鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)を教わる
ちょうど今頃から冬にかけて、真っ赤な実をつけている草を近くの道で見かける。ずっと季節がうつり冬枯れのモノトーンの景色となっても、赤く輝く実は、昔のクリマスケーキの上にのっていた赤いチェリーを小さくしたようで、弱い日差しのなかでもとても明るく感じられる。
ところで、先週末、高校時代の先生と同級生と会った。いわゆる同窓会だが、かつての担任の先生から手作りの栞(しおり)をもらった。
花の写真に花の名と簡単な説明が書かれた2X5cm程度の栞が数十枚あり、そこから好きなものを自分で選ぶのだが、一枚ずつめくる手がある栞で止まった。小さな写真の中にある赤い実に、見覚えがあったからだ。
栞には、草の名前を鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)としてあった。
その栞を、家に持ち帰り手元の植物図鑑を開いたが、ヒヨドリジョウゴの名は載っていない。そういえば、以前も図鑑を調べたが、そのときも見つからず、これは外来の草花かもと思いそのままにしてしまった。しかし漢字名があるということは、日本に古くからあるものだろう。
そこで広辞苑を開いたら、ヒヨドリジョウゴは漢字で鵯上戸と書き、「ナス科の蔓性多年草、・・・・夏から秋に白色5裂の花を開く、花後、赤い液果を結び、これをヒヨドリが食すという」と、先生の解説と似たような内容が書かれていた。さらにGoogleでヒヨドリジョウゴを検索してみたら、数多くの記事がみつかった。これで長年の疑問が一つ解決。
それにしても、いまだにこの歳になっても先生から教わるとは!
道端の草花とそこにあつまる虫、空を飛ぶ鳥、さらに夜空に輝く星座、そんな身近な自然についても知らないことはたくさんある。いや知っていると思っていたことも、このごろは新しい研究成果から見直しされるものがあり、(たとえば冥王星は惑星でなくなってしまったように・・・)、どうやら教わることに終わりはないようだ。
| 固定リンク
コメント