ちょっとあれですが
タモリの本といえば「タモリのTOKYO坂道美学入門」。ブラタモリに通じる街歩き系の本として人気があり、いまも新訂板が本屋に並んでいる。しかしこれ以外の本となると、なかなか思い浮かばない。もちろん「笑っていいとも」など番組に関連して編集された本や、「タモリ論」や「タモリさんの成功術」など新しい本もあるが、タモリが自ら語った本はどうだろうか?
先日の神保町古本まつりで「タモリのちょっとあれですが」(昭和53年、エイプリル出版)をみつけた。これはタモリ・著、永瀬達治・構成、河村要助・イラストとなっている。しかし読んでみると、タモリ作というよりもタモリが好きな話しを集めたような印象をうける。昼のTV番組ではNGだが夜のタモリ倶楽部でならOKになりそうな、いわゆるフランス小咄集のような本だ。タイトルの「ちょっとあれですが」は、このような含みもあったのかもしれない。
ところで高平哲郎が以前書いた文章のなかに、”植草甚一が残したLPレコードコレクションをタモリが引き取った”話があった。たしか4000枚ほどのコレクションだったような。そのコレクションはいまどうなっているのだろうか?また4000枚はどのぐらいの量なのだろうか?たとえばLPレコードの重さは1枚120~130gぐらいだから、総重量はおおよそ125gX4000枚=500kgとなる。これはなかなかのものだ。
「世界は中古レコード店だ」と語った村上春樹もジャズレコードコレクターだ。Wikipediaでは3000枚(1997年当時)とあるが、村上ラヂオ(2001年)で引っ越し時に”古レコードだけで六千枚もあった”と書いているから125gX6000=750kgとなる。さすが村上春樹だ!しかしコレクターにはもっと凄い人がいる、レコード12000枚を集めそれを公共施設に寄付した人がいるそうだ。この場合は125gX12000=1500kg=1.5トンとなる。まさしくクルマ1台の重さ。
だがまてよ先ほどのタモリの500kgというのは、植草甚一コレクションだけの計算だ。これにタモリ自身のコレクションを加えたらどのくらいになるだろうか、もしかしたらタモリもトン級のコレクターかもしれない。「笑っていいとも」の終了予定を公表したタモリは、これからどのような活動をするのだろうか、もしかして面白い本をだすかもしれない。いやぜひ出してほしい。
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