JJ 植草甚一 再び
JJという二文字を見て、何を連想するだろうか?
OLであれば、女性雑誌のJJを思い浮かべるだろうが、ちょっと古いモダンジャズファンであれば、トロンボーンのJJジョンソンだろう。そして1960年、70年代カルチャーをリアルタイムで経験した人なら、映画評論家にしてジャズ評論家、小説評論家そして雑学エッセイストであるJJこと植草甚一だ。
60年代、70年代に数多くの雑誌に登場していたJJだが、最近はまったく見かけることがなく、私にとっては忘れ去られた人であった。しかし、昨年10月頃、神田にある三省堂本店で植草甚一フェアが開かれ、植草甚一倶楽部シリーズ全5冊(1994年発行)があったので買ってみた。JJが現役時代、雑誌は買ったことがあったが、ハードカバーの本を買ったことはなかったので、これが初めてのJJ本の買い物である。JJの文章は、夜中にちょっと読むのに丁度よい。なにしろ話題がどんどん飛ぶので、どこから読んでもよいし、どこで中断してもよいのだ。これはベッドサイドブックに最適。
年が明けて東京堂ふくろう店に行ったら、今度は「植草さんについて知っていることを話そう」高平哲郎(晶文社)が平積みされているのを見つけたので、これも買ってみた。こちらは2005年1月の最新刊である。この時期にJJ関係の本が、新たに出たのには驚いたが、JJの人間像がわかって面白い本である。外国の雑誌や新聞でしか情報が入手できなかった時代、ニューヨークに行っていないのに、誰よりもNYの通りや店の情報に詳しかった。その後、実際にNYに行ったらほとんど毎日古本を買っていた。外出時のファッションと全く違って、自宅では日本的生活をしていたなど話題満載である。
JJブームが再び来るか分からないが、面白そうなものなら何でも集めてみようというJJのスピリットには、共感するものがある。今の時代にJJがいたら、毎日マイナーインターネットサイトを探し、面白い記事を我々に紹介してくれるだろう。
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コメント
初めまして、grandtrick920といいます。
僕も、このインターネットの時代にJJが生きていたら面白かっただろうなぁ、とよく考えていました。
でも充分すぎるくらいの本などを残してくれたので、僕達は幸せですよね。
投稿: grandtrick920 | 2005/06/23 03:06
クリッパーです、コメントありがとうございました
JJは、本・雑誌・新聞の情報収集の達人でしたから、インターネット時代になっても結構うまくやれたように思います。彼がいまいれば、アマゾンあたりでバーゲン本やマイナーな本を探したり、アメリカのローカル新聞社のホームページなどを読んでるかもしれませんね。
投稿: クリッパー | 2005/06/23 21:02