6月の花「野蒜(ノビル)」
ネギ・ニンニク・ノビルなどを総称して「蒜:ひる」と呼ぶそうだ。ノビルは、野の蒜のことであり、いまその花が咲いている。
細長く伸びた茎のさきに濃い茶色をした小さな粒々の固まり、それを中心に小さな白い花が花火のように広がる。その姿は、この時期に茂る草の中でひときわ目だつ。
ノビルは、食べられる。しかしノビルの花を見つけたからといって、それを食べようと掘り出すのはやめたほうがよいようだ。
「たべもの語源辞典」(東京堂書店)に、食べ物としてのノビルの話がのっている。”成長すると高さ60センチに達し、初夏のころ淡い薄紫の花をつけるが、食用にするのは花の咲く前である”。さらに古事記・万葉集での食用例の紹介に続いて、”ノビルはせいぜい20センチまでが良い。浸し物・酢味噌和えにする”と記述している。
すなわちノビルは、まだ花が咲く前の草丈が小さいときに見つけなければならないのだ。野草に詳しい人ならば若いノビルを見分けられるかもしれないが、私のように花をみてはじめてノビルと気がつくようでは、ときすでに遅し旬の美味しいノビルを食べることは出来そうもないのだ。
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