エジソン・ライト
白熱電球の製造・販売が中止される話しが現実的になってきた。
4月5日、経済産業省は、4年後の2012年までに白熱電球の国内での製造・販売を中止し、省エネ効果が高い電球形蛍光灯に全面切り替える方針を発表した。海外の一部の国(アイルランド、オーストラリア)ですでに発表されていたが、環境問題を改善するためにエネルギー消費の大きな白熱電球の製造・販売を止めて蛍光灯に切り替える話しが、日本でも現実のものとなってきたのだ。
ところで光源の種類が何であろうと、照明に使うには明るさに加えて、その光源で照らされるものの色の見え方が重要になってくる。極端な例では、高速道路のトンネル内の黄色い照明の中では、クルマの色が違ってみえる現象がある。
照明による色のみえ方がどれだけ自然光に近いかを示す指標を演色性という。演色性は、もっとも自然光に近い状態をRa=100として、値が小さいほど自然光から外れてしまう。じつは白熱灯は、このRaが100で自然光にもっとも近い性質を持っているが、一般に使われている蛍光灯はRa=80程度のものが多い。もちろん医療現場など色の差が重大な結果をもたらす環境には、Ra>90以上の特別な蛍光灯が使用されているので大丈夫だが。これから作業場などにある白熱電球を蛍光灯に切り替える場合には、使用する蛍光灯の演色性が十分か確認する必要があるだろう。
それにしても、いまや地球温暖化・省エネという言葉の前には、誰も異論をはさめないが。システムの切り替えにあたっては、新しいシステムに合わないものは全て切り捨てるだけは止めてほしい。
写真は、KODAK COLOR DATA BOOK: COLOR AS SEEN AND PHOTOGRAPHTEDから
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