シトロエン:自動車ポスターにみる1960年代
イタリアのフィアットにつづいて、フランス・シトロエンのポスターをみてみよう。
これは1965年のシトロエン2CVのポスター。この車はもともと農民のための車として1948年に発表されたが、その簡素にして必要十分な装備と経済性のため、やがてフランスを代表する車となった。
1960年代には、シンプルなオシャレなクルマというイメージもできあがり、いまやただの農民車ではないと訴えたかったのか、このように郊外にある大きな屋敷前にたたずむポスターも作られていた。
大きくドアを開き、薄くて平らなドアと、それと正反対にいかにもユッタリしたシートを強調したような構図は、前回のイタリアフィアットのギュッと詰まった感じと違う、ユルサと伸びやかさがある。これがフランスの造形なのだろう。
ところで、このシトロエン2CVは一時期日本でもよく見かけたが、もちろん乗っているのは農民ではなく、オシャレなカタカナ職業の人が多かった。そしてこのクルマを日本で有名にした最大のものは、映画ルパン三世に登場したことだろう。
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