「写真の読みかた」を読む
岩波新書「写真の読みかた」著者:名取洋之助は、戦前ドイツで写真の仕事をはじめ、その写真はドイツの雑誌やライフにも採用され、戦前日本においてグラフ誌「NIPPON」を発行し、戦後は岩波写真文庫の編集をおこなった。
昨年の今頃だろうか、日比谷図書館で「報道写真とデザインの父 名取洋之助」のタイトルで作品展があった。雑誌「NIPPON」の表紙デザインと質感は、現代の目からみても驚くほど高く、報道写真家という枠にとどまらない総合プロデューサーとしての名取の凄さに感心した。
その名取が書いたこの本は、写真の撮影技術論でなく、また芸術論でもなく、報道写真とは何かを分かりやすく解説している。写真のテクニックを鑑賞するのでなく、それら写真がどのようなストーリーを語っているか正しく知ることが重要であることを教えてくれる一冊だ。
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