ガラモント
雨の週末、「平野甲賀(装丁)術・好きな本のかたち」(晶文社、1986)をよむ。
平野甲賀は、長いあいだ晶文社の本の装丁をおこなってきたことで知られる。その平野が、自らの装丁について語ったのが「平野甲賀装丁術・好きな本のかたち」。この本で知ったのだが、平野は、新潮社から発行された小林信彦の本の装丁もおこなっており、晶文社専属ということではないらしい。
その彼の装丁で目につくのが、タイトルの特長のある文字。
既製のフォントでなく、みずから描いた「書き文字」は、大きさと文字間のバランスが絶妙だが、じつは・・・。
「フリーハンドで書くのだと思ってましたが・・・」「いやいや、定規と雲形をかならず使います。そうしないと、手癖がでてきちゃってイヤなのね」
なるほど、あの躍動的ながらキッチリしたタイトル文字の直線と曲線は、こういうことだったのか。
さて、その平野だが、巻数の「1」だけは写植書体でやってみたいと「ガラモント」書体を選んだと語っている。
ガラモント?
はじめてみるこの書体名を調べたら、16世紀にクロードガラモン(Claude Garamond)が作った書体で、ヨーロッパの本に使われているとあった。しかもこのフォントは、いまもマイクロソフト・オフィスに入っているそうだ。早速Wordを開き、フォント選択のメニューのリストをみたら、「Garamond」の文字。
オフィスソフトは長いこと仕事で使っているが、Garamondというフォントはまったく知らなかった。このフォントは、どういう文書に使用するのだろうか、いつか機会があったら使ってみよう・・・。
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