2022/01/23

蘇るグレンミラー

 グレン・ミラーは第二次大戦中に搭乗した飛行機とともに1944年12月行方不明となり、その生涯はグレンミラー物語としてジェームス・スチュアート主演で映画化されたが、グレンミラー本人が出演した映画がある。


 銀嶺セレナーデ(Sun valley serenade)は、1941年に制作された映画。Sun Valleyというスキーリゾートを舞台にして、ノルウェーから来た元気がよい女性主人公に振り回されるラブコメディのような作品。じつはこの女性ソニア・ヘニーは、オリンピックのフィギアスケートで三連覇を果たした元アスリート、そのためかスキーやスケートシーンが多い。

 その女性主人公のお気に入りのピアニスト(こちらは俳優ジョン・ペイン)が加入しているバンドのリーダーが、グレンミラー本人なのだ。トロンボーンを吹きながら指揮をする姿がこの映画に残されている。

 上に載せた映像は、まさしく銀嶺セレナーデでの演奏シーンの一部、曲はIn the mood。この曲に加えてこの映画にはMoon light serenade, Chattanooga Choo Chooなどの演奏シーンもある。

 ところでグレンミラーの名を冠するオーケストラは、本家アメリカに加えてイギリス、EU、スウェーデンにもある。いずれもサウンドだけでなく演奏スタイルもグレンミラー・オーケストラを再現しており、なかでもスウェーデンのグレンミラー・オーケストラ・スカンジナビア(Scandinavia)は、指揮スタイルまで完璧。それが下の映像だ。


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2022/01/16

レコード・イコライザーに悩む

 カフェのマスターが珍しいレコードを見せてくれた、それは1940年代に製造されたアメリカ軍用のレコードだそうで、詳しいことはいずれマスターが記事にするだろうからここでは触れないが、もしそれを再生するとしたらどうなるか考えてみた。

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 製造時期から、それが78回転SPレコードであることは明らかだ。78回転のプレーヤーは中古で入手可能だし、カートリッジはいまでも新品が入手できる。となれば再生は簡単そうに思えるが、録音時の音になるべく近づけて再生するには適切なフォノイコライザーを用意しなければならない。

 レコードに記録される音は、低音から高音までフラットでなく、低音は振幅を小さくし、高音は振幅を大きくしている。これによりレコード溝の振幅をある範囲に収まるようにしている。再生するときは、この逆を行う必要があり、低音を増強し高音を減衰させる。それを行うのがイコライザーだ。

 新しいLPレコードであればイコライザーはRIAAに統一されているが、初期のLPおよびSPレコードはメーカーごとに独自のイコライザーを採用していた。それを示したのが上に掲載した図 (出典 The Recording and Reproduction of Sound, 1952)。横軸は周波数、縦軸はゲインで周波数ごとのゲインの変化を示している。上からA,B,Cと三つのカーブが示されており、(A) ヨーロッパで使用されたDECCA FFRR、(B) Victor 78、(C) Columbia 78だ。100Hzの低音であれば3本のカーブの差はさほどないが5KHzの高音になるとその差は大きくなる、これはトーンコントロールで簡単に調整できる範囲を超えるかもしれない。

 話を最初に戻すと、アメリカ軍用レコードの製造メーカーはどこだろうか?VictorかColumbiaかCapitolかもしれない。複数メーカーが供給していた可能性があるが、このレコードを再生するときはどのイコライザーカーブを選べばよいのだろうか?

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2022/01/08

雪の富士山を登る

 都心は積もっても1㎝ぐらいと予報されていた雪は、富士山の麓に到着した頃には足首がすっぽり埋まるほどに。

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 富士山と言っても地元神社境内奥にある富士山、いわゆる富士塚。以前は少し崩れて石置き場のようだったが、数年前にきれいに整備され、頂上に浅間神社の祠も置かれている。

 じつは正月二日に初詣のためこの神社を訪れたら、本殿前の行列が参道からあふれていた。そこでその日は諦め、6日に近くに来る予定があったのでそのときお参りしようとなったのだ。

 正月六日、さらに雪となれば人出は少なく境内はひっそり、初詣と正月の富士単独登山を無事終えた。

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2022/01/04

最新チェキinstax mini Evoと遊ぶ

 2021年12月3日に発売されたinstax mini Evoは、外観はクラッシクだが新機能をぎっしり詰め込んだ最先端チェキ。その注目点は以下の三つ。

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1.明るいレンズ

 従来のチェキは 60mm F12.7のレンズが搭載されていた。60mmは35mm換算で34mmぐらいでまあまあ広角だが、F12.7は背景のボケなどは期待できそうもない。ところが、Instax mini Evoのレンズは35mm換算で28mmF2。これはフィルムコンパクトカメラでもめったにない明るいレンズ。このレンズスペックは、2019年に発売された新時代チェキinstax mini LiPlayと同じでまさしく新世代のレンズ。

2.アナログカメラのような操作感

  カメラ背面には液晶モニターと押しボタンが並ぶが、フィルターエフェクトはダイヤル操作、レンズエフェクトはレンズ外周を回す、プリントはレバー操作などアナログ操作感をたっぷり盛り込んでいる。また、従来のチェキ同様にボディ前面シャッターボタンに加えて、カメラを横持ちしたとき右人差し指がちょう当たる部分に二番目のシャッターボタンがある。いわゆるツインシャッターボタンを装備している。

3.強力なスマホアプリとの連携

 このカメラはアナログ+デジタルのハイブリッド、スマホアプリと組み合わせるとデジタルガジェットに変身する。たとえばスマホアプリの「DIRECT PRINT」は、このカメラをフォトプリンターに変身させスマホ内の写真をプリント。「REMOTE SHOOTING」 は、このカメラをスマホで操作するリモートカメラに変身させる。「TRANSFERRED IMAGES」 は、カメラ内の写真を Instax フレーム付きでスマホへ取り込む。

 まとめ

 従来のチェキがシャッターボタンを押すと撮影・プリントが一気に行われるのと違い、このカメラは、まず撮影を行い、次にその中から気に入った画像を選びプリントする。いわゆる「プリンター付きデジカメ」のようなもの。実際に使ってみると、最新機能とクラッシックな外観のギャップが面白く、フィルム・レンズのエフェクトも多彩で様々な表現ができる楽しいカメラだ。

 さらにレンズ性能の向上に加えてプリントモードに色彩豊かな instax-rich が追加され、従来のチェキからワンランクアップのプリント画質が得られるなど基本性能が向上していることも見逃せない。下はその撮影例。

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2021/12/18

ジャック・ティーガーデンに出会う

 ふと立ち寄った中古CD販売の棚、上3段はクラシック・アルバムがぎっしり詰まっていたが、最下段にカーペンターズやアンディウイリアムスに続いてジャズCDが30枚ぐらい並んでいた。

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 CDケース背のデザインが共通だから企画もののセットのようだが、その端にあきらかにそれらと違う背が見えたので抜き出したら「COAST CONCERT」というアルバムだった。

 夜の空港、雨上がりだろうか光が反射する路面の上に楽器ケースを小脇にもつレインコートを着たオジサンが立っているジャケット写真に見覚えがあった。それはPortrait in Jazzのジャック・ティーガーデンの章で、村上春樹が”ティーガーデンとボビー・ハケットときて僕がまず(ふと)個人的に思い出すのは、LP「コースト・コンサート」(Capitol) に入っている美しいバラード「プランを変えなくちゃ」である”と語っているアルバムだ。

 早速購入し自宅で聴いてみた。「プランを変えなくちゃ」の原題は、 I Guess I'll Have To Change My Plan だろうと聴きはじめたら、まさしく村上が”ハケットのメロディアスで品が良くて滑らかなスイング感にあふれたプレイと、ティーガーデンののほほんとした人柄のにじみ出たプレイがしっくりとひとつに混じりあって”と語った世界をかいま見るような。それは尖ったところがまるでない、まったりした心地よいサウンドにあふれていた。

 それにしてもPortrait in Jazzでティーガーデンに興味をもちわずか1週間でそのアルバムに出会うとは、なんとも不思議な巡りあわせだ。

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