シングル・アゲイン
外出のお供本にしていた「東京っ子ことば」(林えり子、文春文庫)を読み終えた。もとは銀座百点に連載されていたもので、さまざまな(江戸)東京言葉をとりあげている。1語にたいして2~3ページの記述なので、外出先のちょっとした空き時間に読むのにちょうどよい。
たとえば「せいひついろ」。筆者が高校生だったころ、母親に頼まれて父親の下駄を銀座で購入、そのとき母親からことづかった鼻緒の色がせいひつ色。下駄屋の主人が持ち出した鼻緒をみて「なんだ、この色か」と口をすべらしたことから、その主人からこの色の漢字表記を教えてもらうことに。せいひつとは青漆「せいしつ」で、東京人は「し」が「ひ」となり「せいひついろ」となると書いている。
東京人の「し」から「ひ」への変化は、私も聞いたことがある。かつて「朝日新聞」を「あさしひんぶん」と語るお年寄りと会ったことがある。この場合「ひ」と「し」が完全に入れ替わっているが、歯切れよい口調なので違和感はなかった。しかしこの頃はこのような言い回しは聞かない、今や消えた東京語かもしれない。
ところで前回、シングル盤を購入したがEPアダプタが見つからないと書いたが、それがようやく見つかった。レコード棚や段ボール箱の中を探し、ようやく見つけたEPアダプタは袋に入った未開封状態。じつはこのプレーヤーは、それまで使っていたものが壊れたので2009年に新たに購入したもの、ということは少なくともここ5年ほどシングル盤は聴いていなかったことになる。早速、EPアダプタをセットし先日購入したドーナツ盤を聴きはじめた、シングル・アゲインだ!
さらにこれも前回のつづきだが、東陽町のダウンタウンレコードで「下町ハイファイ古本市」が8月31日まで開催されている。特集「70~80年代のツアーパンフレット大放出」に加えて、ちょっとオシャレな音楽つながり本が出品されている。
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