原節子を読む
NHKBSで映画「めし」(成瀬巳喜男)を放映していた。
1951年に公開された映画「めし」の舞台は大阪、主演は上原謙と原節子、東京から引越してきた夫婦という設定。当時の大阪の町の様子が収録されているが、原節子が一時帰京したシーンからは舞台は東京に移り、東京のロケ風景(南武線矢向駅)も収録されている。その原節子についての本が昨年出版されている。
「原節子あるがままに生きて」(貴田庄、朝日文庫、2010年)は、いまや伝説の女優となった原節子の生い立ちから出演した映画を軸に年代順に興味深い話題を紹介している。
たとえば原節子はデビュー後2年まだ17歳であった1937年に完成した「新しき土」(国際版題名「サムライの娘」)は、ドイツ人監督:アーノルト・ファンクと日本人監督:伊丹万作による作品(伊丹万作は伊丹十三の父親)。この作品の宣伝を兼ねて、1937年彼女はシベリア鉄道を経由してベルリンを訪れ舞台挨拶をし、その後パリ、ニューヨーク、ハリウッドを訪れ海外の映画監督・俳優に直接会っている。
原節子といえば小津安二郎監督映画でのイメージが強いが、このように国際的な作品にも出演し戦前に海外旅行もしていたのだ。
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