時代の空気
今月新刊となった「名作写真と歩く、昭和の東京」(川本三郎、平凡社)を購入した。この本は「読売ウィークリー」に連載された「東京時空散歩」を編集したもの、有名写真家による昭和東京写真に川本三郎が文章をつけている。東京を地域ごとに分け、1930年代から1980年代の昭和の風景を紹介しているが、新しく編集されただけあって、年号は全て西暦に統一されている。
本郷・湯島・御茶ノ水界隈のなかに、小川町1959のタイトルで交差点の写真がのっている。タイトルで分かるように1959年に撮影されたものだが、この景色は1970年代も同じようだった気がする。フタバヤ、尾張屋とならびその隣りに、店内に鉱物標本や宝石の原石をおいてあった金石舎があったはずだ。谷中1977に写っている羅漢さんも、実際にこの格好(上半身は裸で半ズボン姿)で歩いていたのを見たことがある。このような光景は、実際に昭和を生きたひとに共感を呼ぶだろう。
ところで申込書などに日付を書き込むとき、ふと手が止まることがある。今年は平成何年と書こうとして、すぐに出てこないのだ。平成も19年たっているのに、いまだに私は戸惑ってしまう、なぜだろうか?
いまや日常見かけける年月日はほとんど西暦表示、07などという表記は説明がなくても2007年の下二桁だろうと解釈してしまう。それではすべて西暦で良いかとなると、そうでもない。たとえば昭和30年代は、1955年から1964年となるが、これはやはり昭和で呼ばないと時代の空気が伝わらない気がする。
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コメント
平成の誕生はテレビではっきり見た。故小渕元総理が、当時は総務大臣だったかあの頼りなげな顔で手書きされた「平成」をカメラに向け掲げているシーンを、どこか喫茶店の中のテレビで見た記憶がある。あれから18年が過ぎ今年は平成19年。平成という元号が抵抗なく心に響くようになったのは、それでも10年はかかったような気がする。それだけ重いのではあるが、言い方を変えれば実用的ではない。世間から敬遠されるのも頷けるように思う。
元号は「時代」系?
投稿: △イチおじさん | 2007/01/27 17:00