ジャズを読む
1960年代、世界的ベストセラーとなった「ジャズ読本」の原著者であるヨアヒム・E・ベーレントは、ドイツ在住のジャズ評論家であった。
日本版「ジャズ、その歴史と鑑賞」は、原著者ヨアヒム・E・ベーレントの要望により、油井正一が英語版からの翻訳を担当し1965年発行。写真右側の本が、その1965年(昭和40年)版、下にあるのは10年後の1975年(昭和50年)に発行された改訂新版「ジャズ、ラグタイムからロックまで」。
いまはジャズに関するほとんどの情報がネットで収集できるので、ジャズ本が話題になることは少ない。しかし1960-70年代は、まさしく活字だけが頼りで、ヨアヒム・E・ベーレントや油井正一による雑誌やレコードジャケットのライナーノーツなどの記事が、ジャズファンの主な情報源だった。いまふり返れば隔世の感があるが、海外の音楽情報(それも雑誌だが)に直接触れていたのは限られた人だけであったのだ。
ところで、ジャズがアメリカ黒人のあいだから生まれ音楽だが、不思議なことにヨアヒム・E・ベーレントもそうだが、ジャズ音楽の発展にはドイツ系の人々が深く関わっている。
たとえばジャズレコードの代表レーベルであるブルーノートの創設者であるアルフレッド・ライオン、またブルーノートを経営面から支えたフランシス・ウルフは、ともにベルリン生まれのドイツ人であった。彼らがアメリカに渡るには、戦争を前にして厳しくなったたドイツ国内情勢が影響していたようだが、その抑圧感が彼らをジャズに向わせたのかもしれない。
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コメント
一昨日はみちくさ市にお越しいただき、ありがとうございました。どら焼きまでいただき、さらに感謝です! 甘夏さんからうかがいましたが、市川では有名なお店だとか。いやほんと、とても美味しかったです。
来週末は向島の「ふるほん日和」ですね。よろしくお願いします。
投稿: M@古本T | 2010/03/24 08:23
みちくさ市は、天気に恵まれ、人出も多く盛況でなによりでした。「ふるほん日和」も、天気に恵まれることを祈っています。
投稿: じんた堂 | 2010/03/24 20:49