ウジェーヌ・アッジェを開く日
先週前半は、体が重いというか体の節々に鈍い痛みが走り回っていた。駅の階段を降りるのがつらくて、若いときに膝を悪くしたときのことが頭をよぎった。経験者なら分かると思うが、ほんとうに膝がつらいのは上りでなく下りの階段なのだ。エレベータが増えたといっても下り用がある駅はまだ少ない。そのうちノドも痛くなり、インフルエンザのような症状になってきたので、あわてて近所の医院へ行ってきた。どうやらインフルエンザではないとの診断だが、ノドの炎症を抑える薬を飲むことになった。
こういうときは気分をかえて写真集でも見ようということで、「ウジェーヌアッジェ回顧」(淡交社)を開いた。だいたい写真集は買ったときは見るが、あとは棚に置かれたままなことが多いので、あまり買わないようにしている。「ウジェーヌアッジェ回顧」は、東京写真美術館の企画によるアッジェ作品を集めた一冊で、私の持っている数少ない写真集だ。街の建物や路地を正面からとらえた構図は人影が写っていなくて、見るものに静けさを訴えかける。ここだけをみるとアッジェは人物を撮らないと思ってしまうが、街角の人々を撮った作品もある。ただし、正面でなく少し斜めからの構図になっているところがアッジェらしい。街角、窓、階段、古い家、草花、派手さはまったくないが、なぜか心休まる写真だ。このページに載せた写真はアッジェの写真集を買った頃に撮ったもの、パリの古い屋敷と言っても信じてもらえそうだが、実は東京の郊外にある大学の講堂。すでに改修工事が進んでいて正面はキレイになっていたが、まだ手が付けられていなかった裏口をあえて撮ってみた。
さて今度の日曜日(10月22日)は、谷根千で「秋も一箱古本市」だ。今回はお客として楽しむつもりだが、天気が心配。まあ会場は屋根のある場所なので雨でも大丈夫だそうだが、やはり天気は良いにこしたことはない・・・。
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コメント
超遅コメントになりました。この写真、一瞬、アッジェの写真集から転載か?と思いました。凄いですね。ところで、僕も、アッジェの「ただ撮った」感が昔から好きでした。が、写真集は高価なものが多いですし、確かに、書棚に入ると入りっぱなしということが多いものですから、アッジェの写真集も、まともなものは持っていませんでした。が、じんた堂さんの、この記事を読み、たまらず源喜堂書店に走り、売上げに貢献してまいりました(^^;
投稿: masa | 2006/10/31 00:40
いつもコメントありがとうございます。源喜堂書店、懐かしい名前です。学生時代、キレイな美術書が並ぶ一階というか中二階は眺めるだけでしたが、地下の雑誌コーナーをよく利用しました。ここの地下は古いファッション雑誌がたくさんあり、お客さんもデザイン関係の人が多かったようですが、ときどき理工系の雑誌がすごく安く売られていて、私はそれを目当てに時々チエックしていました。このごろはまったく行ってませんが、どうなっているのだろう。
投稿: じんた堂 | 2006/11/01 19:36
源喜堂書店の地下は、なかなかでしたね。現在は、書籍とは関係のないお店になっていました。雑貨店だったように思います。つい先日、この目で見たというのに、気をつけて見ていませんでしたので、あやふやですが(^^;
投稿: masa | 2006/11/01 22:42
追です。源喜堂書店のほうは、嬉しくなるくらいに昔のマンマです。
投稿: masa | 2006/11/01 22:44
源喜堂書店は昔のままですか!よし、こんどの週末に行ってみます。ついでと言っては申し訳ないが、通りの反対側に高校時代同級生の店があるので、そこも寄ってみます。
投稿: じんた堂 | 2006/11/02 22:18