ニシ・アズマ
ニシ・アズマ、この名前を見てピピ!と反応したあなたは、どんな人だろうか?まずは読書家、いや愛書家、それもメジャーなものはあえて外してマイナーな作家を好む人にちがいない。
いまやミステリだけでなく幅広い分野の作品を発表しているあの宮部みゆきに、”この小沼丹という作者は男性ですか”と言わせた小沼丹は、一部の読者にはよく知られた作家だが、その小説・エッセイ本は、なかなか見ることができない。「黒いハンカチ」(創元推理文庫)は、小沼丹が昭和30年代に女性雑誌に発表した一連の作品をまとめたミステリ短編集だ。
その作品の主人公が、女学校の英語の先生にして、どこか愛嬌のある探偵のニシ・アズマなのだ。ミステリ小説なので内容の紹介は省くが、この短編集を開いたら、最後まで一気に読み終わってしまった。オシャレな感じがただようこの作品は、TVドラマ化したら結構面白いシリーズになりそうだ。
なお小沼丹は男性で1996年没、本職は早稲田大学教授、小説・エッセイに加えて井伏鱒二との交流が知られている。
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