なぎらさんの話を聞いてみたい
今月初めからの仕事の混乱は、ようやくピークを超えたようだ。しかし、これからが大変なのだ。いままでの混乱は、登山でいえば、駅から登山口まで向かうバスの調子がちょっとよくない程度で、まだ登山口にはついていない。本当の山登りは、これからなのだ。
さて今週の通勤本は、「下町小僧、東京下町昭和30年」(なぎら健壱、ちくま文庫)だ。TVに登場するなぎらさんは、本職はフォークシンガーだと言いながらも、ちょっといいかげんなオヤジ風なキャラクターをよそおっている。しかし、ひとたびペンをとると、その記述の詳しさに驚かされる。
「下町小僧」は、その副題にあるように、銀座木挽町生まれのなぎらさんが育った、昭和30年当時の東京の下町風景をこまかく描いている。たとえば「だっこちゃん」、最初の正式名は「木のぼりウインキー」、それが「ウインキー」になり、ついに「だっこちゃん」になったこと、さらにウインクしないニセモノがあり、そのためにあとから貼り付けるウインクする眼のシールがあったなどの話は、さすがなぎらさんだ。しかも、本物の「だっこちゃん」の値段に加えて、ニセモノ用シールの値段まで書いている。
そんなこと書いてなんの役に立つと言われれば、それまでだが、その時代を知る人にとって、思わず”あった、あった”と叫んでしまう話題だ。
いったい、なぎらさんは、こういう話をどのように書いているのだろうか。できれば、なぎらさんの話をじっくり聞いてみたい。
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コメント
じんた堂さんに、この本を教えていただき、先日、入手しました。最初は、ちくま文庫で購入しようとしたのですが、やはりじんた堂さんから「単行本と再発本や文庫収録されたものでは、内容が異なる場合がある」と、実例をあげてご説明いただてから、それもひっかかりはじめ(^^; 結局、ネット古書店で、データハウス刊行の初版を購入しました。やはり表紙からして相当に違いがあり、それだけでも、本の印象が違ってきますね。それにしても、おっしゃるように、なぎらさんの記録は細かいですね~。
投稿: masa | 2006/07/23 17:39
データハウス版の「下町小僧」を入手されたとは、さすがmasaさんです。じつは私は、まだデータハウス版には出会ってなく、いつかどこかの古本屋の棚で、こんなところにいたのかと出会うことを楽しみにしています。
ところで「下町小僧」、導入部にある”板橋の迷路のような路地”の話は、スリバチ学会@板橋のmasaさんに似ているような。
投稿: じんた堂 | 2006/07/24 22:18