「中華料理の文化史」を読む
今日読了したのは、「中華料理の文化史」(ちくま新書124、張競)。
著者の張競さんは、日中文化比較を専門とする中国出身の学者、現在は明治大学の教授。
4000年の歴史を持つと言われる中国だが、その食文化はどのように変化したのだろうか?
この本は、タイトルにあるように中華料理の変化を文化史的に解説している。
中国の支配層が、北方や南方の民族に変わるたびに中国の食生活は大きく変わり、さらに西域から新たな食材や調理方法が入り込み、そのたびに中華料理は新しい料理を作り出してきた。なかには古くからある中華料理だと思っていたら、それが意外と新しいものだったりする。
たとえば高級中華料理の代表と言われる、”フカヒレは300年、北京ダックでも100年ほどの歴史しかない”と著者は語る。これでも十分古いように思うが、4000年の歴史の前ではやはりつい最近となってしまうだろう!
じつは中華料理の変化は今も起きており、著者が上海に帰りレストランに入ったら、メニューに記載されている漢字料理名がまるで知らないものになっていたエピソードが、この本に紹介されている。
この本、箸の置き方(中華は縦置き、日本は横置き)など食習慣の話しもあり、文化としての中華料理が味わえる一冊。
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