Vincenzo Danise : Immaginando un trio Vol.1を聴く
今年もイタリアジャズ、新年最初に購入したCDはVincenzo Daniseの「Immaginand un trio vol.1」。
昨年暮れのDISK UNION御茶ノ水ジャズ館のセレクションNO.63で紹介された、このアルバムがずっと気になっていた。なにしろ”凄いピアノトリオが登場しました・・・”で始まる紹介文は、エンリコ・ピエラヌンツィ(ENRICO PIERANUNZI)に負けていないような表現でまさしく大絶賛。
新年早々、CDショップで見つけたので早速購入。
Vincenzo Daniseとはどのようなピアニストかすぐ知りたいところだが、まずはCDサブタイトルにある「WALTEX JAZZ COMPETITION」について。Waltex Tricotはイタリアの繊維メーカーで、その会社が主催しているJAZZコンテストが「WALTEX JAZZ COMPETITION」、その入賞者はRADARレーベルからCDがリリースされるそうで、Vincenzo Daniseは2009年優勝者らしい。
それではVincenzo Daniseとは、どのようなピアニストだろうか?
公式プロフィール資料が見つからず、よく分からないのだが。アルバムジャケットによれば、Enrico RavaはジャズセミナーでVincenzo Daniseに会い、彼と一緒に演奏するなかで、彼の才能、ファンタジーあふれ自信に満ちた音楽。さらに彼のオリジナル曲に強い感銘を受けたことを語っている。ジャケット写真を見てもまだ若いようだ。
さてこのアルバムだが、イタリアジャズらしい明るさと哀愁感が混ぜ合わさったメロディを期待すると、ちょっと裏切られるかもしれない。エンリコ・ピエラヌンツィに似ているような話しもあるが、それよりどこか北欧を思わせる透明感や静寂感をたたえたメロディは、ビルエバンスに近いものがある。
それではビルエバンス風かと問われると、そうだとも言い切れない。単純化されたメロディの根底に、やはりイタリアジャズらしい歌うようなメロディがときおり見え隠れし、さらにまるでクラッシク音楽のように聞こえる部分もある。Enrico Ravaが語っているように、その曲は”Very original songs"という表現が一番的を得ているようだ。アルバムImmaginand un trio vol.1には8曲が入っているが、そのうち5曲がオリジナル、Vincenzo Daniseはその将来が楽しみなイタリアジャズ界の新星と言える。
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