公園や生垣で白色やピンク色のサザンカの花を見かける。サザンカの原種は、白色一重の花で四国あたりが北限だそうだが、園芸種のサザンカは形も色もさまざまで全国で見かける。

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 サザンカは園芸種が数多く作られており(300種とした説もあり)品種特定が難しい。上の写真は、たぶん「乙女サザンカ」。乙女サザンカの花は千重咲とされている。一重や八重は花びらの様子を示す言葉としてよく使われるが、千重咲はなじみがなく広辞苑にも載っていない。しかし、いかにも花びらが多いことを連想させる表現で、ボタンやバラでも使われる。

 ところで八重は人名でも花でもヤエと読むのに、なぜか千重は人名にあるチエでなく花ではセンエと読ませる。すなわち千重咲はセンエザキとしている。これは園芸業界用語だろうか、ちょっと気になる読み方だ。

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2019/12/01

そのクリスマスツリーはモミでないかも

 身近にある樹木や草花について調べると、意外な事実に驚くことがある。いまの時季であれば、カエデとモミジの違いなどがよく話題に上がる。じつはこの二つは同じ樹木を指している。カエデは葉の形がカエルの手に似ていることからきた呼び名で、モミジは色づくことを表す「もみつ」からきた呼び名だそうだ。つまり葉の形か、葉が色づくことに着目するかの違いだ。しかし一般には、葉の切れ込みが浅いものをカエデ、深いものをモミジと呼ぶことが多い。

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 カエデとモミジの話はよく知られているが、”そのクリスマスツリーはモミではない”はどうだろうか。これは「植物と行事」(湯浅浩史、朝日選書)の「クリスマス植物の由来」に載っている話だが、”もともとヨーロッパモミは、ドイツ南部以西のヨーロッパに自生するが、北欧やイギリスには見られず”とある。つまりサンタクロースの故郷とされる北欧にはモミはないのだ。さらに”日本でモミとよばれてクリスマスツリーに使われているのはドイツトウヒ”とある。

 植物分類上ではモミとドイツトウヒは同じマツ科だが、モミ属とトウヒ属と異なる。しかし樹形を見る限りではともに三角錐の形をしていて見分けがつかない。タネの形が違うので見分けられるそうだが、そのタネを見る機会がないとどうにもならない。

 ところでナショナルジオグラフィックに「世界最古の生きた樹木」という記事がある。これはスウェーデンで発見されたドイツトウヒで、地上にある幹の樹齢は600年だが地中の根は9550年とされている。古い幹が死ぬと同じ根本から新たな幹が生える、それを繰り返すことでここまで生きてきたそうだ。我々が街中で見かけるクリスマスツリーは、このような不思議な生命力をもった木かもしれない。

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2019/11/24

蔦紅葉(つたもみじ)

 今年は紅葉を見ることは出来ないかと思っていたが、身近なところで色づいたツタの葉を見かける。このような葉を何と呼ぶのか調べたら、蔦紅葉(つたもみじ)という言葉をみつけた。これは古くから俳句や和歌で詠まれているそうだ。

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