電車がきます
都電荒川線は現在は都内唯一の路面電車で、専用軌道をとてもスムーズに走っているが、かつて都内を縦横に走っていた都電は、軌道内に入り込んだトラックや交差点の信号待ちのために、たびたびブレーキをかけるので騒がしく、一定スピードで走ることも難しかった。
この町、広島の市電は、かつての東京にあったように道路の真ん中を走り、いくつもの交差点を通過していく。そのたびに、あの懐かしい車輪とレールがこすれるような音がする。車両はレトロなものからモダンなものまで多種多様、車掌さんも乗っている。いや正確にいえば、一両の場合はワンマンカーだが、三両編成の場合は後方出口に料金処理や案内放送を行う車掌さんがいるのだ。
数十年ぶりに道路中央の停留所に立ってみる。そういえば都電の停留所の端に、コンクリート製の頑丈なバリアがついていて、実際にそこに衝突していた車をみたことを思い出した。あれは中学生の頃だっただろうかと昔の記憶をたどっていたら、突然、停留所に「電車がきます」の灯かりが点り、遠くに見えた市電の小さなヘッドライトがゆっくり近づいてきた。
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コメント
路面電車のバリア、懐かしいですね。
だいたいどこも何かがぶつかった痕で
ボコボコでしたね。
憶えているのは、コンクリート製のやつで
剥がれて中の砂利が丸見え。
でもだれも直そうとしなかったような。
投稿: △イチおじさん | 2007/02/08 20:15
△イチおじさん、こんばんは、
都電の停留所も、いまや消えた東京の風景ですね。たまに地方で路面電車に乗ってみると、そのリズムというかスピード感はなかなかいいもんです。
投稿: じんた堂 | 2007/02/11 20:01