シャネルデビュー
写真展「エリオット アーウィットが見つめたパリ」が、銀座シャネル・ネクサス・ホールで開催されている。エリオット・アーウィットは、1928年生まれ。両親はロシア人、幼少時代をミラノで過ごしパリに戻り、1939年に家族とアメリカに移住。アメリカで写真家となり写真集を出すとともに映画・テレビ番組制作で活躍している。(下の写真は会場で配布されているパンフレット)
シャネル・ネクサス・ホールは、高級ブランドで知られるあのシャネル銀座店の中。正面玄関から入店しドアマンに”写真展に来た”ことを伝えると、”奥のエレベータで4Fです”と教えてくれる。このエレベータのボタンがオシャレすぎて、どのように操作するか戸惑う。内装も階数表示も、あらゆるものがデザインされているのに感心していると、エレベータは静かに4Fに停止する。さすがシャネル、エレベータの動作まで優雅だ。
展覧会場は、少し照明を落としたシンプルなもの。写真集『Elliott Erwitt's Paris』から選んだプリントが、壁面に並ぶ。撮影時期は1950年代から最新の2009年まで、全てモノクロームでプリント隅にサインがある。
パリの街をとらえたスナップは、人物・動物・静物・風景とさまざま、それらを真正面からとらえるのでなく後姿や一部を切り取った構図のものが多い。なにげない日常風景の記録だが、いずれもどこか見るものにオシャレな印象を与える。犬の連作など、ちょっと笑いを誘う作品もある。
最後のコーナーで、アーウィット自らが出演しているビデオを放映しているが、これがじつに面白い。写真のネタバラシ(ある写真がヤラセであることを告白)があったり、まるで正反対の人物に扮して語ったりと、作者の本音と冗談が入り混じった楽しい作品になっている。
写真展「エリオット アーウィットが見つめたパリ」は、2月29日まで。入場無料。
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