北杜夫をみる
徹子の部屋は、平日の昼過ぎに放送しているのであまり見る機会はないが、昨日は、ゲストが北杜夫父娘となっていたので見てしまった。
私と同じ世代であれば、北杜夫の「どくとるマンボウシリーズ」を読んだ人は多いだろう。1970年代、狐狸庵の遠藤周作、どくとるマンボウの北杜夫の二人は、雑誌やTVにそろって登場していた印象がある。最近放映されたネスカフェコーヒーのCMでは、その昔の遠藤周作のCM映像が唐沢寿明と共演するように合成されていたが、北杜夫もネスカフェコーヒーのCMに出ていたはずだ。
ところで、学生時代は、北杜夫の作品は新しい本が出るたびに読んできたが、社会人になってからいつのまにか離れてしまった。それでも「楡家の人々」は、いまも時々読み直すことがあり、そのたびに文章のうまさに感心する。マンボウシリーズの軽いユーモアのある作品もよいが、「楡家の人々」のように家族と時代の風俗を描いた長い作品を、飽きさせないで読ませるのがすごい。
今回の番組では、北杜夫の娘であり、あの「窓際OL・・・」の著者である斉藤由香さんも一緒に出演していたが、その娘の作品に対してコメントするときの北杜夫は、少しはにかんだようで、やはり作家というより父親の表情のような・・・。でも、あの飄々とした口調は、やはりどくとるマンボウだ!
さて、これを機会に、もういちど北杜夫を読み直してみようか。
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コメント
私も仕事場に戻るのを遅らせて徹子の部屋を見ました。北杜夫はすっかりお爺ちゃんになってましたが、元気な姿じゃなくて年老いた姿を見せたかったようですね。
斉藤由香は先月位の週刊文春で阿川佐和子とも対談して、互いの家族の変人自慢のような話題で盛り上がってました。そういえば先月は一昨年他界した齊藤茂太の手帖(夫人に叱れたことを克明に記録)を話の中心に据えた番組(再放送)をNHK総合で見ました。長男の嫁は輝子さんには....たいへん...のようでした。
因みに僕は青山脳病院の前の道を真直ぐいって麻布笄町方面に下がる途中の小さなマンションにあった事務所に10年ほど通ってました。
投稿: iGa | 2008/05/13 11:07
iGaさん、こんにちは、
ご覧になりましたか!あのマンボウ風の語り口は変わっていませんでしたね。北杜夫家(斉藤家)も子供の代に移りつつあるようですが、それを見守るお父さんという雰囲気もありました。
ところでiGaさんが、青山脳病院近くの事務所に通っていたとは!もう二十年前ぐらいになるでしょうか、青山脳病院の跡地を探しに行ったことがありました。その頃は、青山墓地方面に向かうと傾斜地に古い家がありましたが、今はマンションになったかも。それにしても麻布笄町、昔の町名はいいですね。
投稿: じんた堂 | 2008/05/13 13:08
70年代は事務所勤めで根津美術館の北門の裏手、80年代は独立して立山墓地に面した知人の所有物件を借りてましたが、何れも日向高鍋藩秋月家下屋敷跡でたぶん上杉鷹山が幼少時代を過ごした場所ではないかと想像しています。
青山脳病院の跡地は永い間、王子製紙の社宅とテニスコートになってましたが、たぶん80年代になってから王子不動産の外国人向けの高級賃貸マンションに建て替えられました。あの場所からなら青山墓地の向こうに練兵所が見えた筈ですね。
http://madconnection.uohp.com/mt/archives/000558.html
投稿: iGa | 2008/05/13 17:04
70-80年代を青山で過ごされたんですね。私は70年代の初め、ほんの数ヶ月だけ紀伊国屋の奥に通っていました、まだ千代田線が開通していなくて銀座線は神宮前駅でした。
ところで、江戸ではなく戦後すぐの話ですが、野坂昭如の本「東京十二契」の中にある”青山南町の鮭缶”という話しの舞台が、青山脳病院に近い青山南5丁目です。野坂は、この地にあった先輩の家に居候するのですが、先輩の一級下に斉藤茂吉の息子がいたこと、焼け野原となった青山南の様子が描かれています。
投稿: じんた堂 | 2008/05/13 22:15
どくとるマンボウシリーズ、
たくさん並んでいたのを見た
記憶がありますよ。
いつだったか。
投稿: おじさんの独り言 | 2008/05/14 09:42
おじさんの独り言さん、こんにちは、
さきほど三省堂の検索サービスで、北杜夫を検索したら224件出てきました。私が読んだのは10冊程度ですから、5%にも満たない、これでは愛読者と言えないかも
投稿: じんた堂 | 2008/05/14 15:24
8月10日~15日、川口市上青木のSKIPシティで開催される「川口市平和祭」において、特別企画展として「どくとるマンボウ昆虫展」が併催されます。
初日、8月10日(日)午前11時より、語り部伊藤しのぶ さんにより、『どくとるマンボウ昆虫記』の中から「詩人の蝶」と「神聖な糞虫」が上演されます。また、1話と2話の間に小生の講演会が入ります。
「詩人の蝶」では私のコレクションを画像として映し出しますが、「神聖な糞虫」では、今森光彦氏から使用許可をいただき、名写真集「スカラベ」の画像を使用させていただくことになりました。
シュナックとファーブルが北杜夫の文章を介して語り部の体内で融合し、音声と演技により皆様の目の前に立ち上がる様を是非体感してください。
標本箱数は28箱。昆虫記の登場種類は98.9%カバーしてあります。しかもその内27.3%は北杜夫氏が1945~1946年に自ら採集された個体です。おそらくは、これだけ完璧に「モノ」が集まることは、この先10年は無いでしょう。
「青春記」中、大石田町の聴禽書屋で居候し、最上川沿いの草原を散策しながら、父・齋藤茂吉翁の傍らで観察(採集)した狩猟蜂を見るだけでも非常に感慨深いものがあります。「航海記」の台湾産ミカドアゲハに近似のチョウも同様。今こそ50年の時を経て、皆さまの前でその実像が明らかにされます。『その時の、正にそのもの』です。
皆様お誘い合わせの上、10日~15日は川口市平和祭へお越しください。10日の講演会+語り部の会に御参加の皆様には、先着100名様に、北杜夫氏の署名・本のタイトル・採集標本写真入り特製ブックカバー(文庫本の昆虫記専用)を謹呈させていただきます。この会場でしか配布しない限定ブックカバーです。(「高山の蝶」より出典。クジャクチョウ+コヒオドシ+ミヤマモンキチョウ・バージョンとクモマベニヒカゲ+コヒオドシ+ミヤマモンキチョウ・バージョンを50枚ずつ御用意しました)
投稿: Ludorf | 2008/08/07 00:23
Ludorfさん、
どくとるマンボウ昆虫展のお知らせありがとうございました。盛況だと良いですね。
投稿: じんた堂 | 2008/08/07 19:38