エンリコ・ピエラヌンツィのDREAM DANCEを聴く
DREAM DANCE(CAMJ 7815-2)は、今年の2月に発売されたエンリコ・ピエラヌンツィの最新アルバム。
演奏は、リーダーであるピアノのエンリコ、ベースはマーク・ションソン、ドラムはジョーイ・バロンといういつものメンバー、さらに曲は全てエンリコのオリジナルとなれば、これは是非とも聴かねばとなる。
そういう思いでこのアルバムを聴き始めたら、あれ・・・。いつもの流れるようなメロディでなく、複雑なメロディとリズム進行にとまどう。しかしその印象も、1曲、2曲と曲が進むにつれて変わる。やはりこのアルバムは、エンリコならではの美しい作品がぎっしり詰まっている。
4曲目のCastle of dreamは、深い響きのベースに透明感あふれるシンバル・ドラムのコンビネーションが美しいリズムを作り出し。そこにエンリコのテンポのよいピアノが加わり、これぞエンリコ節という密度の高い演奏に圧倒される。7曲目:Pseudoscope、9曲目:Five plus fiveは、テンポも速く演奏も力強くなり、エンリコ・ピアノトリオによるジャズの世界が繰り広げられる。
2004年12月に録音されていたのに、どうしていままでリリースされなかったのが不思議に思うほど、このアルバムは曲も良し録音も良し。
ところで6曲目にNippono ya-okeという曲が入っているが、これは「日本の夜明け」をイメージしたものだろうか・・・。Free FlightにもNipponが登場していたが、ヨーロッパジャズにジャポニズムならぬニッポンニズムのような動きがあるのだろうか。いずれにしろNipponという文字を、海外作品の中に見ると、ちょっとうれしくなる。
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