うつむき花
今頃の時季になるとツバキに似た小ぶりな白い花が咲く木が近くにある。
いつもは気にすることもなくその横を通り過ぎていたが、先日、立ち止まってみたら、まるでダイビングするように頭を花にうずめて突き進むミツバチを目撃。花の少ない季節なのでミツバチも一生懸命なのだろう、見ているこちらを全く気にしないでズンズン進む。
ところでツバキに似た白い花はお茶の花だ。ならば茶畑にいけば一面白い花の光景が楽しめそうだが、そうはいかない。お茶農家にとっては良い葉を育てることが一番大事で、樹勢に影響を与える花は出来る限り咲かないようにしている。もし花芽をみつけたら、すぐに取り除いてしまう。さらにお茶の花は下向きに開くので、たとえ咲いていても気づきにくいのだ。
このようにお茶の花は目立たないうつむきの花だが、その純白で清楚な姿はミツバチだけでなく見る人を惹きつける。それはまさしくたたずまいが良い花である。
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