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2005/09/03

落語ブームが来たって、ホント?(5)

 久しぶりに東京堂書店ふくろう店へ行ったら、青蛙房から発行された「聞き書き、五代目古今亭今輔」を見つけた。

 最近は、古今亭今輔の名を聞くことは少ないが、かつてラジオ寄席やテレビ寄席が盛んだった頃は、よくその落語を聞いた。ちょっと早口でだみ声、お婆さんものの話で人気があった落語家である。

 英語やクラッシク音楽が好きな元気なお婆さんが登場する「青空お婆さん」などの新作を演じる一方で、「もう半分」などの本格的な怪談ものなども演じた。真面目で頑固だったので、若い頃はいろいろ苦労が多かったようだが、晩年は落語協会の会長を務めた人である。

 ところで、一般には、訛りがあったので、新作落語に取り組んだように言われる今輔師匠だが、どうもそんな簡単なものでは無いらしい。「聞き書き」によれば、楽屋内でも訛りについて色々言われ随分気にしていた時代もあったが、長谷川伸氏(劇作家)や三代目小さん師匠の言葉から、訛りや新作落語への批評を気にしなくなったと語っている。新作落語の難しさ、古典芸能としての落語など、「聞き書き」の内容はなかなか読み応えがある。

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