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2014/01/19

路線バスの旅を読む

 展開が分かっていても、つい見てしまうのが旅番組。なかでも名所・名湯・名店など旅番組の三大定番をまったく無視して、ひたすら目的地への移動にこだわる路線バスの旅が気に入っている。

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 路線バスの旅は、いまから約20年ぐらい前にちょっとしたブームとなり関連本が出版されたことがあった。「東京路線バスの旅」(トラベルジャーナル)は1995年に発売され、翌年にPART2も発売。いま手元にないのでうろ覚えだが、有名人それぞれのお気に入りの路線バスの話をあつめたエッセイ集のようなものだったような。

 あのTV番組とそっくりな路線バスの旅となると、1996年に発売された「コミさんのほのぼの路線バスの旅」(JTBパブリッシング)。コミさんこと田中小実昌は古くからの路線バスマニアで、旅行雑誌「旅」や「小説現代」に掲載された文章をまとめたものだ。その中には初出1980年となっているものもあって路線バス旅のさきがけかもしれない。

 たとえば1987年初出の「十年越しの東京湾ぐるり旅」は、練馬の自宅を出発して路線バスで蒲田・羽田・横浜・横須賀とまわり久里浜からフェリーにのって千葉県の金谷にわたり木更津・千葉・船橋・市川を経て東京に戻る東京湾を一周する路線バス旅の記録だ。タイトルにある「十年越し」は、コミさんが市川~船橋バス路線に10年前からトライし、いままで一度も成功したことがなかったことによるもの。直接のバスルートがないため遠回りして乗り継いだり、さらに歩いたりと路線バスの旅の原点のような内容だ。

 ところであのTVの路線バスの旅でちょっと気になることがある。スタッフの移動と宿泊はどうしているのだろうかである。出演者は三人でも、カメラマンや音声さらにサポートまで含めれば相当な大所帯になるはずだが、それらの人たちの移動と宿泊をどのようにしているのだろうか?さらに設定の期限以内でゴールできるか事前にどこまで調査しているのだろうか?まあー、そのような番組作りの裏側は、お互いにふれないのがお約束かもしれないが。

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