消えた書店・日比谷
先日、古書モールで購入した「東京の小さな喫茶店」(常盤新平)は、日比谷にあった喫茶店「しぶさわ」の話で始まる。
この本を読み「しぶさわ」に興味をもち訪れようとしても、残念ながらそれは出来ない。「しぶさわ」が入っていた日比谷三信ビルは、すでに無いのだ。1929年(昭和4年)に建築された三信ビルは、天井から床まで細かな装飾がほどかされた美しいビルだったが、2007年(平成19年)惜しまれながら解体された。
ここに三信ビル地下の写真がある。撮影は2006年6月26日、すでに多くのテナントが店を閉じており「しぶさわ」もその中の一つだったようだ。このとき地下で営業していたのは、三信書店と薬局だけだった。1階の「ニューワールドサービス」も素敵な店だったが、三信書店もユニークな本屋であった。
オフィスビル内の書店というと経済関係の本が並んでいるイメージがあるが、三信書店の店頭は芸能関係の雑誌があふれていた。それも他所では見かけない宝塚関係の雑誌・ポスターやタレント本が、一番目立つ場所に並んでいた。宝塚劇場に近いこともあるが、三信ビルに渡辺プロの事務所があったことがあり、それが影響していたのかもしれない。
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