シベリアケーキ
連れの女性にゼロ戦について熱心に語っているオジサンを、カフェで見かけたのは今年の夏ごろだった。ジブリ映画「風たちぬ」が公開され、かつての飛行機好き少年だったオジサンが元気を取り戻したのだろう。
その映画「風たちぬ」に関連した話を最近また聞いた。
今回は若い女性から、しかもスイーツに関してだ。映画「風立ちぬ」の中に登場したことからシベリアケーキが注目され、しばらく製造をやめていたお店も再び作りはじめたとか。
シベリアケーキは、羊羹の両側をカステラで挟み三角形にカットしたお菓子。かつて町のパン屋のショーケースの中に並んでいたが、最近は見かけず忘れられた存在になっていた。ケーキという洋菓子を名乗りながらも、その素材である羊羹もカステラも和菓子のもの、いわゆる和洋折衷のお菓子。となれば和菓子屋ならどこでも並べていそうだが、そうでもないから不思議だ。
杉浦日向子「4時のオヤツ」に載っているシベリアは、ちょっと大ぶりで、カステラの外側にしっかりした焼き目(茶色)がついたものだが、私が、ときどき立ち寄るパン屋のそれは焼き目が薄くて小ぶり。これ以外にも、中身の羊羹が白あんだったり、緑色のうぐいすあんであったりと、さまざまなバリエーションを各店で見かけたことがある。
かつて羊羹カステラとして売られているものを食べたことがあるが、中身も食感もシベリアと同じだが、四角形のためシベリアを食べたという気分がしない。これは、まさしく羊羹カステラと言うしかなかった。やはりシベリアは、三角形であってこそのお菓子だ。三角形恐るべしである。
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