ディラン・キース・ジャニス・川本のつながり
マイ・バック・ページとマイ・バック・ページズは、日本語にすれば最後に「ズ」一文字付くか付かないかの差しかないが、その奥にあるものは大きく異なる。(気になる人は、日本語Wikipediaで検索してほしい)
今回、取り上げるのはマイ・バック・ページズ「My back pages」。これは、もともとボブ・ディラン作詞・作曲によるもので、ボブ・ディランのアルバム「Another Side of Bob Dylan」(1964年)のB面2曲目に収録されていた。
私が、この曲を知ったのはずっと後のことだった。1970年代中頃だろうか、ワーナーパイオニアから古いジャズLPシリーズで再発売されたことがある。その中にで、キース・ジャレットのアルバム「Somewher before」(1968年)があり、そのA面1曲目が、My back pages。
「Somewhere before」は、キース・ジャレット・ピアノトリオによる初のライブアルバムと言われていた。そこに収録されているのは、静かなバラードあり古いラグタイム風ありフリージャズのような演奏あり、よくいえばバラエティに富んでいるがどこかゴチャゴチャとした印象がある。しかしキースの若さ(当時23歳)と60年代後期の勢いを反映しているようで、これはこれで良いように思える。とくに1曲目の「My back pages」は、難解なメッセージフォークソング歌手として知られていたボブ・ディランの曲が、単純だが美しいメロディーを持つことを気付かせてくれた。
ところで、西荻窪のモンガ堂で「CD・音楽本まつり」が18日まで開催されている。そこに「ボブディラン果てしなき旅」・「ジャニス・ジョプリン禁断のパール」・「名演JAZZ PIANO」が出品されている。じつは、これらの本はあるつながりがある。
「Somewhere before」のライナーノーツによれば、”トリオでニューヨークのクラブに出演していたときは、たまにマイルスがやってきたり、ジミ・ヘンドリックスがきたり、ときにはジャニス・ジョプリンやミック・ジャガーが顔を出したしたんだ・・・ジャニスとは、ラグタイムのアルバムの曲を書こうという話をしていた・・・でも二人ともすぐに亡くなってしまったんだ」。そのジャニスの本「ジャニス・ジョプリン禁断のパール」には、60年代の自伝的小説「マイ・バック・ページ」の作者である川本三郎による新聞掲載した書評も添付されている。1988年発行の「名演JAZZ PIANO」は、ジャズ・ピアノ作品を紹介するとともにアルバムランキングを1位から190位まで掲載している。キース・ジャレットは、ケルン・コンサートが11位、「Somewhere before」は47位である。少し強引なところもあるが、モンガ堂に並ぶジャズ本は、それぞれつながっている。
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