彼岸花@清澄庭園
秋の野山で目につく花と言えば彼岸花。
はるか遠くからもそれと知れる真紅の美しい花だが、好きですかと問われると返事に困ってしまう。子供の頃、”彼岸花は、毒があるから触ってはいけない”と大人たちから言われたことが尾を引いているのか、どうも同じ秋の草花であるコスモスなどと同じようには受けとめることができなかった。
しかし歳を経るにつれて、どこかに毒を含んでいるかもしれないという、彼岸花の危うい存在もありかと思うようになった。
ところで、映画監督小津安二郎の作品に、そのものずばり「彼岸花」という映画がある。さらに「秋日和」「秋刀魚の味」など、小津作品には秋にちなむタイトルをもつものがある。映画のストーリーはともかくとして、小津が秋という言葉を好んだことは間違いないだろう。
小津は深川生まれ。清澄通り深川一丁目付近の歩道に「小津安二郎誕生の地」の碑、小津橋に近い古石場文化センターには小津安次郎展示コーナーがある。となれば彼岸花を、秋の深川で見るのは自然な流れであろう。
いまその彼岸花が、澄庭園でほぼ満開となっている。公園奥にある水辺の所々に小さな群落が点在しており、それぞれ数輪の花をつけている。株によってはまだツボミのものもあり、10月10日ぐらいまでは花が楽しめそう。
写真は清澄庭園の彼岸花。
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