TECHNO POP AGAIN
YMOが流行っていた頃は、仕事に追われてYMOに限らず音楽を聴くことはあまりなかった。それでもテクノポップという言葉とYMOのサウンドは、いまも頭の隅に残っている。
先日、古書展で気にいった本が見つからず帰ろうとしたとき、古いレコードが置かれているのが目に入った。よくあるクラッシック・セットものと合唱アルバムに加えて、YMOのLPが一枚だけ混じっていた。ジャケットはキレイだが、ライナーノーツもなく片面にうっすらキズもあるので棚に戻そうかと思ったが、文庫本と同じ値段という安さにひかれつい買ってしまった。
じつは、YMOについて思い違いをしていたことがあった。
そのシンセサイザーとコンピュータによる演奏スタイルから、YMOのデビュー盤はCDのように思っていた。
ところがデビュー盤は、アナログレコード時代。
CDソフトが日本で初めて発売されたのは1982年。YMOのデビューは1978年、その活動休止は1983年なので、ちょうどレコードからCDへ移りはじめたまさにその時代をまたがって活躍していたことになる。当然、デビュー盤はアナログレコード。
購入したLPレコードは、「X∞MULTIPLIES」(A&M SP4813)、1980年に発売されたYMOのベストアルバム。日本のALPHAレコードの型番が印刷されていないのでUS盤だろうか。レコードプレーヤーにおきカートリッジを下ろせば、かすかなスクラッチノイズにつづいてYMOサウンド。それはまぎれもなく80年代テクノポップが蘇った瞬間であった。
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