二連ポンプ:谷田川を行く
陽気はすでに花見シーズンのような暖かさだった日曜日、出版社之潮(コレジオ)主催の「川の地図辞典」:出版記念ウォーク、「谷田川(やたがわ)跡をあるく」に参加。
休日の駒込駅前の人の流れは六義園に向かう人ばかりだが、それとは逆に線路に沿って坂道を下る約20名のグループは、かつての谷田川の流れを目指して歩む。知らない人がみれば怪しげな集団だが、その実体は・・・川の地図事典の著者、出版社社長、地図の専門家、街歩き案内人、建築家、大学教授、カメラマン、アースダイバーなどなど、いずれもその筋(いや分野)で活躍されている方々ばかり。
下流の根津付近で藍染川とよばれる谷田川は、昭和7年暗渠にされその上は道路となった。そのため、川の流れを直接みることはできないが、微妙にぐねぐねと曲がった様子は、今もかつての川筋の記憶を残している。霜降橋交差点からいったん谷田川から離れ染井付近へ向かい、狭い坂道を上がり下り、そしてまた上がり下り染井銀座に着けば、道は再び谷田川跡となる。なるほど谷田川は、岬のように突き出た台地にはさまれた谷のような低地、谷戸を流れていたことを足と体で実感する。
さらに進み、台地の中腹に広がる染井墓地付近へ。彼岸前とあってお墓参りの方々もちらほらと、ここで参加者一同、一気に掃苔(そうたい)モードとなる。芥川龍之介、谷崎潤一郎などの小説家からはじまり、千葉周作、遠山金四郎など時代劇で知られる人の墓が近隣の寺に点在している。
墓地で気付いたのだが、二基の井戸ポンプが設置されている。このポンプは今も現役らしく、筒先から水がしたたり落ちており、この付近に地下水脈があることを示している。谷田川の水源は、染井墓地付近にあったいくつかの小さな川の水が集まったものと言われているが、その水源をこの地域の湧き水と考えて良いかもしれない。実は、以前、紹介した東京外語大学の地にあった下瀬火薬製造所も、その排水が近隣の井戸を汚染した記録がある。すなわち、この地域の井戸が使用していた地下水脈は地表に近く、その一部は台地の中腹付近に幾筋か流れを作り、やがて一つに集まり谷田川となったのだろう。
ところでこの井戸、利用者がそれほど多いとも思えないが、なぜ左右対称に二基も設置したのだろうか?二基は連結はしていないが、とりあえず二連ポンプとして記録しておく。
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コメント
じんた堂さま
16日はありがとうございました。二連ポンプもご一緒に見ましたね。川好きotoko申すに「長屋があったから、ポンプの数は必要だったのだ」との事です。
それから「根津の古本市」気持ちが動いたのです。まだ間に合うッと。でも、アルバイトの仕事が差し迫りました。今回は残念ながら見送り、という事にいたします。ネットで当日の賑わいを拝見して楽しみ、来年には…。
投稿: 川好きonna | 2008/03/19 23:32
川好きonnaさん、先日は楽しいツアーを企画していただきありがとうございました。お土産もおいしく頂きました。
二連ポンプの情報ありがとうございます。今はお墓参りの人しか利用しそうもありませんが、なかなか佇まいがいいポンプのように思います。
ところで、一箱古本市ですが、もし之潮の案内チラシなどがありました私の箱に置くのはどうでしょうか・・・。また深川散歩ですが、http://www.asahi-net.or.jp/~QR2M-SKMT/ でアクセスできますので、もしよろしけらば一度ご参照下さい。
投稿: じんた堂 | 2008/03/20 19:34
じんた堂さん。大変遅くなりましたが、やっと拙ブログでも記念ウォークについてエントリーできました。また、東京をご一緒させてください。
投稿: わきた・けんいち | 2008/03/30 01:33
わきたさん、おはようございます、
ブログ拝見しました、さすがJEDIだけあって素晴らしい内容ですね。じつは先日、花見に行きましたら、花粉症が悪化しダウンしてしまいました、私は、まだまだフォースの修行が足りないようです。またよろしくお願いします
投稿: じんた堂 | 2008/04/01 09:15